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国際的なデザイン賞でグランプリを獲得した文房具に注目!

今年、中央ヨーロッパの国/スロベニアで開催されたデザインアワード
「BIG SEE」で、日本の企業が出品した「ichi-clip」という商品が
グランプリを受賞しました。

その名前の通り、書類を束ねるクリップなのですが、
じつは、受賞した企業は、ドライフルーツやお魚のジャーキーなど
加工食品の販売が主な事業なんです。

どういう経緯で、加工食品販売会社が
文房具を手がけることになったのか?

クリップをデザインした
宮崎県にある企業/合同会社フードマーク・代表、
広本秀一さんにお話を伺いました。


●「ichi-clip」が生まれたきっかけは?

きっかけは本当に単純で、わたしが愛用している「ほぼ日手帳」に
ちょうどいいクリップが無かったことです。
「じゃあ、自分が使いたいクリップを作ってみよう」と思ったのが始まりです。

ちょうどその頃はコロナ禍で、食品の販路が止まり、時間ができた時期でした。
不安もありましたが、その時に 大好きなものづくりに没頭できたことは、
今思えばとても貴重な時間でした。

●このデザインに行き着くまでの道のりは?

紙と針金を使って一つひとつ形を試し、
何度も曲げてはやり直しながら形を探っていった。
最初は普通のクリップの延長で考えていたが、どうしても“よくある形”から抜け出せない。
そこで「紙を挟む力とはどう生まれるのか」「一本の線はどう動くのか」
という原点に戻って考え直しました。
針金を何十本も曲げて試していく中で、先端を反転させると
挟む力を調整できる という構造に行き着き、
現在の形になりました。

●商品名「ichi-clip」の由来は?

“ichi”にはいくつか意味があります。
クリップを紙に挟むと 片側に“1本の線”だけが見える という特徴があり、
  
一本の線でできている「一」という構造の意味もあります。
この形はこれまでになかった“初めてのクリップの形(ファースト)” という意味も。
そして、私の名前の“いち”(秀一)も、じつはひそかに含めています。
長く使われる道具になってほしいという思いから、普遍的な単語であるclipと組み合わせました。

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