
2025.8.20
きょうは、カラダにマイクロチップを埋め込む
新たな認証プラットフォームビジネスに注目します!
株式会社「Quwak」の代表、合田瞳さん。
まず、クエイクはどのような会社なのでしょうか。
→私たちは、人間であることを証明するインフラを作っている会社です。具体的には、生体埋め込み型のNFCチップを使って本人認証ができる仕組みを開発しています。
将来的に、今はまだ大丈夫だと思いますが、
人間かAIか分からなくなるのではないかという時代が
来るかもしれません。そういった時代に備えて、
人間であることの証明を今のうちからできるようにしています。
・AIが精巧になると、人間との差がなくなる可能性がありますね。
→はい、もうすぐだと思います。
インターネット上のボットなども見分けがつきにくくなっていますよね。
SNSとの連携なども行い、「人間である」ということを証明します。
今ですと、認証のためにパズルのようなものを解くことがありますが、
そのような手間なく「ピッ」と認証できるような仕組みです。
あのパズルも、人間が解くのをAIが真似してしまうため、
AIには解けないようにどんどん難しくなっています。
そうなると、いずれ人間でも解けなくなってしまう時が
来るのではないかと考えています。
・非常に難しい文字列を打ち込む認証もありますが、
読み取りにくすぎて何度も失敗して
「あなたは人間ではない」と判断されたことがあります。
元々このようなことに関心があったのでしょうか。
起業のきっかけを教えてください。
→先ほどお話ししたことに加え、もう一つは私が非常に忘れ物が多くて。携帯電話や財布、時にはカバンごと忘れることもありました。
運転免許証を持っていないと捕まりますし、保険証がないと
医療費が一旦全額自己負担になります。
そういったことへの無力感がすごくて、
自分がここに存在していることよりも
「カード」が大事なのかと悔しく感じていました。
・それを解消するために、体にチップを埋め込むのですね。
→そうです。できるだけ「物に依存しない状態」が良いなと思いまして。指輪など取り外しができるものではなく、充電も不要で、
普段は存在を感じないものと考えた時に、
体内にあれば便利ではないかと思いました。
・そのマイクロチップはどのようなもので、体のどこに入っているのですか?
→私たちが作っているものは、米粒を縦に2粒つなげたくらいの
大きさです。中には暗号化チップが入っており、
外側は医療用のシリコンで覆われているので、
体に優しいものになっています。
入れる場所は、親指と人差し指の間の水かきの部分です。
デジタル名刺のICチップにあたる部分が体に入っているという
イメージです。
・痛みはないのでしょうか?
→入っている時は痛くありませんし、物がぶつかっても大丈夫です。
入れる時はピアスの穴を開けるような感覚で、
一瞬チクっとはしますが、それだけです。
一度入れれば、基本的には入れ替える必要はありません。
・ウェブサイトの表示以外に、日常で便利になることはありますか?
→例えば、スマートロックの鍵として使えます。
社員証のように「ピッ」とゲートを開けたり、
自宅の鍵を開けたりできます。
このチップの情報を建物のシステムに登録すれば、
手で認証できるようになります。
また、決済端末にかざして支払いをすることも可能です。
これまで携帯電話などで行っていたことが、
全て手で完結するようになります。
・なくす心配がないですね。
→はい。それに加え、万が一、緊急搬送された時などに
お医者さんが専用の端末で読み取ることで、
瞬時に血液型やアレルギーの有無、輸血やドナー登録の意思といった、
命を助けるために必要な情報を確認することもできます。
・このマイクロチップは、すでに購入できるのでしょうか。
→現在はまだ一般公開しておらず、
限定的に一部の方へ先行してお届けしています。
来年の夏頃の一般公開を目指して準備を進めているところですので、
私たちのウェブサイトやSNSをチェックしていただければと思います。
・今後の実用化に向けた課題は何でしょうか。
→新しい技術なので、今後どのようなリスクがあるかという点や、
規制がかかる可能性も考えられます。
また、これまではSFのように取り上げられてきたため、
「追跡されるのではないか」「遠隔操作されるのではないか」
といった誤解もあります。
実際には、読み取り機にかざさない限り自発的に情報を
発信することはありませんし、
登録された専用の端末でしか読み取れません。
こういった誤解を解き、安全で実用的なものであることを伝え、
いかに身近なものとして感じてもらうかが直近の課題だと考えています。
・技術的には実現可能でも、
社会的な理解を広げていくことが重要だということですね。
→はい。利便性を感じていただき、
安全だと分かっていただければ、広がる可能性はあると考えています。
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