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「高速道路料金定額制」の可能性に注目が集まっているという話題

今日は、
都市と地方を行き来する二地域居住を国が推進する中で、
いま「高速道路料金定額制」の可能性に注目が集まっているという話題です。

お話を伺うのは、モビリティジャーナリストの
森口将之さんです。

・今、高速料金の定額制が注目を集めている理由とは?

→都市と地方を行き来する2地域居住者の増加を
目指す改正広域的地域活性化法が今月15日、参院本会議で可決、成立。
(地方移住への後押しと。東京一極集中の是正が目的)
双方を行き来する際の交通費の負担が課題。
とくに車での移動にかかる高速道路料金は世界的に高額で負担感が強い。
今年4月には高速料金の無料化が2115年まで延期されることが決定。
そんな中、元トヨタ副社長の栗岡完爾さん、
元岐阜県職員で経営コンサルタントの近藤宙時さんが3年前の書籍で提言した
「定額制」が今再び注目を集めるという状況です。

・元トヨタ副社長の栗岡さんは著書の中で
具体的にどんな提言をされたのでしょうか?

→ふたりは、高速料金は永久有料か無料かの2択で議論されがちだが、
低額の「定額制」という第3の道「定額制」を提案。
日本の高速道路の距離制を改め、
軽自動車300円、普通車400円、大型車1500円、特大車2500円の定額制で
走り放題にしても、全体の料金収入は現状の約2兆3900億円を確保できると試算。

日本の人の流れの4分の3は乗用車、
物流の9割はトラックで、
走り放題にすれば、国民はもっと高速を使うようになります。
その結果、経済が回り、GDP(国内総生産)が35兆円増加するとしている。
個人的に懸念しているのは、トラックの台数が増える、
高速が使えるのだから「早く届けてくれ!」という負担に繋がりかねません。
トラックの重みで、道路の劣化が進んでいたり、トラックに関する懸念が多いです。

・高速道路の定額制といえば、今から15年ほど前の2009年には、
「高速休日上限千円」という政策も行われましたが、
この結果はどうだったのでしょうか?

→前年のリーマンショックを受け、当時の麻生太郎政権が景気対策として決断。
乗用車とバイクのみで物流は対象外、
さらに地方部のみ、ETC(自動料金収受システム)利用のみと限定的でしたが
土日祝日どこまで走っても千円という政策の結果、
ETCの普及にも弾みがつき、各地の大型サービスエリアには
車中泊する車が目立ちました。
また日本は高速料金が高く、ETCの機器は日本独特なので、改善点があると思います。

・改めて、海外では無料や定額制が導入できるのに、
なぜ日本ではできないのでしょうか? 
そして、高速料金はなぜ日本だけこんなに高いのでしょうか?

・昨年5月に、老朽化した橋やトンネルなどの改修費などを賄うためとして、
高速道路の料金徴収期限を50年延長し
2115(令和97)年までとする法律が成立。
しかしドイツは大型車は無料から定額制、
距離制に推移し、スイスも大型車は定額制から距離制に移行するなど、
世界のトレンドは無料化、定額化とは言えません。
ETCシステムを含めたインフラのスリム化とともに、
運転手不足も深刻な大型車を減らせば、道路の損傷は減り料金値下げにつながります。サービスエリアなどのサービス低下はやむを得ません。
また車を1割減らすと渋滞が半分減るというデータも。

定額制という案も含め、日本の高速道路料金は、この先、
どんな仕組みにしていくのがベストだと森口さんは考えますか?

→今回の提言には物流の2024年問題、最近の交通事故死者増加は入っていません。
日本の高速道路は大型車が多すぎるという印象で、
道路の損傷が進み、サービスエリアに広い駐車場が必要になり、
結果的には高い料金につながっていると考えています。
高速道路の料金より、物流の仕組みを考えることが優先だと思います。

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