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CHOYA NATURAL BEAUTY

Mar. 3 2023

東京・清瀬市で作られる、エルディブルフラワーをご紹介

今回は、東京都清瀬市でお花を生産している『横山園芸』の代表・横山直樹さんにお話を伺います。
『横山園芸』では、観賞用のお花、例えばクリスマスローズやダイヤモンドリリーなどの他にも、食べられるお花、エディブルフラワーも育てています。
『横山園芸』は、代々にわたって続く農家でしたが、15代目の直樹さんがお花が好きだったことから園芸をスタート。その中で、どうしてエディブルフラワーを育てようと思ったんでしょうか?

「エディブルフラワーを育て始めたきっかけは、東京オリンピックの誘致の際に、東京の野菜、しいて言えばさまざまな文化が入ってくる中で、エディブルフラワーも東京オリンピックと一緒に文化として入ってくるだろうということで、東京で生産している人を探しているということでした。野菜市場や仲卸業者さん、地元の仲間から、ぜひとも研究というか、育ててほしいということで、エディブルフラワーを生産し始めました。エディブルフラワーと普通のお花の大きな違いは、まず植物自体に毒がないっていうことが大前提である事と、お花を育てる段階で野菜と同じように、安心安全に作られたお花でないといけません。ですので、横山園芸では化学農薬は一切使わす、そのまま食べていただけるようなものを出荷したいということで、比較的オーガニック栽培に近い状態で生産しています。」

おいしいエディブルフラワーを育てるためにどんな工夫をされているんでしょうか。

「お花に全体にそうなんですが、野菜の一部のようなものでそれなりに作られたものっていうのは味も整えられていって食べやすいという特徴があります。例えば、道端に生えているタンポポなども食べられないことはないのですが、やはり日光にずっとあたっていると苦味が出たり、食べにくくなってしまいます。やはり美味しい野菜もあれば、美味しくない野菜があるといった具合に、育て方一つで味が全然変わるんです。例えば光がずっと当たりすぎると、光合成をしっかりしすぎて苦味が出やすかったりするので、やはりそういうものを取り除いて食べやすいように光を少し遮ってあげて、味をまろやかにする工夫などもしています。味にこだわって育ててる人が誰もいなかった事に途中で気がついて、これは美味しいお花を作ればきっとこんな小さい農家でも認めてもらえるのではないかと。肥料一つとっても、化成肥料というか化学的に作られた肥料よりも、自然由来の堆肥、植物性の堆肥ミネラル、牡蠣殻などを入れることにより、味も良くなるということに気がついたので、そういうものだけでじっくりゆっくりと育てています。」

『横山園芸』のエディブルフラワーは、お花によってかなり味わいの違いがあるのが特徴です!

「基本的にはお花は、植物体の葉っぱの一部のようなものです。なので、何かしらの味にやはりどうしても似てくるというのがあります。例えばストックというお花はアブラナ科という植物の仲間で、よく噛んで味わっていると最終的にはカイワレ大根や菜の花のような味がしてきます。よく花壇にも植えてあるパンジーやビオラは、食べてみると花の香りがして少し粘り気があり、最後に飲み込む時に鼻からすっと抜ける香りがあります。後味は何かスーッと抜ける感じなんですが、実は植物体自体にサリチル酸メチルという成分が入っていて、昔は薬用植物として使われたものをなんです。花が綺麗だから観賞用にしましょうというので、今に至っています。エディブルフラワーの食べ方という点では、まずはそのまま食べていただきたいと思っています。味わってみて、苦味があればお肉料理と合わせるとか、お魚料理と合わせるとか、そんな感じで楽しんでもらえたら嬉しいです。お花を少し載せたりすることで、写真に撮りたくなりますし、人に伝えたくなって、そこから会話が生まれるような気がするんです。そういうきっかけ作りができるというのも、この花の魅力というか、持ってる力なんじゃないかなと思っています。」

横山さん、最後にこんなお話もしてくれました。

「僕も実は正直食べることに最初は抵抗感があったんです。花を好きでこの仕事をしてるのに、食べてしまってどうするんだ?という思いでいたんです。しかし一度食べ始めてみると、五感で楽しめるということは、こういうことを言うんだなと思いました。新しい発見で、とても新鮮な体験でした。とあるセミナーをやってるときに女性からよく言われたのは「今日はすごく幸せになりました。」と言われ、「なんでですか?」と聞いたら「こういうものを食べて、お花を食べてそれが自分の体の一部になると思うと、すごく幸せな気分になりました。本当にありがとうございました。」と言われて、本当にそれに救われたというか、やってることは間違いではなかったという事を感じ、エディブルフラワーを本気でやり始めるきっかけにもなりました。お花を育てていて、綺麗と言ってくださる人は多いんのですが、食べることに関しては、ストレート反応が返ってくるんです。「美味しい」とか「こういう香りがした」とか「味がした」とか。元々、お花を育て始めたきっかけは人にお花をあげると、とても喜ばれるということが多く、こんなに人を幸せにできる仕事はないかもしれないと思い、始めました。このエディブルフラワーもそういった意味では、まさに人に喜ばれて、ストレートに嬉しい反応が返ってくるのがとても楽しみです。」

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