2017年07月19日

人道支援に必要なスフィア基準とは?

アルピニストの野口健さんをお迎えしています。

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災害時、避難者に対する最低限の
(人権)プライバシーを守る
基準としてあるのが「スフィア基準」。
4月に発売された野口さんの
著書「震災が起きた後で死なないために」にも
この「スフィア基準」について綴られています。
野口さん「これは最初僕も知らなくて、避難所を作る時に、
エベレストのベースキャンプを再現すればいいと思ったんですね。
ベースキャンプも環境の悪いところに数ヶ月いるわけですから…
(避難所もベースキャンプも)心身肉体共に
休めるところでなくてはいけないので、
どうやったら、ストレスがたまらないかっていうのを
僕らはずっと考えるんですよね。
そこでベースキャンプがヒントになるんじゃないかって思って、
キャンプで使ったテントとかを熊本に持って行きました。
実際にテント村には、最大577人入ったんですが、
これまで震災時にテント村という発想がなかったので、
いろんな専門家が見にくるんですね。
その時に専門家のみなさんが口を揃えて
「スフィア基準」と言っているですね。
なんですかそれ?って聞くと「国際的な基準で、
避難してくる人の守らなければならない
最低限の人権(プライバシー)だよ。」って言われたんです。」

「本当にたまたまだったんですが、その専門家の
人が言うにはかなりスフィア基準に合格していると。
どういうことかというと、まず日本の避難所には仕切りがない。
要するにプライバシーがないということなんですね。
それが国際的なスフィア基準には完全に引っかかるんです。
先進国の中でいうと日本は3流国とも言われているそうなんですね。」

「(当時)テント村の人と話したんですけど、
究極のプライバシーってなんだ?ってなった時に、
やっぱり男女ってことになるんですね。
家が壊れるとか、周りにいた人が亡くなるとか
非日常的なことが起きると、
人間の生殖能力って高まるらしいんです。
確かに僕もヒマラヤに登った時にそんな経験があって…
だから人間ってピンチに追い込まれるほど、生殖能力が高まる、
それは震災においても同じなんだそうですね。
そう言うことを踏まえてもテントだったら
究極のプライバシーを少しは賄えるのかなって思っています。」


今夜の選曲: TEACH THE SKA / SKATALITES

staff| 20:48 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

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