2024.11.6
ニューノーマル時代のエッジにフォーカス!
「SAISON CARD ON THE EDGE」。
東京メトロ上場の話題をきっかけに、改めて知りたい、
上場企業と非上場企業の違い、メリット・デメリットに注目!
お話を伺ったのは、株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル、上席執行役員の宗正彰さんです。
東京メトロが10月23日に東証プライム市場に上場しましたが、
改めて、なぜ東京メトロの上場が今回こんなに話題になったのか?
解説をお願いします!
民営化されて20年、投資家の間では待ちに待った東京メトロの上場です。
今年最大は勿論、久々の新規かつ大型上場(売出株数×株価=時価総額≒9500億円)で、2015年の日本郵政グループ以来の規模です。
「新NISA元年」で個人投資家も増える中、身近な企業が新規で上場といったことも話題となる要因です。
株式市場が堅調なタイミングであること。(株式市場の低迷時には、調達資金も限られる)
主な目的は、東日本大震災の復興資金の財源確保です。
Q. 日本で上場している企業の割合はどれくらいでしょうか?
日本の企業数全体に占める「上場企業」の割合「約0.1%」です。
東京メトロが上場した「東京証券取引所」も企業規模や上場条件等により、3つに区分されています。
・プライム市場とスタンダード市場とグロース市場。
Q. 企業が上場するまでの流れ、上場するための条件とは?
東京メトロのプライム市場。株主数800人以上、流通株式時価総額100億円以上。
新興企業中心のグロース市場。株主数150人以上、流通株式時価総額5億円以上。
「事業の継続性と収益力」「経営の健全性」「事業内容の開示適正力」は必須条件です。
企業が上場することのメリットはどんなことでしょうか?
上場=株式公開といいます。自社の株を市場に流通させることで、株式市場からの資金調達が可能になります。
エクイティファイナンスといいますが、自己資本なので銀行借り入れのように返済しなくても良いんです。
厳格な審査基準を経た上場ということで、社会的な信用力が高まります。
知名度、人材の確保、社員の士気、定性的なメリットは沢山あります。
会社を立ち上げて、苦労して上場した創業メンバーには、莫大な上場益も手に入ります。
一方、上場することのデメリットはありますか?
上場メリットの裏返しで、株式公開とは、すなわち株主が増える事です。
企業の経営方針の自由度は大きく下がります。
中には現在の経営陣にとって、敵対的な株主が加わって、経営に様々な口出しの可能性があります。
上場した時点で上場企業は社会性までも求められる公器に変わってしまうわけです。
上場はあくまでもスタート。上場維持にはそれ相応のコストが必要になります。
具体的には、経営企画部門や財務部門のような管理部門の充実が要求されます。
ここ数年、上場を廃止する企業や、
業績は十分なのに上場しない企業が増えているそうですが、
その理由、背景にはどんなことがあるのでしょうか?
上場のメリットを捨ててでも、上場デメリットを避けたい企業が増えているという事ですね。
事前に分かっていれば最初から上場はしないが、上場後にデメリットを改めて認識したというパターンや、
上場メリットを既に得ることができて、次の成長ステージにその企業が移ったということもあります。
知名度も得た、人材も豊富、十分な資金力・・・・・、上場維持コストがマイナスに。
ちなみに、実は上場していない大企業、例えばどんな会社がありますか?
昔からの代表的な例としては「サントリー」です。
・創業家から長く続く企業理念の「やってみなはれ」はチャレンジ精神を表すものです。そこにいろいろな株主が入るとチャレンジがしづらくなるのではと言われています。
「森ビル」もそうです。「都市を作り、都市を育む」。長く続く企業理念があります。
そもそも上場メリットと呼ばれるモノを既に有している企業で、上場に縛られたくないのではないでしょうか。
業界的には、新聞社や出版社も大企業でありながら上場をしていないケースが目立ちます。
株主に不利な内容の記事を書かせないといった制限は、偏った情報を流すことになります。
・…といった、本業の妨げに上場がなってしまう恐れのある業界、当然避ける傾向にあります。
この先も非上場企業が増えていくのか?
宗正さんの展望はいかがでしょうか?
非上場なのに、創業10年未満で評価額が10億ドル以上の巨大なベンチャー企業。
「ユニコーン企業」と呼ばれたりもしますが、これが増えていて、近年、注目されています。
「ユニコーン企業」に接していると、最初から上場を目指さない企業も少なくないです。
上場を止める企業や上場基準を満たしていても上場しない企業が増える、そんな見方です。
詳細、もう一度聴きたい! という方は
こちらから