山形県東置賜郡川西町にある「浦田農園」。ご夫婦二人で切り盛りしている小さな農園ですが、育てている作物にはこだわりがたっぷり詰まっています。枝豆や大豆、モチトウモロコシ、そしてお米。どれもなるべく環境に負荷をかけない有機栽培で育てているのが特徴です。
枝豆といえば夏の風物詩ですが、浦田農園の枝豆は秋に収穫される特別なもの。今年もその枝豆を楽しみにしているファンが全国にいます。ただ、昨年に続き、今年も天候の影響は大きかったようです。
浦田農園で育てている枝豆は3種類。黒豆の枝豆、毛深い独特の姿をした「毛豆」、そして「秘伝」という品種です。しかし今年は黒豆の枝豆が全滅。7月の降雨量が平年の2.5%ほどしかなく、生育そのものが難しかったのだとか。花が咲く時期に水が足りないと実が入らず、結局畑一面が駄目になってしまったそうです。他の毛豆や秘伝も決して順調ではないものの、なんとか実が太るのを待ちながら手をかけているとのこと。厳しい状況に直面しながらも、環境への配慮を諦めない姿勢に、農園のポリシーが感じられます。
それでも浦田農園の枝豆は「味が濃い!」と評判。キャラの濃いご夫婦の人柄が、枝豆の味にも表れているのかもしれません。毎年「他の枝豆は食べずに待っています!」と連絡してくるお客様もいるそうで、秋の声とともにファンの期待は高まります。夜の冷え込みが出てくる9月頃から、枝豆は一気に甘みを増し、旨味がぎゅっと凝縮されるのです。
さらに、浦田さんが教えてくれた美味しい枝豆の茹で方にも注目。
1.たっぷりのお湯で3分ほど茹でる。
2.ひと粒食べてみて青臭さがなければザルにあける。
3.余熱が回らないように水を3秒ほどかけてさっと冷やす。
これだけで、驚くほど風味豊かな枝豆が味わえるそうです。
そして秋といえば、新米の季節。浦田農園では枝豆の収穫と並行して稲刈りも進んでいます。今年は田んぼの水不足も心配されましたが、必要な時期にしっかり雨が降ってくれたおかげで、無事に収穫がスタートしたとのこと。農薬を使わない「無農薬米」、草だけを抑える除草剤を使った「減農薬米」、天日干し米、さらには肥料を入れないで育てる挑戦的な栽培にも取り組んでいて、同じお米でも栽培方法の違いを楽しめるのが魅力です。
品種は「さわのはな」「ミルキークイーン」「つやひめ」とバリエーションも豊富。選び方のポイントは、自分の好みの食感や味わいを見つけることだそうです。浦田さん自身、もともとはパン派だったのに、自分でお米を育てるうちにその魅力に目覚め、今では「お米なしでは生きていけない」と笑います。
浦田農園の枝豆とお米はオンラインで購入可能。今年は毛豆が比較的いい状態に育っているそうですが、天候次第で発送できないこともあるため、注文時には浦田農園からのメールをチェックしてください。そして新米の受付は10月中旬ごろからスタート予定。LINE登録をしておけば最新情報が届くので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
