DAIWA HOUSE Secret Notes

2020/01/15

ブラジル、リオから吹く風。イヴァン・リンスの歌とメロディ-2-

今日は「傑作」と名高いアルバムのタイトルトラックを・・・

NOVO TEMPO / IVAN LINS                                    

1980年リリースのアルバム「ノボ・テンポ」で、
イヴァン・リンスは、ボサノヴァ、ジャズ、ブラジルの地方の音楽、
ポルトガルのファドなど、自分が影響を受けてきた
いろんなジャンルの音楽エッセンスをミクスチャーしています。
ポップで、かつ、個性的、そして表情豊かな1枚は、
ブラジルはもちろん欧米でもヒットしました。

1970年代に、アメリカのクィンシー・ジョーンズは、
イヴァン・リンスの曲と出逢うと、大いに気に入り、自らカバー。
それによってアメリカ音楽界でイヴァン・リンス・ブームが起こり、
ジョージ・ベンソン、パティ・オースティンなど、
当時の人気シンガーやアーティストが、彼の曲を取りあげました。

ふつうならこれで「一気にアメリカ進出!」
「英語でわかりやすいポップスのアルバムを作って大ヒット!」
という流れのはず、なんですが・・・
イヴァン・リンスは違いました。

彼の心は、この頃、ブラジルにありました。
表現する歌や音楽も、祖国への思いやメッセージに
あふれたものがほとんどでした。

実はブラジル、南米の多くの国と同様、長く軍事政権下にありました。
1979年に就任したフィゲイレード大統領によって、
ついに軍事政権に終止符が打たれ、民政へと移行していくのですが、
その民主主義への移行のプロセスが終わったのは、80年代半ば。
この歌を出した頃、ブラジルはまさに、民主化への途上にありました。

アルバムタイトルの「ノボ・テンポ」とは、「新しい時代」という意味。
イヴァン・リンスは、「平和、愛、市民の自由や権利」をメッセージ、
祖国ブラジルの新しい時代を表現したんですね。

西村由紀江 (ピアニスト/作曲家)

幼少より音楽の才能を認められ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジ ア諸国への演奏旅行に参加し、絶賛を博す。
桐朋学園大学ピアノ科に入学と同時にデビュー。
年間60本を超えるコンサートで、全国各地を訪れる傍ら、ライフワークとして「学校コンサート」や「病院コンサート」も行っている。

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