2007年03月11日

林奈穂のブラジル・クリチーバ訪問記

 私が先月、訪れました、ブラジル南部の町、クリチーバのお話をさせていただきましょう。
 クリチーバは、サンパウロから飛行機で1時間弱、海抜900メートルの美しい高原都市で、「環境先進都市」、また、「人間中心の都市」などと呼ばれています。
 市内はバスを利用した公共の交通システムや、ゾーニング、緑地政策など、すべてが統合的に、パズルのように組み合わさって、「人に優しい都市」を実現しています。
 今回私は、このクリチーバの政策づくりの舞台裏で大活躍された、日本人の中村ひとしさんという方にお会いして、お話をうかがってまいりました。
 

 クリチーバは、1966年にマスター・プランを策定して以来、それを羅針盤に、ジャイメ・レルネル市長を舵取り役として、数多くの課題を克服してきました。その歴史の中で、中村さんはつねに市長の右腕となり、行動力とアイディアで大活躍されました。
 たとえば、河川の氾濫に悩まされていた地域には、池と公園を整備することで氾濫をストップ。また、芝生を管理するコストがかさんだときには、羊を飼って芝を食べてもらうことで、コスト削減。これもグッド・アイディアですよね。
 市内には公園の他にも観光スポットがたくさんあるんですが、中村さんにうかがったところ、そのほとんどに、こうしたアイディアのストーリーが隠されていました。
 中村さんいわく「大切なのは、今ある自然をうまく利用すること」。これは古き良き日本の、自然の接し方と言ってもいいかもしれませんよね。中村さんが種をまいた、この日本的な精神が、今、クリチーバで開花していること。これは今回の旅の大きな発見でした。


  (中村ひとしさんとジャイメ・レルネル市長)

以上は2007年3月11日の放送内容です。

staff| 08:53 | カテゴリー:


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