「人獣共通感染症のひとつ、インフルエンザについて」(お話:北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター 統括の喜田宏さん)
H5N1鳥インフルエンザウイルスが人にパンデミックを起こすのは
秒読み段階だと2005年頃に言われてましたよね、
だけど15年も経ってそんな秒読み段階なんてない訳で、
鳥インフルエンザウイルスが人に直接入ってきたという経験は今のところ無いんです。
皆、豚を介して豚で作られた遺伝子がパンデミックを
起こしてるという事はほぼ確実であります。
従ってどういう風にパンデミックに備えるかというと、
結論として季節性インフルエンザ対策をキチンとしておく事と、
どのワクチンも病原性の高いと思われるウイルスで、
マウスであったり鶏であったり猿であったりしたんですが
全部これからパンデミックを起こすかもしれないウイルスを
完全に防御するワクチンができたんですね。
そのワクチンは今現行に使われているHAワクチンというのが生成ウイルスを
エーテルで分解したものなんですね。
エーテルで分解すると、簡単に言うと免疫力が1/100になっちゃう。
それに照らし合わせると、ウイルスをバラバラにしちゃうと
その時に大事な免疫担当細胞に認識されにくくなっちゃうと。
だから抗体も沢山できない。そして色んな幅広い免疫を誘導する事は出来ないけど、
ウイルスを壊さないで不活化したウイルスを免疫すると
もっと幅広い富士山みたいな高い免疫が出来るから
裾野も広くなって抗原性が変わったウイルスに対しても効くという事が分かって、
それを今季節性インフルエンザワクチンをキチンとして出直しましょうという事を
提案してメーカーさんと協力して全日本インフルエンザワクチン研究会として
仕事を進めています。ほぼ良い成績が揃ったので前臨床試験というのに入っていて、
次年度は人で調べる臨床研究に入る段階になってます。
これできるのは5年後以後になると思いますけど、
早く市販できるようにしたら良いと思います。
選んでください。