
2025.7.23
各界のトップランナーに、
これまでの経験から得た
“学び”をシェアしていただきます。
今週は、俳優・永瀬正敏さんが登場!
国内外の映画・ドラマと、長年さまざまな作品でご活躍。
現在話題沸騰中の映画「国宝」には、
吉沢亮さん演じる主人公の父親役としても、出演中!
そんな永瀬さんに伺う今日のテーマは、
「海外の旅行先で学んだコト」
***
私が海外の旅から学んだことは、「ほぼ染まる」です。
*海外に行くときは仕事で行くことが多くて、
撮影だったりすることが多いんですけど、
極力、日本での経験をいったん忘れて、
その国の方々のやり方に染まりたいと思ってるんです。
その方が現場もうまく回るし、
自分では気づけないようなことも吸収できるんですよね。
そういうふうにしてるんです。
ただ、全部を委ねちゃうと、それはそれで違うなと。
せっかく日本から来てる役者なので、
日本人としての何か、引けない部分もあるんですよ。
役柄についても、昨日言ったように、相米さんから教わった
「一番知ってるのは自分じゃないか」っていうのがあるので。
やっぱり何かをちゃんと自分で持っていないと、
ただ「監督の言われる通りにやります」ってだけじゃ、
"ああ、そこまでの俳優なのか"と思われてしまうこともある。
だから向こうから聞かれれば、「こういうのはどうですか?」
「この子だったら、こういうふうに動くと思いますけど、どうですか?」っていうやりとりは、できるだけしたい。
そこが、"ほぼ"の部分ですかね。
僕が最初に海外の作品に出たのは、ジム・ジャームッシュっていう
監督の『ミステリー・トレイン』っていう作品だったんですけど、
多分、監督も含め、
クルーの皆さんが本当に素晴らしかったんだと思うんですよね。
英語も喋れない役者がパッと来たのに、劣等感を感じさせないように、
すごく良くしてくださったんです。
逆に自信をつけてくれたというか、
日本映画とか日本の俳優を下に見る人たちでは決してなかった。
むしろすごくリスペクトしてくれていたので。
映画を作るという現場での作業は、アメリカだろうが日本だろうが、
どこの国だろうが変わらないんだなっていうのを
教えてくれた人たちだったんです。
ほぼほぼ、現場でやることは一緒なんですけど、
1回イランに行って、イランのクルーや俳優たちと一緒に
映画をやったことがあるんですね。
あるシーンのときに、彼らが勝手にリハーサルを始めたんですよ。
で、どんどんシーンを変えていくんです。
僕もそのシーンに出てたんですけど、
最初はポカーンとして、「え?これ何が始まったんだろう?」って。
でも彼らは、「自分はこうやりたい」「私もこうしたいから、
ここはこう変えよう」っていうのを、
監督や監督補の前で見せながらやる。
それでジャッジをもらう、っていう感じだったんです。
役者が勝手にリハーサル始めるの!?って、ちょっと驚きましたね。
でもその空気がわかってからは、「仲間に入れてください」的な感じで
僕も一緒にやってましたけど。あれはちょっと驚きましたね。
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話題沸騰中の映画「国宝」、永瀬さんも出演されています!
公開から38日間の累計動員数は398万人、
興行収入約56.7億円と、まさに記録的な勢い、止まりません。
主人公・立花喜久雄が歌舞伎の道を極め、
人間国宝になるまでの、壮大な物語
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もう一度聴きたい! という方は
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