
2026.3.18
今日は、日本人女性で初めて、世界に14ある標高8000m越えの山を
すべて制覇した登山家で看護師の渡邊直子さんに
“ヒマラヤ級メンタルの作り方”を伺います!
■ 登山は「日常から離れて楽しむ2ヶ月間」
3歳から登山やサバイバルキャンプに親しみ、
小学4年生で雪山登山に魅了されたという渡邊さん。
中学1年生でパキスタンの標高4,700mの雪山登頂に成功し、
登山への情熱を燃やし続けてきました。
看護師として働きながら資金を貯め、毎年ヒマラヤへ通う生活を続け、2024年、ついに日本人女性初となる
「8,000m峰全14座制覇」という偉業を成し遂げました。
——14座すべてを制覇した時の気持ちはいかがでしたか?
渡邊さん:
最後から2番目の山であるシシャパンマは、
5年ほど中国政府の許可が下りず、
ずっと登れない状況が続いていました。
それがようやく許可されて登頂できた時は、ほっとした気持ちと、
クラウドファンディングなどで支援してくださった方々への
感謝の気持ちでいっぱいになり、涙が出ました。
ただ、すべての山を登り終えても、「いつも通り、一つの山を登り終えた」という感覚で、自分の中で何か大きな心境の変化があったかというと、
そこまでではありませんでした。
——登頂の瞬間の喜びや達成感よりも、
また次の山へ、という気持ちが強いのでしょうか?
渡邊さん:
私の目的は「登頂」することだけではありません。
登頂はあくまでプロセスの一部であり、
最も重要なのは、ヒマラヤの山々での
約2カ月間の生活そのものを楽しむことです。
普段の仕事や生活から離れ、
日常とは全く違う環境で過ごす日々が本当に楽しいんです。
——看護師としてのお仕事も並行されていますが、
両立の秘訣はありますか?
渡邊さん:
私にとって、看護師の仕事は「次のヒマラヤ登山のための資金集め」と「心身の休養」という役割が大きいです。
ヒマラヤでの2カ月間の生活は、常に死と隣り合わせの極限状態であり、精神的にも肉体的にも疲労困憊になります。
そのため、日本に帰ってきて、安全で安定した日常の中で
看護師として働くことが、私にとっては一番のリセットになるんです。
■ 著書『エベレストは居酒屋です』に学ぶ、4つのメンタル術
渡邊さんは、自身の経験をまとめた著書『エベレストは居酒屋です』の
中で、極限状態を生き抜くための「ヒマラヤ級メンタル」の作り方を
4つのテーマで紹介しています。
1. マネジメント
体力や技術だけでなく、自分の強みや弱み、限界を客観的に把握し、
それに基づいた無理のない計画(戦略)を立てることが重要です。
自分の能力以上の無謀な挑戦は避け、
等身大の自分に合った計画を立てることで、
安全な登山、ひいては仕事での成功にもつながります。
2. 自分だけの「第三の世界」を持つ
家族や職場とは別の、全く異なるコミュニティを持つことを
おすすめします。もし職場でうまくいかなかったり、
人間関係で悩んだりしても、
別の居場所があれば精神的な逃げ場となり、
心が折れるのを防ぐことができます。
3. 過酷な環境でも「楽しむ」
8,000m級の山では想像を絶する困難に直面しますが、
それを「恐怖」ではなく、限界に挑戦する「スリリングな体験」として
面白がることが大切です。
未知の自分に出会えるチャンスと捉えることで、
困難を乗り越える原動力になります。
4. 道から外れることを恐れない
日本では「こうあるべき」というルートから外れることを
恐れる傾向がありますが、
時には自分の直感に従って自由に生きることも大切です。
失敗を恐れず挑戦し、そこから学ぶことで人間として深みが出ます。
■ 新社会人へ「たくさん失敗して、人間味のある人に」
最後に、この春から新社会人となる方々へ、
渡邊さんから力強いメッセージをいただきました。
渡邊さん:
若い時は、たくさん失敗した方がいいと思います。
成功ばかりしている人は、失敗した人の気持ちが分からないし、
人間味に欠ける部分があるかもしれません。
失敗して人の痛みを知ることで、深みのある優しい人になれる。
だからこそ、失敗を恐れずに、様々な経験を積んでほしいです。
もう一度聴きたい方は、radikoの
タイムフリー、エリアフリー機能をご利用ください!
→radikoで視聴する