茨城県行方市で、有機パクチーやハーブ、野菜、お米などを育てている『ハーブスマン』。農園を始めて36年になるという代表の福山久之さんに、農業への思いや、これから旬を迎えるパクチーについて伺いました。
『ハーブスマン』では、春にはキャベツや赤キャベツ、ラディッキオ、セロリ、パクチーなど、夏にはナスやピーマン、ハラペーニョ、つるむらさきなど、季節に合わせてさまざまな作物を育てています。
開園当初から変わらないのが、「なるべく環境を汚さず、自然に近い形で作物を育てる」という考え方です。農薬や化学肥料に頼らず、農園全体をひとつの生態系として捉え、その中で作物を育てています。
福山さんが大切にしているのは、自然との共存。農業では害虫や雑草、病原菌などを「排除すべきもの」と考えることもありますが、福山さんは、一見すると邪魔に思えるものにも、それぞれ何らかの役割があると考えています。
「いろんな作物や虫たちがいることで、しなやかで強い環境ができる」と福山さん。ひとつのものだけを徹底的に排除してしまうと、生態系が貧弱になり、病気が広がったときに一気にダメになってしまうこともあるそうです。多様な生き物が共存することで、結果的に作物そのものも健康で、おいしく育つ。そんな考えが、36年にわたる農園づくりの根底にあります。
とはいえ、自然を相手にする農業だからこそ、天候には大きく左右されます。今年は前半こそ作物の出来が良かったものの、お盆以降は雨が多く、日照不足に。今の時期に本来ならぷっくりと大きく育つはずのハラペーニョも、なかなか大きくならなかったといいます。
ハラペーニョというと「辛い」というイメージがありますが、福山さんによれば、辛さだけでなく甘みや香りも魅力。代々この土地で種を採り、育て続けてきたことで、この土地に合ったハラペーニョになっているのではないかと話します。
おすすめの食べ方はソースにしたり、薄くスライスして酢やオイルに漬けたりする方法。保存しておけば一年を通して楽しめ、パスタや肉料理、魚料理などに加えるだけで、ほどよい辛味と香りのアクセントになります。
そして、これからの季節に楽しみなのがパクチーです。意外にも旬は涼しい時期で、秋から冬にかけて収穫できます。春にも収穫できますが、気温が上がると「とう立ち」して花を咲かせるため、収穫のサイクルにも季節ごとの変化があります。
『ハーブスマン』のパクチーは、自然に近い環境の中で、一つひとつの株が力強く育つように栽培されています。そのため、香りや味わいも濃く感じられるのだそう。
自然と向き合いながら、36年。畑の中にいるさまざまな生き物とともに、季節の恵みを育ててきた『ハーブスマン』。これから旬を迎えるパクチーも、そんな福山さんの思いが詰まった、力強い味わいを楽しめそうです。
