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時代の気になるキーワードを解説

「今後の日本のダム課題」 (TEL:京都大学 防災研究所・水資源環境センター 教授 角哲也さん)

ダムも万能ではないということを最近申し上げてますが、非常に有効な方法であることは間違い無い。これはの人類が獲得してきた水を調節するという技術です。エジプトのファラオの時代からダムがあるんですね。最近は中東や北アフリカでもゲリラ豪雨が増えてまして洪水が起こるんです。それでどうするかっていうとやはり分散型のダムを作ってます。ですから今日本の国土なり雨の振り方を考えたときに巨大ダムで大きな住民移転を伴うダムを作るのが正解だとは思わないんですけども、ダムの適地、あるいはかつてここに作ったらいいよねって形で議論したようなところをもう一度再評価する事はもっとあってもいいんではないかと思っています。今回の洪水で、非常に私は活躍した技術が1つあると思ってまして、国土交通省が危機管理型水位計を分散型で河川にたくさんつけられたんですね。これが非常に私は活躍してると思ってます。いわゆる避難行動起こすのに例えばダムは水位を刻々と図る立派な装置が付いてまして、わたしはダムは巨大な流量観測装置だと思ってますが、ダムは非常に正確に流量を測れます。ところが河はもちろん各所には水位が上がってくると水圧が変わって水位はこれぐらいですよというのが測られているんですが非常に限られた場所しかなかったんですね。実は今回の球磨川も水位が上がって重要な水位観測所が途中から壊れて測れなくなってたんです。ところが国土交通省もそれではまずいよねということで分散型の危機管理型水位計という名称で色んなところに整備されてますが、それが結構最後まで測れているとこがありまして、そういうデータが実はこれから水位がどこまで上がったかとかあるいは今後の避難のための情報とか色々な形で有効性を高めていくんではないかと思ってますので、少し今回の新たな光だと思います。そのことも少し知って頂きたいです。色んな経験をして頂いて洪水の外力というのはこれからより頻度が高く広域的に起こる事が予測されてますのでそれに対して既存のダムを含めた堤防も含めた洪水を受け持つ施設がどれぐらい流域の中に整備されてるのかって事をよく点検チェックをして頂いて、もちろんそれを高めていく事は大事ですね、有効性を高めていく、だけどそこで何が足りないかが見えてきたらそこはやっぱりきっちり次の世代に対する投資ですので、限られた財源ですのでどこに投資をするのかを流域の中で皆さんに議論して頂きたいと思います。

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