働く女性の生活をさらに輝かせるナチュラルな情報をピックアップ

CHOYA NATURAL BEAUTY

Mar 13 2026

Back Number

120日以上漬け込んだ乳酸発酵の高菜漬け

和歌山県御坊市に、昔ながらの発酵製法と無添加の味を大切に守り続けている漬物屋があります。有限会社「樽の味」。代表の細田幸平さんに話を聞くと、その始まりは意外にも漬物屋ではなく、小さな喫茶店だったといいます。
今からおよそ45年前、細田さんの父親が地元で始めた喫茶店が、同じく地元の人たちに愛される人気店になりました。時代はちょうどバブル期。店は次第に繁盛し、増築を重ね、やがて定食や焼肉、ハンバーグなどを提供するレストランのような存在になっていきました。
その定食には、必ず漬物が添えられていました。ところが当時仕入れていた漬物は、決して満足できる味ではなかったそうです。仕方なく出してはいるものの、お客さんにほとんど残されてしまう。そんな状況に、当時の社長である父親は強い悔しさを感じていました。
「それなら自分たちで作ろう」。そうして始まったのが、無添加のたくあん作りでした。これが現在の樽の味の原点です。
現在、日本で販売されている漬物の多くは、実は“発酵”していないものがほとんどだと細田さんは話します。戦後、冷蔵技術が発達したことで、野菜を調味液で味付けして仕上げる製法が主流になりました。コストを抑え、味を均一にできるためです。
しかし本来、漬物とは発酵と熟成によって作られる保存食でした。乳酸菌が野菜の糖分を分解し、時間をかけて旨味や酸味を引き出していく。そうした昔ながらの発酵漬物を作る会社は、今では全体の数パーセントにも満たないと言われています。
樽の味は、そんな時代の流れにあえて逆らうように、発酵と熟成を大切にした製法を守り続けています。
例えば高菜漬け。塩とウコンで漬け込み、木樽の中でじっくりと発酵させます。乳酸菌の働きによって野菜の旨味が引き出され、味が深まるまでには最低でも3か月。樽の味の高菜漬けは、120日以上、つまり4か月以上の時間をかけて完成します。発酵が進むと、やがて熟成の段階に入り、味がゆっくりと馴染んでいきます。時間はかかりますが、その分、濃厚で奥行きのある味わいが生まれます。「昔ながらの味で美味しい」と感謝の言葉をもらうことも多いそうです。この高菜漬けは食べ方の幅も広く、ラーメンのトッピングはもちろん、細かく刻んでおにぎりに混ぜたり、ごま油で炒めたり、チャーハンの具材にするのもおすすめとのことです。
さらに、樽の味にはもうひとつのこだわりがあります。それは「添加物を使わない」というポリシーです。その代わりに活用しているのが、発酵の力。自社で発酵させた米麹を使い、自然な旨味を引き出しています。その代表的な商品が「キムチ革命」というキムチの素です。野菜と一緒に袋に入れて振るだけで、自宅で簡単にキムチが作れるというユニークな商品。野菜100グラムに対して約10グラムを加え、袋の中で揉み込んで冷蔵庫に入れておくだけで、翌日には食べ頃になります。定番の白菜はもちろんですが、細田さんのおすすめは山芋。味が染み込みやすく、なんと1時間ほどでキムチになるそうです。

有限会社 樽の味  詳細 >>