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CHOYA NATURAL BEAUTY

Oct 17 2025

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こんにゃく生タオル

兵庫県多可町の自然に囲まれた小さな町で、“こんにゃく100%”という、ちょっとユニークな素材から生まれた「こんにゃく生タオル」が誕生しました。開発したのは、株式会社す・なおの代表取締役・藤原尚嗣さん。会社を設立したのは昨年、そして今年の1月に工場が完成したばかりという、まさにフレッシュな企業です。
藤原さんがこのアイテムをつくるきっかけとなったのは、地元・多可町に古くから伝わる「氷こんにゃく」という保存食でした。普通のこんにゃくとは違い、凍結と解凍を繰り返して乾燥させることで、長期保存できるようにした昔ながらの知恵の結晶です。実はこの氷こんにゃく、江戸時代には赤ちゃんの肌を洗うためにも使われていたという記録が残っているのだとか。
「この伝統を現代の形で残したい」という思いから、藤原さんは氷こんにゃくの技術をスキンケアへと応用。肌をやさしく洗える“こんにゃく生タオル”の開発に乗り出しました。 その製造工程は、一見シンプルながら非常に奥が深いもの。まず、こんにゃく芋を粉末にしたこんにゃく粉に水と石灰を混ぜ、ぷるぷるのこんにゃくを作ります。そこからが本番。こんにゃくを冷凍・解凍することで、氷の結晶が抜けて水分が抜け落ち、残った繊維だけがスポンジ状になるのです。これは、いわば“高野豆腐のこんにゃく版”。この技術を現代の設備で再現しながら、藤原さんは「どんな温度で凍らせると、よりきめ細かく滑らかな肌触りになるか」を何度も試行錯誤したそうです。
そうして完成したこんにゃく生タオルは、見た目はやわらかいスポンジのようで、手に取るとしっとり。使い方はとてもシンプルで、まず水かぬるま湯で十分に湿らせてから、顔や体を優しくなでるように洗うだけ。特に敏感肌や乾燥肌の人に人気で、石けんを使わなくても汚れを落としつつ、洗い上がりはつるつる、でもしっとり感が残るのだとか。もちろん、汗をかいた日などはボディソープと併用してもOKです。
使い終わった後は、水でやさしく洗い流して軽く握るように水気を切り、冷蔵庫で保管します。まるで“生もの”のような扱いがちょっとおもしろいところ。
藤原さんが大切にしているのは、ただのスキンケアアイテムにとどまらない“循環するものづくり”の考え方です。こんにゃく生タオルは、名前の通りこんにゃく100%。添加物もなく、使い終わってもし自然に還しても、すべて土に戻る完全エコ素材です。
「今は環境のことが注目されていますよね。うちのタオルは体にもやさしいし、地球にもやさしい。しかも素材も製法も昔からあるもの。すごく“今っぽいのに古い”、そんなところが気に入ってるんです」と藤原さん。
こんにゃくタオルというと、なんだか新発明のように聞こえますが、実はそのルーツは何百年も前にさかのぼる伝統技術。先人たちが生み出した知恵を、現代の視点で磨き上げた藤原さんの挑戦は、「古いものを新しくする」お手本のようです。

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