
2023.11.27
今日は、
ハズレが少ないと評判の
愛媛のブランドみかん「真穴みかん」
どのようにして品質をキープしているのか?
その舞台裏に注目!
JAにしうわ/真穴柑橘共同選果部会の
共選長で、みかん農家さんでもいらっしゃる
中井平昌さんにご出演いただきました!
Q:そもそも、スーパーで
購入するような「袋入りのみかん」に
「当たりハズレ」があるのは、
仕方がないことなのでしょうか?
→エリアごとに集荷して、
箱に詰めて全国へ出荷。
美味しいみかんができた農家さんも、
今年はイマイチという農家さんも
一緒にパッケージされるので
「当たりハズレ」が起こり得る。
Q:みかんは「生モノ」ですし、
味は人の好みで左右されるので
100%と断言はできませんが、
なぜ「真穴みかん」は、
外れが“少なく”おいしいのですか?
→確かに「箱に入ったみかんの
当たりハズレ」という話は良く聞きます。
しかし、最近は、どこのJAでも
光センサーによる糖度計を導入して、
一定の「糖度」基準をクリアしないと
「みかん」として出荷しないところも多いので
それほどバラつきは無いはずです…
しかし「真穴みかん」は、
他のJAさんと比べて糖度と
酸味の基準を高く設定しているので、
真穴共選は基準に満たされないもの
(シールの貼れないもの)は
「捨てる勇気」をもって箱に入れていません。
だから「当たりハズレ」が少なく、
満足感の高い品質をキープ
できているのだと思います。
真穴みかんのおいしさの
ポイントは糖度と酸度のバランス。
実際、昨年このバランスで
市場担当者と揉めたことも…。
いまのトレンドは、スーパーは甘さ。
しかも酸味が強いと
リピートが減るのでバランス。
Q:基準が高いということは、
基準に満たない「みかん」が増えてしまう。
つまりロスが増えてしまうのでは?
→基準をクリアできない
(シールが貼られない)みかんは、
みなさんにおなじみの
ポンジュースや真穴みかんの
ストレートジュース、ジュレなど
加工品の材料として活用しています。
Q:そもそも、糖度の
基準をあげて、シールを貼るなど
「真穴みかん」のブランド化を
はじめるようになったのは何年ごろ?
→光センサーが導入されはじめた
20年ほど前/2000年前後に、
わたしの前の共選長さんの号令で
「真穴みかん」
ブランド確立プロジェクトがスタート!
Q実際に売り上げも向上しましたか?
→単価(1㎏当たりの価格)は
上がりましたし、農家側の
気持ちが大きく変わりました。
特に農家1人1人に
「消費者を裏切らないように
しなければ!」という責任感が増した。
Q:ブランド確立のために、
シールを自動で貼り付ける
機械を導入したり、
糖度の基準を上げるなど、
コストもかかってしまうので、
農家さんからの反発、
反対の声もあったのでは?
→商品のブランディングの中で
外箱のイメージは重要です。
「真穴」のブランドを
確立しようと動きだした当時も
箱のデザインを重要視されていた。
そんななか、日本のみかん産地で、
まだ導入していない
シールを貼り付ける機械の導入に
リスクやコストが増えてしまう!
みかんの価格に転嫁ができるのか!?
みかん1つ1つに
シールを貼る必要性があるのか!?
といった意見が多少なりとも
あったと聞いています。
しかし、今では赤いシール1つ1つが
「真穴みかん」の品質の証となり、
他産地との差別化ができたことによる
有利販売によって、シールにおける
コストの面は相殺されましたし、
逆に産地にとってプラスに働いている。
特に農業は投資という概念が
他産業に比べると弱いと思う中、
当時(約20年前)の役員が
この装置導入への先行投資を
決断したことは非常に感謝している。
Q:他の産地でも
「真穴みかん」のように
糖度基準をあげるなどしたら
いいのに、と思ってしまうのですが、
何か、真穴さんのノウハウを
真似できない理由があるのでしょうか?
→消費者のみなさんは
知らない人が多いと思いますが、
糖度を上げるためには、
みかんの樹に極度の
ストレスをかけることが必要です。
これが原因で樹が衰弱し、
「豊作」と「不作」が交互に起きる
隔年結果という現象が
あらわれ易くなります。
農家は収入の安定という面から
隔年結果を非常に嫌います。
真穴は昔から隔年結果の
少ないみかん栽培に適した
気象、地理的条件ですが、
より高品質なみかんを
多収量安定連年生産すべく、
昔より培った生産技術と、
最新技術の導入によって、
より収入を安定させ、
生産者一丸でみかん産業の
更なる高みを目指していきます。
Q:「真穴みかん」に限らず、
「おいしいみかん」を見分けるコツ、
ポイントってありますか?
→赤いシールの貼ってあるみかんを
探していただくのが一番ですが(笑)
スーパーなど店頭における
おいしさの見分け方は、
みかん色が濃く、油胞
(みかんの皮のつぶつぶ)が
小さくいっぱいあって、
へた部分の小さいものが、
おいしさを見分けるポイントになります!
詳細、もう一度聴きたい! という方は
こちらから