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日本企業に広がる「静かな退職」という働き方に注目

今日は、“仕事は最低限だけ” “仕事よりプライベート優先”
日本企業に広がる「静かな退職」という働き方に注目します!
IT・DX分野の教育研修事業を展開する
「UZUZ COLLEGE」の代表、
川畑翔太郎さんにお話を伺いました!

早速ですが、「静かな退職」という働き方について、詳しく教えていただけますか?

→まず意味や定義として
「静かな退職」(quiet quitting)とは、
従業員が仕事において最低限の義務を果たし、
それ以上の努力を避ける態度を指す言葉です。
「ガンガン働く」ことを拒否し、指示された最低限の業務だけを行い、
自分の仕事と私生活のバランスを取ることを重視する姿勢を表しています。

言葉が生まれた背景は、アメリカの方で出てきた言葉です。
今までは見える位置にいたのですが、コロナ禍で見えないリモートに移行しがちな中
従業員が精神的な健康を保ち、
過剰な労働から距離を置くための一つの方法として注目されました。
また、特に若い世代を中心に、
働くことの意味や目的に対する考え方が変わってきていることも、
「静かな退職」が話題になる背景にあると言われています。

実際に今、「静かな退職」という働き方を選ぶ日本人は増えているのでしょうか?

→日本でも若手労働者の間で一定の認知と実践が見られますが、
全体の割合としてはまだ限定的です。
Great Place To Work® Institute Japanが行った2024年の調査で
「静かな退職」を実践している人の割合は2.4%に過ぎません。
しかし、この働き方を選ぶ理由としては、
「プライベートを優先したい」という動機が38.2%で最も多く、次いで「努力しても報われない」と感じることが27.3%となっています。
バランスが取れない、副業を見つけてしまったなど、個人で活動していて、会社に両足ではなく、片足を突っ込む感じが多い印象です。

特に最近は「静かな退職」を選択する若者が増えていて、
その要因が⑤つあると川畑さんは分析されているそうですね?

→①「失われた30年」を生み出した当事者ではない。
今の「失われた30年」が始まった時には生まれておらず、
この状況を生み出した世代は親世代。
自分の親に対してはそんなにネガティブな感情は湧かないが、
会社に入って「君らががんばってくれないと!」と言われても、
「いや、あなたたちが頑張ってくれよ」となっている

②「やろう」と思っても、旧態依然としたルールや縛りが多すぎる。
「よし、やってやろう!」とやる気を出しても、「お前にはまだ早い」
「まずは前例を踏襲して」「何で言われた通りやらない?」とルールでがんじがらめで、そのルールや、やり方でやっていたから今の状況があるのに、
元凶である「プロセス」を守らされながら、「結果も出せ」と言われて
難易度が高い状況にあると思います。

③「静かな退職」は今に始まったことではなく、上司や先輩も冷めている。
そもそも冷めちゃってるのは若手だけではなく、
中堅、ベテラン社員も冷めている状況は変わりません。

④お金を得るための方法が「サラリーマン一択」ではなくなっている。
昔は「お金を稼ぐ手段」がほぼサラリーマン一択でした。
さらに転職も一般的ではなかったため、
「入った会社でどう頑張るか?出世するか?」が主流の考え方。
現在は、副業、転職も一般的。
「仕事よりもプライベートを重視」という生き方まで出てきました。

⑤「新卒一括採用」だと適性や仕事観と合致した仕事選びができない。
新卒一括採用は「業務経験がなくても終身雇用で雇用される」という
メリットはありますが、
働いた経験がない状態で入った会社、選んだ仕事が「適職」であることは稀
実際に「適職」だったとしても「比較対象」がないので、その実感がなく
言うなれば「いきなり結婚させられていた前時代のお見合い結婚」のような状態です。

どうすれば意欲的に働く人が増えるのでしょうか?
→まずは自分の「適職」がどのような仕事で、
どのような働き方なのかを見つけることが大事です。
その上でのポイントは「成果を出せる」こと
仕事は「好きなこと」で探すよりも「成果が出せる」ものを選んだ方が良いです。
最終的には「働く目的」が明確になるとさらに良いです。

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