2020年12月23日

秘めた思いを活字に…ベストセラー小説「ホシノカケラ」について伺います。

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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稲葉さんは近年、小説も書かれています。
昨年は小説「ホシノカケラ」がベストセラーに
なりました。

稲葉さん「僕のいとこがミュージシャンなんですけど、
16、7年前に彼のソロツアーのパンフレットでいとこ対談
みたいなものをしたんです。
僕は最初、彼はもう地位を築いたミュージシャンだったので、
ソロツアーも楽にやるのかなと思っていたんです。
ですが、彼自身、対談の中で何度も言っていましたが、
『ロックグループでやっていることは一切入れたくない。
ソロでしかできない事で表現したい』と。
じゃあ、それを見てみたいと私はスタッフTシャツを着て、
ソロツアーに同行したんですよ。
スタッフは初日の1週間前から前乗りするんです。
ステージを調整しては壊してを
繰り返す…ミュージシャン本人は、
水曜日に入って金曜日の本番に向けてやっていく。
ステージという…これは僕にとっては建築物なんですけど
それを構造計算や照明…重量のリストアップから始まるんですが、
ミュージシャンやお客さんにとって安全なものであり、
その人たちが見たときに、あっと驚くものを
作り上げる。ロックグループではできない、
みんなが驚くものをそこで、魅せていく。
これだけ多くの人たちがいろんなことを考えて、
物作りをしている様子を本に書きたかったんですけど、
当時の僕は小説は書いてなくて、
全然違うテーマで小説を書いたり児童文学を
書いたりしているうちに長編を書くことが
少しずつわかってきて、
昨年全部書き上げました。」

小黒「きっかけを聴いているとノンフィクションで
出しそうなんですが、なんで小説という形に?」
稲葉さん「僕は、彼やスタッフの人が悩んでいる
様子を、その人の人称で書きたかったんです。
みんな寡黙だから、言葉にできない人たちですが、
ツアーに同行しているとその気持ちが
ビシビシ伝わってくる。
それを活字にするときには、物語にするしかないなと。」

staff| 20:00 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

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