働く女性の生活をさらに輝かせるナチュラルな情報をピックアップ

CHOYA NATURAL BEAUTY

July 8 2022

どんな食材も絶対捨てない料理人、小鉢ひろかさんに聞く捨てない野菜レシピ

今日は、廃棄予定の3トンの野菜を料理に変えた通称“捨てない料理人”、小鉢ひろかさんにお話伺います。
小鉢さん、もともとは京都の調理師専門学校で調理の先生をやっていましたが、紆余曲折ありまして、今は捨てない料理や捨てないポイントをnoteやSNSで発信されています。
どうして、このような活動をするようになったんでしょうか?

「元々は母が料理が少し苦手だったので、母を助けたいという気持ちから料理に入りました。なので母を助けたいので自分が料理を作りたいというより、母にいかに作ってもらうかというのが自分の中で興味が強かったので、料理の先生という教えるっていうような仕事に就いたんですが、ひょんなことからフィリピンという場所に行きまして、そこで野菜不足であったり栄養失調だったりいろんなものを見たんです。そのときに日本のように野菜が美味しくなればいいなと思い八百屋さんに飛び込んだことがきっかけてです。そこから八百屋さんで、こんなに捨てられてしまうというような廃棄の現場に出会ってしまったことがきっかけです。普通の流れであれば料理教室の先生を自分でやるのが普通だと思うんですが、どうしてもそのフィリピンの人たちに野菜を届けたい思いが強くなって、野菜に飛び込んじゃいました。野菜を知りたいっていう思いが強かったです。向こうでも野菜はあったんですが、どうしても美味しさが違う気がしていまして、そもそもの野菜がどうして日本は美味しいんだろうという疑問に関して、農家さんという選択もあったでしょうが、なぜかそのときには八百屋さんに飛び込んでいました。」

捨てられる野菜って、例えばどんなものがあるんでしょうか?

「捨てられしまう野菜には二つあります。一つは見た目が違うことです。曲がっていたりであったり、少し傷がついてしまったり、シナシナになってしまったりというような、普段の新鮮なものと違うものがやはり嫌だなと思われて捨てられてしまいます。もう一つは、本当に見た目は一緒なのに、例えば値引きシールが貼られているために、もう結構古くなっているような雰囲気で捉えられたりしてしまったり、値引シールのものを買うなんてケチな人と言ったように見られてしまったり、同じ状態で並んでたら別に誰も気にしなかった食品が、赤いシールが貼られただけで古いと言ったレッテルを貼られてしまい、手に取られることがなかったりなどの影響があると思っています。私はこのような値引シールが貼られた商品を買うことは、食品ロスの観点からすると素晴らしい行動なので、皆さんには積極的にそれを買って自分で料理するような人になってほしいと思っています。そもそもまだ食べられるものですし、例えばそれが食べられるのかわからないようであれば、売り場で売られている時点で、スーパーの方に補償はしていただいてるので、そこはご安心いただいて買っていただきたいなと思います。世の中に出ているレシピは新鮮なものが前提になっているので、どこまでが食べられるのか、この黄色くなった小松菜をどうしたらいいのかと言ったことを誰も教えてくれていなかったと思います。ちなみに黄色くなっても小松菜は食べられます。このように美味しく食べる方法があるので、そういったことを知るだけで社会貢献になるのであれば、私はこの捨てないところをしっかり伝えていきたいなって思ってます。」

ここからは、小鉢さんおススメの野菜を捨てないレシピ。スウェーデン料理のピッティパンナです。

「ズッキーニのピッティパンナをご紹介します。これはスウェーデン流のまかない料理なんですが、ピッティパンナはフライパンの中の小さなものっていう意味で、角切りになったジャガイモを使ったお料理なんですが、スウェーデンはジャガイモを主食にしているので、茹で終わったジャガイモが沢山残ってしまうんです。そのジャガイモを捨てずに美味しく料理するという、いわゆるスウェーデン流捨てない料理です。夏なのでジャガイモを召し上がる方がなかなか少ないかもしれないので、今回はズッキーニでご紹介します。ズッキーニを1センチの角切りにしていただいて、ウインナーであったり、好きなお肉と一緒にバターで炒めて塩コショウをします。上に目玉焼きをのせたら完成です。たったこれだけなんですが、日本で炒め物で角切りにはあまりしませんが、食材は切り方変えるだけで全然印象が変わります。皆さんがもしもう食べ飽きて捨てたくなったような時、そういったときにこのピッティパンナ思い出していただいて、角切りの野菜炒めでいただくと美味しく召し上がっていただけると思います。捨てる瞬間は古くなったり、たくさん残ってしまったということがあると思いますが、私も残ったときに万能に使えるお守りのようなものがあれば悩まないと思うので、ピッティパンナも、スウェーデン流のまかない料理と言われるぐらい結構万能に使えるお料理です。今回はズッキーニでご紹介しましたが、ピーマンであったりナスであったり、今旬の野菜であれば何でもできると思います。本家に倣ってジャガイモで作るのはとてもおすすめですので、この夏トライしていただいたら、捨ててしまうことも無いかと思います。」

後に小鉢さん、こんなお話もしてくれました!

「そうですね捨てないというと、捨てる瞬間だけを考える方が多いんですが、本来であれば捨てる前の段階から、様々な捨てられそうな要素が始まってきているんです。食べきれないかもしれない、買いすぎてしまったなど、たくさんの要素があるので、まずは一つ一つお料理に関してであったり、食材に関して知識をつけていただくのがいいかなと思っています。例えば鮮度ですが、野菜に関して言えば、朝採れトマトなどよく聞いたりすると思います。朝採れは仕組まれた言葉であったりして、実はほうれん草は夜採れほうれん草の方が美味しいんです。もしそれを知っていれば、ほうれん草の農家は、そんなに早くに起きる必要もありませんし、夜取りほうれん草の方が甘く美味しいので、皆さんも美味しいものが食べれて嬉しいはずです。知識を私達がつかんで、正しい買い物をするだけで農家さんの労働環境も良くなって、私達も美味しいものが食べることができ、捨てないという最後の循環に広がるのであれば、そういった基本的な料理の知識からいろいろお伝えしていきたいなと思ってます。例えば先ほどの値引きシールの話もフォロワーさんのファンに言っていただいた言葉で、私はいつも値引きシールを買うのを子供に見られたくなくて剥がして冷蔵庫に入れてました。でも、これは社会にとって良いことだよと子供に堂々と言えるようになったので、私は今子供と一緒にどうしてそれを自分が買ってるのか伝えながら買い物していますとメッセージをいただいたときに、とても大事だなことだと思ったんで。自分の知識は、街の中に広がっていくと思うので、私はやはり、日本中からこの食品ロスがなくなるように知識を持った人を増やすことが私の使命かなと思ってます。」

小鉢ひろかさん 公式HP  詳細 >>

小鉢ひろかさん Instagra  詳細 >>

バックナンバーはこちらから