2017年08月16日

年世界遺産に登録、神宿る島 宗像・沖ノ島について

NPO法人 世界遺産アカデミー主任研究員宮澤光さんをお迎えしています。

4_miyazawa.jpg

今年、新たに『神宿る島 宗像・沖ノ島と関連遺産群』が
世界遺産に認定されました。改めて“神宿る島”とはどんなところ?
宮澤さん「元々、大和王朝が朝鮮半島と交易を行なっていた頃に。
目印になる島として沖ノ島があったんですね。その中で交易を成立
させるには航海の安全を願う必要があったので、航海の安全と国家的な
繁栄を祈った祭祀が行われるようになったんです。4世紀から
500年間ぐらい祭祀が行われるんですが、9世紀頃に祭祀が
行われなくなるんですね。祭祀が行われていた4〜8世紀の間、
中国との大陸間の交易を行なったりとか、
文化交流の拠点になっていたという痕跡が残っているんですね。
そこが沖ノ島の特徴になります。」
「今現在は宗像大社の方が交代で島全体を守っています。
今回の登録は沖ノ島だけで登録ではなくて、
8個の資産があって4つは沖ノ島にある資産と、あとは大島に
ある資産と、九州本土にある辺津宮という宗像大社にあります。」

今夜の選曲:VIVO SONHANDO / STAN GETZ/JOAO GILBERTO

staff| 20:48 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

2017年08月16日

世界遺産登録は地域にとってプラス? 登録後の課題について

NPO法人 世界遺産アカデミー主任研究員宮澤光さんをお迎えしています。

1_miyazaya.jpg

宮澤さん「すべての点で運営がうまくいっているところって
実はすごく少なくて… 例えば京都なんかだと、観光過多の
問題がありまして、日常の人々の生活がうまく回らなくなったり
ですとか、大渋滞が起きたりしたりですとか…
かたや、下鴨神社のところにマンション建設計画の問題とかも
あったんですけど、あの問題がなぜ起こってきているかというと、
文化財を守っていくにはすごくお金がかかるんですね。
国からの補助金もあるのですが、それだけでは全然足りなくて、
下鴨神社の場合は、マンションの収入で、
遺産保護に回すということをしているんですね。」

「今年ウィーンの歴史地区が危機遺産になったんですね。
その理由が都市開発だったんですね。どうしても
世界遺産になってしまうと、開発がうまくできなくなって
しまったりとか、古い町並みを残さなければならないという
ネガティブな方向に捉えられてくることって今後多くなってくる
と思うんですね。人々の生活の便利さと遺産を守るってことが
どうしてもぶつかるところってそこをどうしたらいいのかって
いうのが今後の世界遺産として課題なんですね。」

今夜の選曲:SAMBA DO AVIAO / OS CARIOCAS

staff| 20:48 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク


バックナンバー