
2025.11.5
今日は、10月27日に日経平均株価が 史上初の5万円を突破!
株価はこの先どうなるのか?
お話を伺ったのは、株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル、
上席執行役員の宗正彰さんです。
【好調な株価、そのワケは?】
この日の放送前、日経平均株価は2日連続で下落したものの、
年初来では1万1000円以上も上昇。
特に10月はひと月で約7000円も値を上げる急上昇を見せました。
この大きな動きの背景には何があったのでしょうか。
→「10月はまさに『政局が株式市場を動かした』1ヶ月でした。
高市さんが事前の予想に反して総裁選に勝利したことが
大きなきっかけです。
株式市場は“予想外のこと”が起きると大きく動く傾向があります」
高市新総理の誕生で、市場は彼女の政策を織り込み始めます。
具体的には、景気の上昇が期待される
「積極財生路線」と、輸出関連企業に有利な「円安容認姿勢」。
この2つが、海外では「高市トレード」とも呼ばれ、
株価を押し上げる大きな要因になったと分析します。
さらに、自公連立解消の憶測が流れて
一時株価が下がる場面もありましたが、
最終的に日本維新の会との連立の可能性が報じられると再び上昇。
新内閣が発足すると、株式市場はさらに上値を目指す展開となりました。
【海外投資家が注目する日本の「政治」】
・過去を振り返っても、国内の政局は株価に大きな影響を与えてきましたか?
→政治と経済は、まさに車の両輪です。特に日本の株式市場は、参加者の半分以上が外国人投資家。彼らにとって政治の動きは非常に分かりやすく、ビビッドに反応するんです。
海外から見ると、
日本の政治ニュースは国の方向性を判断する重要な指標。
だからこそ、政権交代や新しい政策が打ち出されると、
それが直接株価に反映されやすいのだそうです。
【トランプ大統領来日の影響と「中国リスク」】
先日来日したアメリカのトランプ大統領との会談も、
株価にプラスの影響を与えました。
→「高市総理とトランプ大統領の親しい関係性が、
市場に大きな安心感を与えました。
日米同盟の今後や、懸念されていた『トランプ関税』の
先行きに対する不安感が解消された形です。
レアアースの供給確保や、
AI・半導体といった先端技術分野での協力に関する覚書を
交わしたことも好感されました」
一方で、アメリカとの関係が深まることによる
「中国との関係悪化」のリスクについては、
現時点では市場の主要なテーマにはなっていないとのこと。
市場は常に「今、一番ホットなテーマ」に注目するため、
この期間は日米関係の動向が最優先された、というわけです。
【株価が上がるとどうなる?】メリットとデメリット
株価が上がると、私たちの生活にはどんな影響があるのでしょうか?
<メリット>
・年金が増える可能性:私たちの年金積立金は、
その一部が日本株で運用されています。
株価が上がれば運用成績も上がり、
将来受け取る年金額が増える可能性があります。
・企業の財務が健全に:多くの企業は株式を保有しているため、
株価上昇で含み益が増え、財務体質が改善。
それが社員の給与などにも反映される可能性があります。
・個人消費が活発に(資産効果):株を持っている人の資産が増え、
消費意欲が高まります。個人消費は国内景気の半分以上を占めるため、
景気全体を押し上げる効果が期待できます。
<デメリット>
・「乗り遅れ」の焦り:急上昇すると「今からでは遅いかも」
という焦りから高値で買ってしまう「高値掴み」のリスクが高まります。
・経営への過度なプレッシャー:株価が上がりすぎると、
企業の経営者は長期的な視点よりも
短期的な利益を追求しがちになる恐れがあります。
・バブルのリスク:実体経済とかけ離れて株価や
不動産価格が上昇すると、バブルが発生。
その崩壊は経済に大きなダメージを与えます。
・金利上昇のリスク:景気の過熱を抑えるために
金利が引き上げられると、住宅ローンなどの金利も上昇し、
家計の負担が増える可能性があります。
【今後の見通しと注目ポイント】
最後に、今後の株価の見通しについて伺いました。
→「正直、非常に難しいタイミングです。注目すべきは2つ。
1つは、これから本格化する企業の『中間決算』。
ここで業績の『上方修正』が相次げば、株価には追い風です。
もう1つは、日銀の『金融政策』。物価高を受けて
日銀は利上げをしたいはずですが、今は様子見の状況。
いつ利上げに踏み切るかが大きな焦点です」
金利が上がると、株式市場から資金が流出しやすくなるため、
株価の下落要因となります。
急上昇した分、しばらくは値動きの荒い展開が続く
可能性があるとのこと。一喜一憂せず、
冷静に市場を見極める必要がありそうです。
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