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自動車のサブスクリプションサービスを 提供するスタートアップ企業に注目!

今日は、インドネシアを拠点に、
自動車のサブスクリプションサービスを
提供するスタートアップ企業に注目します!

お話を伺うのは、movus technologies株式会社の代表、
酒井丈虎さんです。

・早速ですが、「movus technologies」はどんな会社なのか?
おもな事業内容を教えてください?

→インドネシアを拠点に、通常のローンが利用できない方向けに自動車のサブスクリプションサービスを提供。
自社独自でオンライン本人確認のシステムや
与信システムの構築により、
より多くの方へサービスを届けることを実現。
サービスパッケージには保険・税金・メンテナンスなどが含まれており、多くの人がお気軽に利用しやすいサービスとなっています。

・サービスのターゲットは具体的にどんな方々でしょうか?
→端的にいえば、タクシードライバーさんとして開業したいものの、
自動車ローンを組めないという人に対して車両を提供。
また、タクシードライバーさんだけではなく、
収支が証明できないような事業主さんも対象としていて、
比較的収入にボラティリティ(変動が大きい)がある層に提供中です。
ユーザーは手頃な月額料金で車両を借り、
ドライバーとしてそれ以上の収入を得ることができるようになります。
また、手数料や違約金なしでの返却、
正しく指定する期間を継続することができれば、買取も可能です。

・インドネシアで自動車ローンを組むのは大変なんですか?
(自動車ローン事情はどうなっているのでしょうか?)

→非常に審査が通りにくいです。
インドネシアでは車両購入希望者のうち約80%がローンを申し込みますが、通過する割合は30%程度。
さらに、個人利用ではなくドライバーとしての開業が目的となると
その割合はさらに低下し、なんとおよそ「3%」。
日本の自動車ローンの通過率は70-80%くらいと言われていますが、
日本だと通るくらいの割合の人が通過しません。

・ローンを組んでまで「タクシードライバーになりたい」
という人が多い理由は?

→タクシードライバーの収入が非常に高く、
インドネシアにおけるブルーカラーの一般的な月収は2万円ですが、
個人でタクシードライバーとして働いている
movus顧客の平均収入は約10万円。
ハードワークなドライバーであれば20万円ほど稼ぐことも
不可能ではありません。ブルーカラーの10倍にもなります。
まだまだ、国の経済も成長中で、
一気に収入を上げる手段がない中で、
ドライバーという職業は夢のような職業です。

・ちなみに、こうしたサービスは、ほかの国にもあるのでしょうか?

→ブラジルやナイジェリアといった
人口規模+経済規模の大きな市場でも同様のサービスが盛んで、
多額の資金調達を進めるスタートアップが現れている。
現地のニーズを捉えたサービスにはなってきたと手ごたえを感じています。

・改めて、インドネシアでサービスを始めた理由とは?

→もともと海外で事業を作りたいという想いがあり、
新卒で入社した会社でインドネシアに行かせてもらう機会がありました。
インドネシアの方々は、
非常に明るくて優しくてこういう環境でやりたいなと思いました。

当初からこのサービスありきでインドネシアにいきました。
インドネシアは人口およそ2億8000万人、経済成長率は5%、
GDP規模は日本の1970年代と同等と、まさにこれからの国。
特に、movusの事業領域に目を向けると…
インドネシアの公共交通機関は日本に比べ非常に不便で、
東京では移動全体の50~60%ほどが公共交通機関の利用だが、
インドネシア・ジャカルタでは20%程度に留まっていて、
日常的に必要な移動の手段が十分に完備されているとは言えず、
ライドシェアなど、
比較的自由度の高い移動手段のニーズが大きくなっています。

・サービスを通じて、酒井さんが目指すところとは?

→目指すのは、モビリティや金融におけるインフラ構築を行い、
日本で今当たり前に受けられていることを新興国において当たり前に
提供し、多くの人が生活を前進できるような支援を行うことです。
モビリティがよりアクセシブルになることで、
人々の生活は豊かになると信じています。
自動車の所有を促すのではなく、
「多くの人にモビリティを広げたい」という思いで
日々事業を行っています。
また現地の方々は、お金を返すという意識がないため、
盗難を企てている方も実際いらっしゃって、
それを事前に察知して防ぐシステムも自社で構築しています。

・今後の課題、その先の展開についてどのように考えていますか?

→車のリース・ファイナンスの領域は、新興国共通の課題です。
現在はインドネシアを拠点に事業運営していますが、
インドネシアのみならずアセアンの地域などに水平展開する予定。
また、データ関連事業などプロダクトのラインナップを増やし、
垂直にも事業展開することで
多くのインパクトを生み出すことを目指しています。

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