#27 阿部さんからあなたへ【放送後記番外編】

コピーライターの阿倍広太郎さんから放送後、メッセージが届きましたので、この場を借りて紹介させていただきます。
番組に届いたコピーはいろんな形式(手書きや企画書、表、他のコーナーとの同時投稿)、フォントだったので事前にすべて確認して、投稿を統一表記、ラジオネームは伏せた形で阿部さんにお渡ししました。
なので、阿部さんのメッセージにある番号は番組がまとめた際の番号(ほぼ届いた順番)です。
(以下、ほぼ原文のまま)

 

***

 

コピーライターの阿部広太郎です。
たくさんのコピー、
ありがとうございました。
すごかった。浴びるように見ました。
全部を何度も見て、選んでいきました。
On Air中に13本のコピーすべてを
紹介しきれず、この場を借りて、
コメントさせていただきます。
(ラジオネームはすべて伏せて見ました)

コピーには、
ヤジルシ(→)が含まれている。

その言葉でどこに連れていきたいのか、
なにを感じてもらいたいのか、という企て。

無意識を意識化するのがプロだとすると、
読み手の「意識」をどこに連れていきたいのか、
という部分をまず一生懸命に考えます。

ほら、たどり着きたいところに行くために、
しゃがんで、ジャンプしますよね。
コピーを考えることも一緒だと思うんです。
書く前に、考える。

という訳で、
コピーを選ぶためにも、
企画書をつくっていきました。

下記、一部抜粋です。

abe_1.jpg

コピーの方針��
「受信者が主役」
つまり受信者がリレーで言うアンカーのように、
「お、そっちか!」と気づく(ヤジルシ)を含んでいるもの。
「みみばしる」のコンセプトを、コピーにしているもの。

abe_2.jpg

コピーの方針��
「みみばしっている状態」
コンセプトを踏まえつつも、
気づいたら、いつの間にか、驚くくらいに、
ほとばしる衝動に身を任せちゃっている状態を、
コピーにして、想像させるもの。

 

 

この方針をもとに、コピーを見ていきました…!

 

8
意味なんか、追い抜いてゆけ。
入澤

2の方向。意味を考えすぎず、直感で動く。そんな、みみばしる状態を俯瞰して言い当ててるコピー。行動するかしないか、僕たちは意味を考えすぎてしまってるのかもしれない、と気づきます。

 

125
気づいたことすら気づかずに
ゆきゆき

2の方向。直感、人の中にある本能。言葉は後からついてくる、ということを言い当てているコピー。そして、いつか気づいた時には、変わってますよね、きっと。

 

149
人生なんてぜんぶかんちがい。
たーにゃん

2の方向。耳に入った言葉、動き出してる体。もしかしたら勘違いかもしれない。でも止められない。入り口は、勘違いかもしれないけど、その積み重ねで今があるのかもな、と思わされます。以前、コピーに「人生」をつかうな、と言われたことがあります。人生のことは語りきれないし、人生と入れるとそれっぽくなっちゃうからって。でも、このコピーは、正論に行こうとしすぎてない、人のおかしみが滲んでていいなぁ、と。


 

189
私たちの曲、発信できないかな、東京タワー使って。
崎山すなお

1の方向。受信者から発信者に変わる瞬間。東京タワーをジャックするという大胆な物語が想像される。それって、どんな曲なんだろう?どんな人たちなんだろう?まだ台本は完成すらしてないけど、筋書きをみみばしって、考えたくなる。

 

303
きみにしかきこえない
なおぽんちょ

1の方向。周囲の音。同じ環境にいても、聞こえる人と、聞こえない人がいる。反応できる人と、そうでない人がいる。コピーを読んだ人が、「私」のことかな?と思ってくれるかもしれない。それがいい。ラジオって「みんな」に向けてじゃなくて「あなた」の語りかけてる。だから「きみ」という言葉が響く。

 

548
聞こえたもんがち
響あづさ

2の方向。(ちょっと1要素も)キーワードなのか、メロディなのか。その聞こえてきたことを信じて、体が動きはじめた人が勝ち。聞こえちゃったんだから仕方がない!と、「みみばしる」ことを肯定してくれている気がする。

 

719
聞き耳立ててないで、会いに来てよ。
なおぴー

1の方向。発信者側からのメッセージ。祈るような思いとともに、発信している。出てきてよ、動き出していいよ、こっちに来てよ、と誘っている。受信者の背中を押しているコピー。

 

742
いつだって、
僕たちを動かしたのは、
何気ない一言だった。
向井田裕太

2の方向。誰にでも、どんな人にも、きっかけになる一言ってあると思う。自分はなんだろう、なにかあるよな…って、頭に汗をかいて、考えてしまう。それを考える時間が、この舞台との大げさに言うと「絆」になる。

 

779
それじゃ、間に合わない。
原田

2の方向。どんなことだろう、間に合わないってなんだろう、音を聞いてちゃ遅い?見切りスタートを切れってことかな?とか。考えたくなる。「それじゃ」が連れてくる物語がある。

 

864
あなたの声もききたい
せつか

1の方向。自分が喋りつづけていると不安になる。あなたはどう思った?あなたは何を思ってる?話の手綱を握ってるのは、実は聞き手なんだ、そんなことを思う。受信者が主役、ということを暗に示している様に感じる。

 

850
公演時間381日、出演者4,185万人
ジーヤマ

1の方向。このプロジェクトの異質さを、数で示している。放送を開始してからの、日数、そして放送局の声が届くエリアの数そのものを出演者としてしまう。全員出演者という気概でつくるんだ、と。舞台に立つ人、支える人。みんな出演者、その考え方が好きだ。

 

998
理由なら耳に聞け
なおこ

2の方向。胸に手をあてても理由はわからない、勝手に動いちゃってるんだから。耳が意志を持ってる感じ、まさしく「みみばしる」のことを言っている。

 

1025
ちょっと待ってよ、わたし。
イケダカ

1&2の方向。「わたし」どうしちゃったんだろう。そんなタイプじゃないのに、「わたし」の知らない「わたし」がどんどん走り出していく。短い言葉なのに、何が起こっているのか、たくさん想像できる。誰の中にも、「わたし」が勝手に動いてる感覚は心当たりがあると思う。このコピー、すごく好きだ。

 

以上です。

この後、アートディレクターの
あきやまなおこさんとも相談しながら、
絵と言葉の掛け算が生まれるよう決めていきます。

可能性を探っている中で、
応募してくださった方の
「こっちのコピーがいい!」
なんてことも起こるかもしれません。

いいフライヤーをつくれるよう、
ベストを尽くしていきます。

コピーを書くということが、センスや文才が必要、
そう思われることが、僕はどうしてももどかしい。

可能性をしつこく検証する姿勢と、
言葉に対する思考を諦めなければ、
誰でもそのひと言に辿り着ける。

そのことが、上記に書いてきた、
「どう考えてるか」を共有することで、
すこしでも伝わるとうれしいです。

それではまた、どこかで。

 

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