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SPURの編集長をお迎えして「アナログ」の魅力を深掘り!

デジタル時代の幕開けとして象徴的に語られる、
1995年、Windows95の発売。
そこから12年後、2007年に誕生したiPhone。
あらゆるモノやサービスが、デジタルに置き換わって30年。
そんななか、いま、レコードやフィルムカメラ、手書きのノートなど、
アナログの“手間”や“感触”を楽しむ動きが広がっています。
忙しい毎日の中で、なぜ人はアナログの価値を再認識しているのか?

今回お話を伺ったのは、
最新号で「アナログ」特集を掲載されている、
集英社のモードマガジン「SPUR」の編集長 池田誠さん

●先週23(木)に発売された「SPUR」6月号を開くと、
巻頭特集は『「アーカイブス」が今、熱い理由』。
デザイナーの特定の年代のコレクションが「アーカイブス」として
見直されているよという特集。
そして真ん中あたりに置かれた、ふたつ目の特集が
『デジタル時代だからこその回帰宣言 私たちのアナログライフ』。
この2つの特集は、どこか根底に通じるモノを感じます。
なぜ、いま、こうした特集を組もうと?

→毎月雑誌を出していく中で編集部全員で会議を行っているのですが、
あるスタッフが「2026年は、アナログに生きるってことが
すごくトレンドになりますよ」と豪語してきたんです。
デジタル疲れと言われる現代人を
癒して蘇るような企画をやってみたい、と。
本を読むにしても音楽を聴くにしても映画やドラマを見るにしても
全部スマホ一台で済んでしまいますよね。
もっとフィジカルに色々なことを楽しむべきなのですが、
それってすごく贅沢なことだと思うんです。
『SPUR』は元々ファッション、ラグジュアリーとは何かを
ずっと考えてきている雑誌です。
今必要なラグジュアリーとは、アナログなことに時間を使うことを
指すのではないかと思い特集を組みました。

●アナログというと色々あると思いますが、
例えばどんなものがフィーチャーされているんですか?

→今回の特集でいうと、もちろん書店、それからレコード
手書きのもの、少々マニアックですが手芸です。

●ページをめくると「三省堂書店/神田神保町本店」の店内で撮影された
モデルのみなさんの写真が掲載されています。
Amazonなどのネット書店も便利ですし、
リアルな書店で平積みになっている本を眺めるのも素敵な時間。
池田さんが、普段よく行かれる書店は?
SPURの特集記事の中では書店の歩き方が紹介されていますが、
池田さんは、書店の中でどんなふうに過ごしていますか?

→ひとつはやっぱり職業柄、市場調査というか…。
書店と出版を取り巻く状況がどうなっているかをリサーチする場所ですね。
大型書店に行く時は特にそうです。
そこで、どういう本が目につく所に置かれているのか、や
どういう人がそこで本を探して立ち読みをしているか、という
人間観察が面白かったりしますね。
特にミスマッチ的なことが起こると楽しいです。
スーツを着たおじさんが、料理の本をじーっと見ていたりして
「家で料理するのかな?」と考えたりとか。
このような偶然の出会いが、ネット書店との一番の違いだと思います。
それを求めて行くことは多々あります。

●さらに「アナログレコード」の魅力についても取り上げています。
そういえば6月、タワーレコードのアナログレコード専門店が
京都にオープンするニュースもあるなど、
音楽もアナログで楽しむ人が増えています。
池田さんは、音楽をアナログで楽しむことありますか?

→元々僕が大学生だった90年代後半は
DJブームみたいなものがあって皆レコードを買っていました。
渋谷の宇田川町とかマンハッタンレコードなど行っていました。
昔ほどではないですが、たまにレコードで聴いています。
今回アナログ特集をやってみて
まずアナログレコードが聴けたり買えたりする場所が増えたなと感じています。
一番面白かったのは
「ジルサンダー」というファッションブランドの銀座店で、
2007年に閉店した「シスコ」というレコード屋さんが
期間限定で出店してるんです。

●「SPUR」では、さらに・・・
「手書きの魅力」や「手芸の魅力」についても掘り下げています。
いま「スケジュールやメモは、スマホで!」という方も多いと思います。
ちなみに、池田さんは?

→残念ながらスケジュールは全てデジタルです。
編集長なのでスケジュールを皆さんに共有しなくてはいけないので…!
でも、自分で何か考え事をするときのメモは
なるべくちゃんと手を動かしています。
普通のA4のコピー用紙ですが殴り書きをして
頭の中を整理していく感じです。

●先週、この番組でも「書くこと」のメリットについて、
「手書き」と「記憶」の関係について掘り下げました。
池田さんは、手書きの魅力ってどんなところだと?

→やっぱり手というのは感覚を司る部分なので
手を動かすことで脳が活性化する部分は絶対ありますよね。
書いてるうちに頭の中が整理されていくという部分もあります。
あとうちの編集部は、一人一人が企画書をB4紙にまとめてくるのですが
伝統的にそれが全部手書きなんです。
デジタルで書いてきた人には、手書きでお願いしています。
やっぱり、文字はその人のキャラクターが出るので
同じ内容を書くにしても、面積の多くを使うのか
小さいスペースでまとめるのかで熱意が見えてくるじゃないですか。
タイトルの周りの文字を太くしているかで
情熱みたいなものが手書きの方が受け取り手にも伝わってくるので。

●特集記事の最後は「手芸」。
大相撲の玉鷲関が小物を手作りしている姿や、
俳優の中田クルミさんが編み物をしている様子・・・
お笑いコンビ「ロッチ」のコカドケンタロウさんや、
「ラブレターズ」の塚本直毅さんが、
ミシン洋裁の魅力を語っています。
いまは、手芸を楽しむ方が増えているんですね!?

→他のものに比べて、針とハサミと糸があればできちゃうので
手軽な所が魅力かと思います。
俳優さんとかだと楽屋での待ち時間も多いので
手芸を楽しむ方が増えているみたいですね。

●生活の中に一部分「アナログ」なモノを取り入れると、
温かみを感じられたり、原点を意識できるようになったり、
いろいろと良いコトがありそうですね?
いま、J―WAVEでは春のキャンペーンとして
「MY STORY TOKYO 僕らがここにいる理由」と題して、
ゲストの方々に東京の魅力について伺っているんですが・・・
「アナログを楽しめる街」として、
池田さんに一箇所、挙げていただくならどこがありますか?

→それはやっぱり、神保町に尽きると思います。
古本屋もあるし、アウトドアショップもあります。
お茶の水に行けば楽器屋もあります。
スマホに頼らなくても、フィジカルに歩いてるだけで
色々な情報が収集できる街、
というのは神保町の最大の魅力かなと思います。

●『SPUR』のアナログ特集、ぜひチェックしてください!
そして集英社も今年で100周年おめでとうございます!
 
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