DAIWA HOUSE Secret Notes

2017/11/14

神と呼ばれたピアニスト、アート・テイタムの伝説-2-

昨日、ジャズ界の同胞たちから尊敬されている話をしましたが、
クラシック界からも、アート・テイタムはリスペクトされていました。
ウラジミール・ホロヴィッツ、レナード・バーンスタイン、
ジョージ・ガーシュインといったレジェンドたちが、みんな、
「アート・テイタムの大ファンだ」と語っていたとか。

ジャズの世界には「まことしやかな伝説」がいくつもありますが、
特にアート・テイタムは、「伝説に事欠かない人」です。
ま、それくらい超絶で、個性的で、唯一無二なんでしょうね。

たとえば、こんな「ほんとう??」という言い伝えが。
1918年にソビエト革命が起きて、大ピアニストのラフマニノフも、
1930年頃からはずっとニューヨークに暮らしていました。
同じ頃、やはり亡命してアメリカに暮らしていたのが、ホロヴィッツ。

ある夜、ラフマニノフとホロヴィッツは、一緒に晩ご飯を食べて、
その後も酔い覚ましにぶらぶらストリートを歩いていました。
すると、どこかのクラブから、ものすごいピアノが聞こえてきて・・・
びっくりして中へ入ると、弾いていたのが、アート・テイタム。
「誰だ、あの天才は?」とびっくり仰天なホロヴィッツとラフマニノフ。
以来、2人はテイタムの大ファンになった・・・というおはなし。
きっとこれは、誰かの創作だと思いますが、
でも、ジャズの世界にはいろんな「伝説」あるんですよね。

西村由紀江 (ピアニスト/作曲家)

幼少より音楽の才能を認められ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジ ア諸国への演奏旅行に参加し、絶賛を博す。
桐朋学園大学ピアノ科に入学と同時にデビュー。
年間60本を超えるコンサートで、全国各地を訪れる傍ら、ライフワークとして「学校コンサート」や「病院コンサート」も行っている。

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