TOKYO TATEMONO
MUSIC OF THE SPHERES

ピアニスト、角野隼斗が音楽を通した様々な”出会い”を語る20分

TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES
2024.09.15
モーツァルト「戴冠式」

ニューヨークを拠点に活動するピアニスト・角野隼斗が
音楽を通した様々な”出会い”をもとに選曲と語りをお届けする
「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」

9月15日の放送では、
ツアー中の角野隼斗が香川県高松から
コンサートで披露したモーツァルト「戴冠式」を語りました。

海から近くのホテルに滞在しているそうで、
海辺を散歩した時にはシチリアを思い出したという。
海がずっと無限に広がっている景色もそれはまたいいけれど、
海の向こうの方に陸が少し見えるぐらいの、瀬戸内海やシチリアの地中海の雰囲気が
とても好きなんだということに気づいたと語った。

今回のツアーではモーツァルトの「戴冠式」を演奏した。
この曲は「左手が書かれていない」。
というのも、モーツァルトは自分で作曲し、演奏していたので
作曲が間に合わないと自分が頭の中で何を弾けばいいかわかっているから
右手だけ書いておくということがあったそう。

また、カデンツァと呼ばれるピアニストが自由に即興できる部分もあり、
作曲者が書くことも多いが、この曲は何の楽譜も残されておらず、自由に即興できる。
左手は書かれておらず、カデンツァも残されていない、即興が好きな角野からすれば
自由度が高くて楽しい曲だという。

この曲は同じ音が4連続するモチーフから始まる。
角野は最初にこの曲を知った時はあまりしっくり来ていなかったというが、
最近はだんだん弾いているうちに好きになってきたそう。
今回のツアーではそこから最初は
ウィーン放送交響楽団のオーケストラだけの前奏が12分ぐらい続く。
その前奏が鳴った瞬間の高揚感といったらたまらないと語る。

ウィーン放送交響楽団という伝統あるオーケストラとの演奏で、
どれだけ自分の即興を入れていいかというのは恐る恐るしていた部分もあったが、
毎回カデンツァを変えたり、即興法や装飾を加えたりするというのを、
オーケストラの皆さんも楽しんで、喜んでくださってる感じが嬉しくて
あと8回の公演で、色々な即興を試していけたらいいなと語った。

MUSIC SELECT

1. Piano Concerto No. 26 in D Major ("Coronation")
K. 537:Allegro /
Friedrich Gulda, Nikolaus Harnoncourt & ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

2. In Paradisum / 角野隼斗

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