腕時計「オリエントスター」を使用しているオーナーに、
実際の使い心地を聞きました。
デザインがシンプルで、ケースの大きさもちょうど良いですね。そしてスケルトンで常に機械が見えるというのは、時間を見るのと同時に機械を覗ける楽しさがある、と感じています。機械が動いている様は、心臓が動いているようで親しみを感じますし、やはり男の子は機械モノが好きなので。時間がある時や何かを待っている時に、いつまでも飽きずに見ていられますよね。本来は見ることができない世界、普段は閉じられている機械の世界をスケルトンでは見ることができるという贅沢、人の手作り、高い技術によって組み立てられた機械の構造を見られるのは、アートを見ているような感覚になります。
毎朝起きた時に、窓の外を見ながら、ぼんやりと静かに時計のゼンマイを巻く時間が朝の楽しみ、一日を始める良い習慣になっていますね。スケルトンは自然光に当てるとキラキラして、小さい歯車が動いているなあと思ったりしながら巻いています。そして、子供の頃から腕時計に耳を当てて時計の音を聴くのが好きなのですが、このオリエントスターはとても優しい音がするんです。カチカチカチと、とても心地よいんです。なので、眠れない時は時計を耳に当てるという、自分の中の睡眠法があります。時計の音を聴くのはとても楽しいですよ。時計を迎え入れた時には、腕に着ける前にその時計の音を聴くということは儀式にもなっています。このスケルトンの時計も手元に届いてから、着ける前にまず音を聴きました。
旅行が好きなので、海外旅行に一緒に行きたいですね。色々な国に行って、それぞれの国の太陽の光に当てて機械を眺めてみたり。それぞれの土地で光が違うので、どのように見えるのかを楽しみたいです。今年はヨーロッパから北欧を周る予定もあるので、その時にも相棒として持って行きたいですね。実用面でも、機械式時計は巻けば動く、というシンプルな機械構造なので旅先でも電池切れの心配も無いですし。スケルトンは手巻きなので、本当に向こう側の景色が見えるのが素敵ですよね。スケルトンを通しての旅先の景色も見てみたいです。
デヴィット・ボウイの『TIME』
そのままストレートに。名曲です。
松浦弥太郎
エッセイスト/クリエイティブディレクター
2005年から「暮しの手帖」編集長を9年間務め、2015年7月にウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。2017年、(株)おいしい健康・共同CEOに就任。「正直、親切、笑顔、今日もていねいに」を信条とし、暮らしや仕事における、たのしさや豊かさ、学びについての執筆や活動を続ける。著書多数。雑誌連載、ラジオ出演、講演会を行う。中目黒のセレクトブックストア「COW BOOKS」代表でもある。