
BRIDGES (TRAVESSIA) / MILTON NASCIMENTO
1942年生まれの、ミルトン・ナシメント。
「ブラジルの声」と呼ばれる、偉大なシンガーソングライターです。
同じブラジル、同世代の偉大な音楽家、カエターノ・ヴェローゾが、
かつてこう言っています、「僕より遙かに偉大な音楽家だ」・・・
1967年のデビューアルバムが、『トラヴェシア』。
今かかっているこの曲が、アルバム・タイトル・ナンバーです。
トラヴェシアは一本の道のことだそうですが、
英語のタイトルは「ブリッジス」、つまり「無数の橋」。
歌詞、メロディ、アレンジ、ミルトン・ナシメントの声、
すべてが見事に結ばれて、わたしはこの曲を聴く度に、
「旅」を想像します。いつか自分が行った旅であったり、
夢見る旅だったり・・・、「旅感」のようなもの、感じます。
ビョークなど、世界中のいろんな音楽家がカバーしている名曲で、
バージョンによって、印象も変わるかもしれませんが、
わたしは、このミルトン・ナシメント本人の歌、好きなんですよね。
実はこの曲、英語の歌詞と、ポルトガル語の歌詞と、
じゃっかん内容が違っていて、ブラジル人と、それ以外の人たちと、
それによっても受ける印象や伝わるメッセージが違ってきます。
ポルトガル語のこの歌は、軍事政権下にあった母国ブラジルで、
自由を求めるメッセージソングとして、広く受け止められました。
幼少より音楽の才能を認められ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジ ア諸国への演奏旅行に参加し、絶賛を博す。
桐朋学園大学ピアノ科に入学と同時にデビュー。
年間60本を超えるコンサートで、全国各地を訪れる傍ら、ライフワークとして「学校コンサート」や「病院コンサート」も行っている。