2017年09月08日
9月11日から9月15日は
俳優の大地康雄さん をお迎えします。

1951年熊本県生まれ。
79年『衝動殺人 息子よ』で映画デビュー以降
伊丹十三監督の映画『マルサの女』など数多くの映画作品、
テレビドラマに出演し活躍いらっしゃいます。
2006年には企画、脚本、製作総指揮、
主演の4役を務めた映画『恋するトマト』を制作されました。
俳優の大地康雄さん をお迎えします。

1951年熊本県生まれ。
79年『衝動殺人 息子よ』で映画デビュー以降
伊丹十三監督の映画『マルサの女』など数多くの映画作品、
テレビドラマに出演し活躍いらっしゃいます。
2006年には企画、脚本、製作総指揮、
主演の4役を務めた映画『恋するトマト』を制作されました。
今回のポッドキャスティングは、
9月4日から9月8日放送分、
東京国立博物館 研究員 西木政統さん
東京国立博物館 研究員 西木政統さんをお迎えしています。

今月26日から東京国立博物館で
開催される『運慶展』ですが、
これは見て置いた方がいい! という仏像は?
西木さん「今回のチラシにも大きく載っているのですが、
静岡県の願成就院というお寺にある毘沙門天立像です。
こちらは運慶は大きく飛躍するきっかけの1つとなった仏像の
1つで、これまでの運慶の作品と比べて非常に運慶らしさが出ている
例えば、非常に強力な存在感だったり、躍動的な表現だったり、
どこから見ても隙のない緊張感のある仏像になっているんです。
これを作らせて注文主というのは鎌倉幕府でも非常に有力な地位を
持っていた北条時政という武士で、そういう新興階級の
注文主だったからこそ運慶に全て任せて
もらえたのではないかと思います。」
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興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」
会期:9月26日(火)ー11月26日(日)
会場:東京国立博物館
休館日:月曜日(10月9日(祝)は開館)
時間:午前9時30分〜午後5時
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今夜の選曲:SALTY BEAN FUMBLE / PENGUIN CAFE ORCHESTRA
東京国立博物館 研究員 西木政統さんをお迎えしています。

近年の運慶作品の研究では、X戦で用いて
調査されているとお聞きしますが、
最近の発見ではどんなものがあった?
西木さん「仏像というのは平安時代以降、
軽くするため、あるいは作業を行いやすくするために
いくつもの部品に分けてくり抜いた状態から
接合していくんですね。接合後、くり抜いた後の空間に
お経を書いた板ですねとか、あるいは仏像を
作らせた方の大事なものを収めるといったことするんです。
なので運慶の仏像に限らず、X線を通してみる中に
何が入っているか確認することができるんですね。
その中でも運慶の作品には、お経が書かれた独特な板が
よく収められているということがわかってきたんですね。
そうしますと、運慶風の仏像でも中に板が入っていれば、
運慶の可能性が強まっていくということになるんですね。
普段は、なかなかX線にかけるというのは、
仏像を運ぶ必要もありますし、時間もかかるということで
気軽に行うことが難しいんですね。ただ今回は、
展覧会で実際に仏様をお借りできますので、会期中でも
随時調査を致しまして、何か新しいことがわかったら、
展覧中にもどんどん発表して盛り上げていきたいと思います。」
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興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」
会期:9月26日(火)ー11月26日(日)
会場:東京国立博物館
休館日:月曜日(10月9日(祝)は開館)
時間:午前9時30分〜午後5時
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今夜の選曲:WALK DON'T RUN / PENGUIN CAFE ORCHESTRA
東京国立博物館 研究員 西木政統さんをお迎えしています。

美術鑑賞の中で劣化が激しいものに関しては、
レプリカが使用させてますが、彫刻の分野でも?
西木さん「年中、照明を当て手続けますと劣化は激しくなります。
なので、文化庁の方で年間の展示日数と
照明を当てる強さっていうのも全て決まりがあります。
国の方針ですので、国が指定する国宝や
指定文化財といった指定した作品に関しては
展示公開の制限日数っていうのがあります。
彫刻ですと、60日というのが1年間で
展示できる日数の限度になりますので、
それを守って展覧会を開催することになります。
60日というの制限日数ですので、60日展示したら、
次の年は出さないですとか、あるいは、制限をもっと狭めて
展示をするとかして、常に出しっぱなしにならないように
配慮をするようにしています。」
西木さん「今回の展示はすごい照明を使うというよりも、
仏像に当てられる照明の数というのが、
尋常じゃなく多いというのがあります。一方向に当てますと
反対側には影ができますので、その影を消すために
また別の方向から照明を打つ。色と濃さを調整しながら、
すごい数の照明を当てていきます。特に上を見て頂くとわかると
思うのですが、是非周りの光がどこから
来ているのかっていうのにも注目していただきたと思います。」
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興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」
会期:9月26日(火)ー11月26日(日)
会場:東京国立博物館
休館日:月曜日(10月9日(祝)は開館)
時間:午前9時30分〜午後5時
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今夜の選曲: TELEPHONE AND RUBBER BAND / PENGUIN CAFE ORCHESTRA
東京国立博物館 研究員 西木政統さんをお迎えしています。

今月26日から東京国立博物館で開催される「運慶展」
推定作 3体を含める全22体の運慶作が展示されますが、
推定作の3体を現地で運慶作かどうか見極めることは可能?
作品を見極めるポイントは?
西木さん「それは会場の解説パネルをご覧いただきますと
通常作者の欄が入っているのでが、そこに運慶と入っているか
入っていないかで、入っていないもの中でももしかかすると、
運慶作の仏像が含まれているのではかと我々は考えているのですが、
是非実際に運慶作と推定作となるものを見比べて、
確認していただきたいなと思います。
私の目から見ても見極めるのは、中々難しいところなのですが、
一緒に展覧会を開くスタッフの中でも意見が
分かれる仏像も中にはあります。私が仏像を見極める時は、
やはり作風ですね。運慶らしい作風かどうか、全体の印象ですね。
例えば耳ですかとか、衣のひだの部分ですとか、
無意識に掘ってしまう作者の癖が出やすい部分が一緒であれば
同じ人物の作品と言っていいのではないかと思います。」
今回の展覧会は、どのように見ていけばいい?
西木さん「展覧会は3章構成となっておりまして、
2章は特に運慶の代表作がありまして、作られた年代順に
置いてあります。その中でも360℃ぐるっと一周見れる仏像が
何体か展示してあります。それは我々がオススメしたい運慶作の
仏像ですので、それは是非360℃を存分に活かして
見て頂きたいと思います。」
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興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」
会期:9月26日(火)ー11月26日(日)
会場:東京国立博物館
休館日:月曜日(10月9日(祝)は開館)
時間:午前9時30分〜午後5時
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今夜の選曲:CUTTING BRANCHES FOR A TEMPORARY SHELTER / PENGUIN CAFE ORCHESTRA
東京国立博物館 研究員 西木政統さんをお迎えしています。

今月26日から東京国立博物館で開催される
『運慶展』ですが、そもそも運慶という人物は何者?
西木さん「運慶というのは鎌倉時代に活躍した仏師といって
仏像を作る作家のことです。大変天才的な技術を
持つ仏師でして、日本、あるいは世界の中でも最も
有名な彫刻家だと思います。そして実はお坊さんでも
ありまして、中世以降の仏像作家で非常に特殊なんですけど、
お坊さんの資格も持っているんですね。
宗派としては、特定の宗派に所属しますと、他の宗派のお仕事が
やりづらくなりますので、そういうことに関しては偏りはありません。
ただ、運慶や快慶が一緒に仕事をしていたのが、
奈良の興福寺というお寺でした。運慶のお坊さんとしての
肩書きも興福寺の中にあったことは確かで、
興福寺と深い関わりがあったようで、
奈良を中心に仕事をしていたようです。」
今回の開催の『運慶展』は 史上最大の運慶展と
謳われいるのですが、何が史上最大なのでしょう?
西木さん「史上最大と申しますのは、
運慶作とされる仏像が、最も多く揃う展覧会という
意味で申しております。運慶作と仏像と申しますのも
直接サインが残っていたり、同時代の記録が残っていて、
運慶が作ったのがはっきりとわかる仏像と推定される仏像と
合わせて31体と考えるのが今日多いのですが、その中でも
確かに運慶作とわかる仏像が半数以上の19体揃います。
推定作含めると22体の運慶作の仏像が揃う展覧会となります。
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興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」
会期:9月26日(火)ー11月26日(日)
会場:東京国立博物館
休館日:月曜日(10月9日(祝)は開館)
時間:午前9時30分〜午後5時
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今夜の選曲:PYTHAGORAS' TROUSERS / PENGUIN CAFE ORCHESTRA
東京国立博物館 研究員 西木政統さんをお迎えします。

1986年滋賀県生まれ。
慶応義塾大学・大学院修了ののち、
上野・東京国立博物館の研究員として勤務され、
『運慶展』 をはじめ、仏像の展覧会に関わられていらっしゃいます。
ご専門は、日本彫刻史です。
遠山記念館・学芸員の依田徹さんをお迎えしています。

やはり盆栽の中では松が王道?
依田さん「松は王道ですね。あと盆栽にとって松が
どういう位置付になるかというと生き物として育てやすい
という側面があります。名木が作りやすいんです。
盆栽界で名木というとだいたいが松です。
常緑樹で1年を通して見頃、非常に年数を重ねた名木が
作りやすいというのがあります。」
盆栽に興味を持った人がまず尋ねるべき
盆栽苑はどこになるのでしょうか?
依田さん「さいたま市にある大宮盆栽美術館になると思います。
盆栽苑に見に行かれるのはいいのですが、
初めての方にはちょっと敷居が高いようにも思います。
そういう意味では、大宮盆栽美術館は公的機関になりますので、
抵抗感なく入れる施設になっているということと、
名木が多いということもあります。盆栽界でも
よく知られた盆栽が何点か常時ありますので、
いいものがご覧になられるのではないかと思います。」
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依田徹 著書「盆栽の誕生」(大修館書店)

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今夜の選曲:LUIZA / ANTONIO CARLOS JOBIM
遠山記念館・学芸員の依田徹さんをお迎えしています。

盆栽の聖地を言われるのが、埼玉県大宮
何故ここ聖地と言われている?
依田さん「これは盆栽町という町があるからですね。
さいたま市盆栽町で完全な町として存在します。
元々は村だったんですね。この盆栽村のルーツを
説明しますと、東京の植木屋というのは、巣鴨周辺に
密集していました。談合坂・巣鴨、この辺りが
東京の植木屋の中心地です。東京都内、武家屋敷が
ずらりと並んでいまして、そこの庭の管理する人たちが
鉢の木も作って販売をしていたんですね。
明治以降、植木屋から盆栽屋というのが出てきます。
植木よりも盆栽を主力していくお店です。
この盆栽園が関東大震災の影響で打撃を受けるんですね。
震災以降、関東は焼け野原になりまして、
東京の都市化が始まります。都市開発ですね。
この時に区画整理がされまして、道路幅が広くなる。
この時期から車の往来も頻繁になりまして、
排気ガスが問題になるんですね。
そうなると都内で盆栽園を開いていくのが
だんだんと難しくなってきて移転先を探したんですね。
そこで移転先に選ばれたのが、
埼玉の氷川神社の北側の一帯になります。
ここを借り受けて盆栽業者が移転して、
盆栽愛好家の村が出来て行きました。」
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依田徹 著書「盆栽の誕生」(大修館書店)

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今夜の選曲:CORRENTEZA / BOCA LIVRE