2018年01月24日

滞在先のロンドン・チェルシーアートカレッジで 起こった珍エピソードとは?

今週は美術作家の若林雅人さんをお迎えしています。

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ロサンゼルスで美術、マドリッドで古典絵画、
ロンドンで彫刻と様々なことを学ばれていますが、
率直にいかがでしたか? 日本との違いなどは?
若林さん「ロサンゼルスは、コマ単位で、
デッサンをやったぐらいで、あとは独学でした。
マドリッドで1番ビックリしたのは、
今あるかわかりませんが、裸のデッサンです。
日本でやったら、1時間1000円とかで
やったりするんですけど、マドリッドだと
年間1000円ぐらいで、1日8時間、
好きな時間に勝手に入って裸体デッサンをできるですね。
男の人もいれば、お婆ちゃんも若いモデルさんもいて、
みんなスッポンポンで立っているわけです。
それをみんな普通に書いて、自分の好きなデッサンを
書いたら帰るってことをしているんですね。
なんでこんなに自由なことができるんだ?って思いました。」

「それからロンドン。ロンドンは教育に関して素晴らしくて、
例えば、私は“チェルシーアートカレッジ”って
ところにいたんですが、そこは元々、
レンガでできた工場だったんですね。
そこを中で仕切って、1人ずつスタジオがあるって感じなんです。
その時に、私はギター好きだったのでスタジオの中で
ギターを弾いて作品を作るってことをしていたんですね。
でも天井が筒抜けだから、音が抜けちゃって迷惑だったんです。
そうしたらある時、「ちょっとうるさいんだ」と言われました。
それで、シーラって言う学部長に
私から「なんとかできないか?」とお願いしたんです。
そうしたらテクニシャンの音楽専用教室が空いたから
使っていいよと言われて、そこを使ったんですね。
ひとつ面白かったことがあって、大学に入って
最初に作った作品がレンガの塀に穴を開けて
自分専用の出入り口を作ろうと思ったんですね。
なんでかっていうとロンドンって壁がレンガで
できるものが多くてすごい重たくて閉じ込められている
印象だったんです。ヤダな… と思って自分だけが
出入りができるようなドアを作ろうと思って、
入学してしばらくしてから、ブロックを壊しはじめたんです。
そうしたらしばらくして、セキュリティの人が来て…
「君はやっているんだ!?」と言うんですね。
私は「違うんだ、これはアート作品なんだ」
「自分専用の出入り口にしたいんだ」って言ったら
「ふざけるな!」と言われました…(笑) それでまた、
シーラになんとかならないかと相談をしたんですが、
「レギュレーションでできないんだ…」と言われたんです。
まぁそこまでは普通だとは思うんですが、
1ヶ月ぐらいしたら、シーラが「ちょっと見せたいものがある」
と言って車に乗せられたんです。ホワイトチャペルの空き地の
方まで連れて行かれたんですが、そしたらシーラが
「あそこに大きなレンガの壁があるでしょ?」って言ってきたんです(笑)
好きなだけいけということで…(笑)  でも優しいですよね、
ここなら文句言われないよって言われて笑っちゃいました(笑)…」

今夜の選曲:BOYS KEEP SWINGING / DAVID BOWIE

staff| 19:52 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

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