TOKYO TATEMONO
MUSIC OF THE SPHERES
ピアニスト、角野隼斗が音楽を通した様々な”出会い”を語る20分
5月10日の放送では、
Night Tempoさんとの対談の模様をお届けしました。
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角野:今週も、Night Tempoさんをお迎えしています。Night Tempoさん、よろしくお願いします。
Night Tempo(以下、NT):よろしくお願いします。
角野:Night Tempoさんは、2024年の春に東京へ移住されたんですよね。移住を決断したきっかけは何かあったんですか?
NT:自分の音楽のベースも活動の拠点も、どんどん日本に近づいてきて、飛行機に乗る機会が多くなりすぎていたんです。移動が少し大変になってきたので、「日本に住んで、そこから海外へ行ったほうがいいのでは」と思うようになりました。特にアメリカは、日本からのほうが少し近いじゃないですか。
角野:まあ、多少は(笑)。
NT:ちょっとだけ(笑)。そういうメリットもありましたし、もともと日本に住んでみたい気持ちもあったので、いいタイミングだと思って決断しました。
角野:Instagramを拝見していると、Night Tempoさんの感性を通して東京を見てくださっている感じがして、すごく嬉しくなるんですよね。もしかしたら、僕より東京を知っているんじゃないかという気もします。
NT:街を歩いていて、「これ撮りたいな」と思ったものは、何でも写真に残したくなるんですよ。変なものもたくさん撮っています(笑)。J-WAVEに来る時も、ここって東京タワーが目の前に見えるじゃないですか。
角野:そうですね。
NT:そういう場所って意外と少ないんですよね。ちょうどいい位置にこのビルがあって。だから来るたびに、入ってすぐ東京タワーを撮っています。
角野:確かに、街のど真ん中に赤と白の大きな建造物があるのは特徴的ですよね。
NT:どの国にもシンボル的な建物はありますけど、例えばパリのエッフェル塔は灰色なので、街に馴染んでいるんです。
角野:景観に溶け込むように作られていますからね。
NT:でも東京タワーは、あえてあの派手な色を使っているところがすごくいいなと思っています。
角野:エッフェル塔も、建設当時は住民から「景観を壊す鉄の塊だ」ってかなり反対されたらしいですね。今では街のシンボルですけど。
Instagramを見ていると、レコードショップや喫茶店など、いろいろ巡られている印象がありますが、特に好きな場所はありますか?
NT:僕はやっぱり、新橋がすごく好きですね。
角野:新橋! おお。
NT:新橋駅前ビルとニュー新橋ビルがあるんですけど、その中がすごく好きで。よくご飯を食べたり、周辺を歩いたりしています。月に1〜2回は必ず行きますね。
角野:ああ、そうなんですね。
NT:新橋駅を降りると、白いスパイダーウェブみたいな構造物があるじゃないですか。
角野:ありますね。あの地下って、独特のアーケード感がありますよね。
NT:その中に有名な喫茶店があって、そこにもよく行きます。雰囲気がまるで昔の香港映画みたいなんですよ。
角野:九龍みたいな。
NT:そうです。ウォン・カーウァイの映画に出てきそうな空気感があって、すごく好きです。
角野:ちょっと、改めてちゃんと行ってみたいな。
NT:機会があったら、一緒に行きましょう。案内します。
角野:ぜひお願いします。
NT:美味しいお店もありますので。
角野:ぜひぜひ、よろしくお願いします。
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角野:「Master Plan」は、今年リリース予定のメジャー4枚目のアルバムからの先行シングル第2弾とのことですが、どんな形で制作されたんですか?
NT:この曲は、“歌謡曲”や“J-POPを作る”という感覚より、インターネットミュージシャンだった頃の遊び心に近い感覚で作りました。音で遊ぶように、いろんな要素を一つにまとめて表現したんです。
構成もかなり自由で、一般的なJ-POPのAメロ・Bメロ・サビという型をあまり意識せず、自分の感覚だけで組み立てました。だから2回目のサビがなかったり、ドロップやコーラスも1回しか出てこなかったりするんです。
日本のリスナーにどう受け止められるかは正直わからないんですが、自分としては面白かったし、楽しかったので、それでOKだと思っています。
角野:めちゃくちゃかっこいいです。
NT:ありがとうございます。
角野:後藤真希さんとのコラボはいかがでしたか?
NT:本当にプロフェッショナルなアーティストだと思いました。シンガーとしての準備が完璧なんです。どんなジャンルでも歌いこなせる自信があるんだろうな、というのをすごく感じました。
レコーディングでも、「こういう感じで」と伝えると、すぐに理解して表現してくださるんです。説明したことを瞬時に形にできる。その対応力と柔軟性、さらに実力まで兼ね備えているのが本当にすごいと思いました。
日本ではアイドルとしてのイメージが強いかもしれませんが、自分としてはシンガー、ミュージシャンとして、まだまだ可能性が広がっている方だと感じました。
角野:素晴らしいですね。これまでにもさまざまな日本の女性ヴォーカリストとコラボされてきたと思いますが、特に印象的だった方はいらっしゃいますか?
NT:憧れだった小泉今日子さんや、中山美穂さんとコラボできたことは本当に嬉しかったですね。
実は男性アーティストともいろいろやってみたい気持ちはあるんですが、日本の男性ミュージシャンって個性がすごく強い方が多いじゃないですか。だから、自分の音楽とどう混ざり合うか、少し不安があったんです。
角野:なるほど。Night Tempoさんの音楽の中に自然に溶け込めるか、ということですね。
NT:そうです。個性が強すぎると、自分の音楽なのに、自分の音楽じゃなくなってしまう感覚があって。でも最近は、もっといろんな方と一緒にやってみたいと思うようになりました。
角野:いいですね。今後楽しみにしています。
NT:ぜひ、男性ミュージシャンとして関わってください。
角野:僕は歌えないですけど(笑)。
NT:でも、ピアノで歌ってください。
角野:ピアノで歌う。いい表現ですね。ピアノで歌います(笑)。
オリジナル曲を作る時と、リエディットやリミックスをする時では、発想の出発点って違いますか?
NT:リエディットは、自分がファンだった音楽を扱うことになるので、最近はどんどん難しくなっています。「こう表現したら、どう思われるだろう」と考えるようになってしまって。
活動初期は、日本の文化もまだ深く理解していなかったので、本当に自由に、自分勝手にやれていたんです。でも今は、全部が自己責任に感じられて、少し遊び心が減ってしまった部分もあります。
一方でオリジナルは、自分の作りたいものを自由に作れる。ローファイをやりたいならローファイ、ハウスをやりたいならハウス、歌謡曲っぽいものをやりたいならそういうものも作れる。
リエディットは“何かを背負って表現する”感覚で、オリジナルは“自分の信念を話す”感覚なんです。その重さの違いをすごく感じます。
角野:すごくよく分かります。昔の偉大な音楽を演奏する時って、いろんな解釈がありますからね。
NT:そうですね。
角野:その作品とどう向き合うか、ということですよね。
今は活動としては、オリジナル寄りになってきているんですか?
NT:そうですね。オリジナルを作ることは増えています。でもリエディットやリミックスのシリーズも続けたいと思っています。
今は、「次はどんな面白いものが作れるかな」と考えながら、いろいろ検討しています。何でも引き受けるわけではないので、悩みも増えていますね。
むしろ、日本をまだよく知らなかった頃のほうが、気楽にできていたかもしれません。“知るほどに見えてくる”という感じです。
角野:難しいですね。でも確かに、僕も学生時代にYouTubeでピアノカバーをしていた頃のほうが、あまり深く考えていなかった気がします。
NT:そうなりますよね。
角野:なるほど。ありがとうございます。ぜひ、新橋行きましょう。
NT:ぜひ。いろいろお話ししたいです。
角野:そろそろお時間となりました。Night Tempoさんからお知らせをお願いします。
NT:新曲「Master Plan feat. 後藤真希」がリリースされました。ぜひたくさん聴いてください。
角野:ありがとうございました。2週にわたってお迎えしたゲストは、Night Tempoさんでした。ありがとうございました。
NT:ありがとうございました。
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