DAIWA HOUSE Secret Notes

2018/08/30

ミスター・アメリカン・メロディー、コール・ポーター-4-

SO IN LOVE / MORTON GOULD AND HIS ORCHESTRA

「これって、ラフマニノフの曲??」・・・
いいえ、これはコール・ポーターの、「ソー・イン・ラブ」。
大胆なアレンジと演奏は、モートン・グールド・オーケストラ。
実はこれ、1966年からテレビ放送されていた、
『日曜洋画劇場』のエンディングテーマでした。

夜9時からの映画が終わり、淀川長治さんの絶妙な解説が入り、
最後、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・・」、あの、名文句。
そして、の曲が流れ出す・・・。子供の頃、これを聞くと、
「ああ、週末、日曜日も終わり、明日はまた学校か〜、やだな〜」
ちょっぴり切なく哀しく、残念な気持ちに・・・


1891年アメリカ、インディアナ州で生まれたコール・ポーター。
大きな農場で育ち、6歳でピアノを始め、名門イエール大学へ進学。
学生時代に作曲を始めますが、家族の希望もあり法律家をめざします。
ハーバード大学で法律を勉強。でも、音楽への思いは棄てがたく・・・
大学を中退、音楽学校に入学し、もう一度音楽をきちんと学びます。

その後、彼は、パリに暮らします。
1920年前後、パリには、ジャン・コクトー、
ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ダリ、ピカソなど、
若きアーティストが集まっていました。
バイセクシャルでもあったポーターは、パリでいろんな体験をします。
彼の書くいくつもの歌の中に、そのときのシーンが描かれています。

もともと素晴らしい作曲家でしたが、異国パリでの暮らしによって、
彼は文学者、つまり素晴らしい詩人にもなった、というわけですね。

西村由紀江 (ピアニスト/作曲家)

幼少より音楽の才能を認められ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジ ア諸国への演奏旅行に参加し、絶賛を博す。
桐朋学園大学ピアノ科に入学と同時にデビュー。
年間60本を超えるコンサートで、全国各地を訪れる傍ら、ライフワークとして「学校コンサート」や「病院コンサート」も行っている。

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