
2025.12.11
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『アメリカのフォント論争』
今日はThe Gaurdian からピックアップしました。
先日、アメリカ国務省が「公的文書のフォントを、
従来の『カリブリ(Calibri)』から
『タイムズ・ニュー・ローマン(Times New Roman)』に戻す」と
発表し話題を呼んでいます。
単なるデザインの変更に見えるこのニュースですが、
実はその背景には、アメリカの政治的な価値観の変化が深く関わっています。
今回は、この「フォント論争」について詳しく解説します。
まず、英語のフォントは大きく
「サンセリフ体」と「セリフ体」の2種類に分けられます。
サンセリフ体は日本語の「ゴシック体」に近いフォントです。
文字の線が均一で、端に「セリフ」と呼ばれる飾り
(日本語の「うろこ」や「はらい」に相当)がない、
シンプルでモダンなデザインが特徴です。
カジュアルで読みやすい印象を与え、
前政権で採用されていた「カリブリ」もこの一種です。
セリフ 体は日本語の「明朝体」に近いフォントで、
文字の線の端に装飾(セリフ)があります。
横線が細く縦線が太いなど、伝統的でフォーマルなイメージを持っています。
今回、新たに採用される「タイムズ・ニュー・ローマン」が
このセリフ体にあたります。
このように、フォントの装飾の有無によって、
文書全体の性格や印象は大きく変わるのです。
今回のニュースの焦点は、
なぜ読みやすく現代的なサンセリフ体の「カリブリ」をやめ、
伝統的なセリフ体の「タイムズ・ニュー・ローマン」に戻すのか。
もともと「タイムズ・ニュー・ローマン」は、
1931年にイギリスの新聞書体として開発された歴史あるフォントです。
アメリカでも2004年から2023年まで公式文書で使われていました。
その後、バイデン政権下で、視覚障がいを持つ方々を含めた
多くの人にとっての読みやすさ、「アクセシビリティ」を向上させる目的で、
よりシンプルな「カリブリ」に変更されました。
しかし、トランプ政権下のルビオ国務長官は、この「カリブリ」を
「無駄なダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括)の象徴」と批判。
公式な変更理由を「品位と統一を回復するため」としながらも、
「カリブリはカジュアルすぎる」との考えを示しました。
「無駄な多様性プログラムの廃止」という言葉を使い、
多様性を意識したフォントをやめるという決定は、
大きな波紋を広げています。
これは、トランプ政権がDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)
関連の責任者を解雇するよう指示した動きとも連動しており、
フォントの変更が政権の方向性を象徴する出来事として
注目されているのです。
今回のニュースは、国家だけでなく、企業や個人が資料を作成する際にも、
フォント選びがいかに重要かを改めて教えてくれます。
読みやすさはもちろん、フォントが与えるイメージを意識することは非常に大切です。
この一件をきっかけに、普段何気なく見ている文書やウェブサイトが
どのようなフォントで書かれているのか、
注目してみてはいかがでしょうか。
皆さんにも、見ていて落ち着いたり、
読みやすいと感じたりするお気に入りのフォントはありますか?
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