2017年05月04日

「環境を撮る」 自然写真家としての顔とは?

写真家で切り絵作家の今森光彦さんをお迎えしています。

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今森さんは琵琶湖周辺の里山や自然をテーマにした
写真集を多数出版され、第20回木村伊兵衛写真賞(写真賞)、
第28回土門拳賞など、数々の賞をお取りになられています。
そもそも、写真家を志したきっかけはというと、
「僕がちょうど、学生が終わって就職しないといけない時代、
1970年代なんですけど、その頃に自然写真っていうのが、
市民権を得てきたんですね。それで職業にしたいと思ったんです。」

1988年に出版されている写真集「昆虫記」には、
昆虫写真がなんと1700点も!
この写真集では、1人のナチュラリストが、
長年 自分の周りの昆虫を見て観察していく、
日記のような写真集となっています。

写真へのこだわりは意外にも平均的だと語る今森さん。
「僕は昆虫だけではなくて、
実は魚も好きで、鳥も植物も好きなんですよ。」
「その分、浅くなるんでしょうけど、
そういう見方をしたいんですよね。
なので、里山とか全体を観れる写真にいったのかなと思います。
環境に興味があるんですね。」

今夜の選曲:DANCE TONIGHT / PAUL MCCARTNEY

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2017年05月03日

滋賀県各所で行う里山の植林活動と主催する昆虫教室

写真家で切り絵作家の今森光彦さんをお迎えしています。

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めいすいの里山では、社員参加による植林活動も行なっています。
「ついこの間、200本のクヌギの幼木を植え込みました。」
「そこに鳥が飛んでくるんですよ。
そしてその鳥のウンチのから芽生えて
実のなる木があるんですよ。それを狙っています。」

今森さんは滋賀県高島市でも
雑木林『萌え木の国』で植林活動を行なっています。
「クヌギとかコナラの雑木林っていうのは、
大きな幹を切ってもすぐに芽吹きますよね。
そういう木を萌え木っていうんです。」
「針葉樹のヒノキなんかだと、切ってしまうと
芽生えないのですが、でも(クヌギのような)広葉樹は
切ればきるほど長生きするんです。」


毎年夏には2泊3日で昆虫教室も開催しています。
昆虫と聞くと、男の子のイメージがあるが、
女の子の参加者の方が多いそうです。
「昔は女の子くせに!って世間体が
許さなかったんですけど、
実は女の子の方が関心あるんですよ。」


今夜の選曲:NEW /PAUL MCCARTNEY

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2017年05月02日

エコトーンの重要性、里山保全に必要なこととは?

写真家で切り絵作家の今森光彦さんをお迎えしています。

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アトリエ「オーレリアンの庭」
造成の際にこだわったのが「エコトーン」
「何かから何かに移り変わる環境を『エコトーン』というのですが、
そういうところには生き物が集まってくるんですね。」
「例えば、森から草原に変わる途中のところは
森の生き物も見られるし、草原にいる生き物も見られるんです。」

アトリエには、水田、雑木林、ガーデニング、溜池などがあり、
それらのお手入れも自身で熟しているそう。
「これはお手伝いやって頂けそうで、できないんですよ。
結構緻密な計算で手入れをしていますので、
切ってはいけない木とかがわからないと思います。」

「労働だけをしているんじゃなくて、
情報収集をしているんですね。
特に草刈りは野原に一番近くて、
匂いとか風とかいろんな情報が入っていくるんですね。」


里山の保全は、その環境がどれだけ悪い状況かを
把握することから始まるそうです。
「例えば、田んぼだったら、去年まで耕作されていたのか
放置されていたのか、放置されていると土手の環境も
悪くなりますので、それも含めて保全はいけないんですね。」

里山は日本人として絶対欠かせない、
自然感をだったり、美意識を培ってくれるものとして、
絶対に無くしてはいけないともおっしゃっていました。


今夜の選曲:HEART OF THE COUNTRY / PAUL MCCARTNEY

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2017年05月01日

アトリエ「オーレリアンの庭」の暮らし

写真家で切り絵作家の今森光彦さんをお迎えしています。
今森さんは滋賀県大津市で、
アトリエ「オーレリアンの庭」運営などをされていらっしゃいます。

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アトリエ「オーレリアンの庭」があるのは、
比叡山のすそ野が広がる仰木地区。
現在は田園地帯となっていますが、
かつてこの地区は古琵琶湖と言われ、琵琶湖の一部でした。
「琵琶湖と比叡山の間は丘陵地になっていまして、
そこがかつて古琵琶湖、仰木地区になります。」


仰木地区に移住当初、
今森さんの住む場所には水道がなかったそう。
「何年かは仕事するだけだからいいやと
思っていたんですけど、そうもいかなくなりまして、
何年か前に思い切って井戸を掘りました。」


元々は大津市内から仰木地区に通っていたという今森さん。
仕事場を構えるならここだ!ということで、
アトリエ「オーレリアンの庭」の造成に至ったようです。
「ナチュラリスト、自然好きにはたまらない場所でして、
水田もあって、適度な雑木林もあって…
環境の多様性が豊かな場所でした。」

今森さんの著書
「今森光彦の心地いい里山暮らし 12ヶ月」は現在発売中です。


今夜の選曲:CALICO SKIES / PAUL MCCARTNEY

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2017年04月28日

5月1日から5月5日は

写真家で切り絵作家の今森光彦さんをお迎えします。

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里山の保全、植林など、環境を見守り撮影する
その活動についてたっぷりと伺います。


【プロフィール】
1954年滋賀県生まれ。
近畿大学理工学部卒業後、昆虫写真専門の写真家を志し、
フォトスタジオ勤務を経て、
1980年にフリーランスの写真家として独立されます。
その後、活動拠点を滋賀県大津市に移され、
里山の運営などにも携われていらっしゃいます。

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2017年04月28日

キリマンジャロの未来

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブ代表の
藤沢俊介さんをお迎えしています。

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環境NGO タンザニア・ポレポレクラブは、
会員からの会費、使用済みのハガキや切手などを資金化、
最近では、クラウドファンドィングなどを資金源に活動しています。

かつては、現地の暮らしを体験しながら植林活動を行う
ワークキャンプも行っていました。
しかし、キリマンジャロが国立公園(=世界遺産)になってしまったため、
植林活動が行えなくなったと藤沢さんはおっしゃいます。

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この問題は絶対に解決しなければいけない
と言う藤沢さんは最後に、現地の方に教えを
請うことが大事だとおっしゃっていました。
「私たち先進国の人間は、自分たちが
考えていることこそ正しいと考えがちなので、
どうしてもトップダウンでいってしまうんですね。
やってもらいたいのは、彼らに教えを請う姿勢こそ大事なんですね。」
「とにかく多くの方にこの問題を知ってもらって、
おかしいよねって思って頂ける方を
1人でも2人でも増やしていきたいです。」

今夜の選曲:THEME OF KILIMANJARO/MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO

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2017年04月27日

キリマンジャロ世界遺産登録とその弊害

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブ代表の
藤沢俊介さんをお迎えしています。


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1987年、キリマンジャロの山麓の森が
世界遺産に登録され、国立公園となりました。
一般的に世界遺産登録は良いこととされていますが、
キリマンジャロの環境では少し違うようです。
「国際機関にしろ政府しろ、人の影響で森が減っているとした時に
『人』っていうのはそこに住む人たちのことを指すんですね。
彼らは森林資源を利用しながら、
生活している一方で、ずっと森を守ってきたんです。
だけど、(国際機関や政府は)それを見ないで、
彼らを森の中に入れなくしてしまおうとするんですね。」
「何人たりとも入ってはいけないっていうのが、
国立公園法ですから、彼らが住む地域も
国立公園に取り込んでしまえとするわけです。」


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たとえ違反になったとしても
敷地内で生活してきた人たちは
中に入らざる終えないのが現状です。
「今、キリマンジャロ山の森の中にあるものは何かといったら、
国立公園という名の無法地帯ですよね。
そういうやり方が、本当に世界遺産の森を守るやり方として、
正しいのか。国立公園というやり方はやめた方が良いっていうのが、
私たちや地域の人たちが政府に訴えていることです。」


今夜の選曲:A WOMAN CHANGED MY LIFE/MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO

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2017年04月26日

タンザニア・キリマンジャロの人々の暮らし

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブ代表の
藤沢俊介さんをお迎えしています。

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コーヒの産地として有名なキリマンジャロ。
現地に暮らすほとんどの方がコーヒー農家を営んでいたそうです。
しかし、2000年代に入ってから生産者価格の低下により、
コーヒーの農家を辞めていく人が後を絶たないそう。
「やればやるほど、赤字っていう状況が
 生まれたらみんな辞めちゃいますよね。」
「キリマンジャロ山の若者で将来、
コーヒー農家になりたいという人は恐らく1人もいないです。
みんな山から出たいって言います。」

コーヒーの他に、現地では蜂の養蜂も盛んです。
特に日本では聞き馴染みのない、
「針なし蜂」の蜜には、プロポリスを多く含んであり、
現地では薬として用いられています。


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現地の深刻な問題としてあげられるのが、診療所の人で不足。
藤沢さんが活動を行なっているテマ村では
人口4000人に対して、診療所は1ヶ所だそうです。
「そもそもお医者さんがいないんですね。
看護婦さんがたまにいるかいないかなんですが、
あまり役に立てていないですよね。」


今夜の選曲:SWEET LAS COKE/MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO


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2017年04月25日

キリマンジャロが抱える環境問題と人々の暮らしへの影響

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブ代表の
藤沢俊介さんをお迎えしています。

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植林活動では村のニーズ、
森への圧力を考慮しながら、
植える木を決めていきます。
「例えば、煮炊きするには薪が必要になりますよね。
ただ、原生種というのは、植えても中々根付かないのと、
根付いても育ちに時間がかかるという問題と、
もう一つは、煮炊きする薪として
適しているのかという問題があるんですね。」

一方、原生種と比べて成長の早い、
地元の木であれば、村のニーズに応えることができます。
「そういう木(暮らしに必要な木)は、
中々手に入らないものですから、
使ってしまうとすぐに無くなってしまうんですね。
そうすると残っている森に圧力がかかってしまう。
そういうことを避けるために、成長の早い木を
植えるという選択肢も当然入ってきます。」

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植林活動を行なっていく中で、
専門家と意見が対立してしまうことも。
「世界遺産ともなると、すごい注目を浴びるんですね。
森が減っているとなると何とかしろ!ということになります。
しかし、そこに暮らしいている人もいるんですね。どっちも大事なんです。」
藤沢さんは、植林活動は自然だけでなく、
生活する人々の生活のためでもある、
ともおっしゃいます。


今夜の選曲:SYMPATHY/MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO


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2017年04月24日

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブの活動は?

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブ代表の
藤沢俊介さんをお迎えしています。

環境NGO タンザニア・ポレポレクラブは、
タンザニアの中でもキリマンジャロ山に暮らす人たちへ、
主に環境分野の協力活動を行なっていらっしゃいます。

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キリマンジャロ山はこの100年間で
約3割の森林が失われたと言われています。
「昔に比べて、雨が降らなくなっている、水が減っている、
作物が育たなくなっている… それはなぜだろうと考えた時に、
周りの木が減ってしまったからではないか? 
と彼らは(キリマンジャロに暮らす人々) 考えて
植林活動に立ち上がったんですね。」
「そういう彼らと私たちが知り合いまして、
是非、一緒にやらせて頂きたいということで、
タンザニア・ポレポレクラブを立ち上げました。」


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現在、40の村と植林協力を行なっている藤沢さん、
それぞれの村には平均20種類ほどの苗木を育てており、
村の標高などによって、植える苗木は変わってくるそうです。
「(育ちが)早いのもあれば遅いのもあります。
その土地、村のニーズもありますので、
現地の環境と照らし合わせて行なっているという形です。」

今夜の選曲:SUPER JOCK STRUT/MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO

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