今回は広島県世羅郡世羅町で今が旬のアスパラガスを育てる、「アスパラファームFUYUKI」の冬木葉子さんにお話をお伺いしました。
広島・世羅町にある「アスパラファームFUYUKI」は、ちょっとユニークな兼業農家。春から夏は甘みたっぷりのアスパラを育て、収穫が終わる頃にはパン作りにシフトします。パンには、自家製のアスパラや地元野菜、さらには世羅産のお米などを使い、地元のおいしさをぎゅっと詰め込んでいます。地下50mからくみ上げたアルカリ天然水を使って育てるアスパラは、まるで森のように生い茂り、風が吹き抜けるその光景はまさに“アスパラの森”。暑い日でも涼しい風が通り抜ける世羅の気候も、ここならではの魅力です。自然と共にある暮らしが、野菜にもパンにもやさしく染み込んでいます。
夏のアスパラは、まるでタケノコのようにぐんっと伸びてくる力強さが魅力。春の濃い色から、夏にはやわらかな黄緑やアンニュイな紫に変化し、まるでモネの絵のよう。皮は少しかたくても、中は瑞々しくやさしい味わいです。
アスパラは、グリルで素焼きにすると甘みと旨みがギュッと凝縮されて、とても美味。ごま油で炒めるのもおすすめで、部位によって香りや甘さが違うので、おやつ感覚でパクパク食べられます。天ぷらにして、穂先と根元、紫とグリーンの食べ比べも楽しいですよ。実は、根元の方が甘くて好きという人も。細いアスパラは味が濃くて、最近のお気に入り。食べ方や部位で印象がガラリと変わる、奥深い野菜です。
「ふさふさ」と呼ばれる穂先が開いたアスパラは、見た目で敬遠されがちですが、実は味わい深くおすすめです。特に天ぷらにすると、ふきのとうのようにカリッと香ばしく、中はじゅわっとジューシー。グリルで焼いても、ふさふさ部分が香ばしくカリカリになり、食感も抜群です。実は農協では出荷されず、捨てられてしまうこともあるほど。ご希望の方には販売可能なので、気になる方はぜひお声かけください。
