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時代の気になるキーワードを解説

「ホンジュラスは、どうして治安が乱れてしまったのか?」

これは色々な複雑な要因があると思うんですが、
ひとつは1998年のハリケーンミッチというものすごい最大風速80mという
ハリケーンがホンジュラスを直撃しまして、
例えば首都のテグシガルパに川が流れているんですが、
そこにある20いくつの橋のうち1つしか残っていなかったと。
インフラがズタズタになってしまったことですね。
それから1990年代半ば位にアメリカ合衆国の経済状況が悪化してきて、
アメリカ合衆国にいるようなギャング集団、マラスの人達ですね、
あるいは不法にアメリカにいるラテンアメリカ諸国の人たちを数十万人という規模で
強制送還し始めたんです。
ですからこのギャング集団が自国へ帰ったら何をするかというと、犯罪行為ですね。
特に南米のコロンビアからくるコカインの中継地点が
ちょうどグアテマラとホンジュラスとエルサルバドルなものですから
麻薬の密売に関わるということで非常に治安が悪化したという事と、
最近やっぱり注目されるのが2009年にクーデターが起こりまして、
セラヤ大統領が貧しい人たちを救済しようとして
最低賃金を上げる政策を進めてたところ、
ホンジュラスは一部の大富豪が国を牛耳っているところがあって
自分たちの利権脅かされるということで軍隊と共謀して
クーデターを起こしたわけですね。
それにより2009年以降非常にホンジュラスの政治状況が不安定になって、
警察が機能しなくなって、腐敗が激しくて警察自体がギャング集団とつるんで
色々犯罪に身を染めるということになってしまって
警察が信用できないということになってます。
それからもう一つは90年代半ばですけど徴兵制がホンジュラスで廃止されたんです。
ですから強制的に軍隊に入るという事がなくなったので、
元軍人の人が無職になってしまい、無職の若者たちが仕事がないので
犯罪者になって行ったと。
それでハリケーンミッチによってインフラもボロボロなってホンジュラスは
40年位発展から遅れてしまったと言われてるんですけども、
そういった様々な悪運が重なってこういった治安の悪化になったのだと思いますね。

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