2024年03月13日

天災と人災

今週のゲストは、ジャーナリストで映画監督の土井敏邦さんです。
リモートでのご出演となります。

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土井さんが福島を題材に初めて作ったドキュメンタリー映画は、震災の翌年2012年に制作された『飯舘村 第一章 故郷を追われる村人たち』です。

2011年震災当日は、多くのジャーナリストが東北へ向かう中、土井さんは東北へ向かう事ができませんでした。
それは、土井さんがそれまで34年にわたり追っていたのが『パレスチナ』だったこと、またパレスチを追ってきた自分が『なぜ福島に行くのか』という事を自分の中で納得できなかったためです。

「フリーランスのこれ特徴なんでしょうけど、組織ジャーナリストは上司から言われたら、自分のモチベーションがどうであろうと行くわけですよ。でもフリーランスが動く時には、自分がなぜそれをやるかが自分の中できちんと捉えられてないと、動けないんです。
 みんながやることを自分がやってどうすんだと。」

東北へ向かわなかった土井さんは、予定通りのに沖縄に取材に行きましたが、そこでも取り上げられていたのは『東北の原発事故』についての話。
土井さんは『パレスチナを追ってきた自分はなぜ福島に行くのか』を考え続ける中で、気づいた事がありました。

「パレスチナは、いわゆるイスラエル建国のために故郷を追われた人なんですよ。それで、こじつけかもしれないんですけど、東北で今起こってることは津波などで故郷を追われた人たち『故郷を追われる』という接点があったら、自分も東北へ行っていいのだと、言い聞かせたんです。」

理由を見つけて東北に行った土井さんは、3月後半に陸前高田に行きました。そこはビル以外には何もないという凄まじい現状でした。

津波による被害は目も当てられず、衝撃を受けましたが、同時に一つの事に気がついたといいます。

「津波の被害は天災なんです。比べてパレスチナは、イスラエル建国という名目でユダヤ人によって家を追われた人たちで、人災なんです。
そして福島の事故は人災なんです。」

土井さんの最初の映画のタイトル『『飯舘村 第一章 故郷を追われる村人たち』はパレスチナと重ね合わせてつけられたものです。

staff| 21:00 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク


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