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CHOYA NATURAL BEAUTY

Nov 14 2025

佐倉きのこ園のしいたけ狩り

千葉県佐倉市にある「佐倉きのこ園」は、国産の菌床を使い、無農薬・無添加でいろいろなきのこを育てている農園です。
きのこ狩りを楽しめる観光スポットとしても人気があり、採れたてのきのこをその場でバーベキューにして味わえるのも魅力のひとつ。運営しているのは、代々続く農家の8代目・齋藤勇人さんです。ただ、最初から“きのこ好き”だったわけではないそうです。
もともと齋藤さんのご実家では、米や野菜と一緒に原木椎茸も育てていましたが、幼いころから匂いや食感が苦手で、「家業は継がない」と思っていたといいます。社会人になり、サラリーマンとして働いていた頃も、その気持ちは変わらなかったそうです。
そんな齋藤さんの考えを大きく変えたのは、30歳のときに出会った一枚の椎茸でした。仕事の関係で食べる機会があり、流山市にある入江農園の椎茸を口にした瞬間、それまでの印象が一変したのだとか。香りが豊かで、噛むほどに旨味が広がる味わいに驚き、「椎茸って、こんなにおいしかったんだ」と感動したそうです。家に持ち帰り、両親にも食べてもらうと「うちの椎茸よりずっと美味しい」と唸るほど。その出来事をきっかけに、“椎茸が苦手な人でも美味しいと思える椎茸を作りたい”という思いが芽生えたといいます。
その後、会社を辞めて椎茸栽培の道へ。何の知識もないままのスタートでしたが、少しずつ研究を重ねて「佐倉きのこ園」を立ち上げました。いまでは、ミシュラン星付きのレストランでも使われるほど高品質な椎茸を育てています。
その美味しさの秘密は、水と空気、そして温度へのこだわりにあるそうです。椎茸の約9割は水分でできているため、水の質が味を大きく左右します。園では地下50メートルから汲み上げた天然水を使い、毎年水質検査も行っているそうです。空気も同じくらい大切で、きのこが健やかに呼吸できるよう、新鮮な空気が循環する環境を整えているのだとか。温度管理にも気を配り、人が快適に感じる20度前後を目安に育てているといいます。
さらに、使う「菌種」にも強いこだわりがあります。日本には200種類以上の椎茸菌があるとされますが、味わいや香りは菌によってまったく違うそうです。齋藤さんは入江農園から紹介されたメーカーの菌を使い、その味をさらに深めてきました。
季節によって育てるきのこもさまざまです。夏のあいだ(7月〜9月)は、ぷりっとした食感が楽しいきくらげ。冬(11月〜3月)には、あわび茸や「プレミアム椎茸・富富(とむとむ)」が登場します。採ったきのこは持ち帰ることもできますが、焼きたてを味わうバーベキューが一番のおすすめ。齋藤さんによると、「傘を下にして焼いて、塩を少しだけ振るのがいちばんおいしい」そうです。傘の内側に旨味たっぷりの汁が溜まり、それをこぼさずに味わうのがコツ。軸も柔らかく、刻んでバター炒めにするとまた違った風味が楽しめます。
なかでも特別なのが「富富」。仕込みから収穫までに約9か月かかる、とても手間のかかる品種です。菌床の管理はすべて手作業で行い、カビが出ないようにひとつひとつ丁寧に見守っているのだとか。寒い季節だけに登場する希少な椎茸で、濃厚な旨味と肉厚な食感が特徴です。焼くだけで香ばしい香りが広がり、口いっぱいに豊かな味わいが広がります。

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