TOKYO TATEMONO
MUSIC OF THE SPHERES

ピアニスト、角野隼斗が音楽を通した様々な”出会い”を語る20分

2024.04.28
ジョージ・ガーシュウィン

ニューヨークを拠点に活動するピアニスト・角野隼斗が
音楽を通した様々な”出会い”をもとに選曲と語りをお届けする
「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」

今回は角野が大好きな音楽家、ジョージ・ガーシュウィンを語りました。

ガーシュウィンといえば、20世紀の前半に活躍したアメリカを代表する作曲家。
ジャズとクラシックを 融合して、華やかなアメリカのクラシック音楽の基礎を作った音楽家です。

先週、ワシントンD.Cにいった話をしましたが、アメリカ議会図書館に行ったそう。
そこにクラシックの世界でとても大切にされているガーシュウィンの自筆譜がたくさん保管されていて、生で見ることができたのだそう。
どこにも上がっていない曲ができる前のスケッチもあって、曲ができるまでの試行錯誤が見えてめちゃくちゃテンションが上がったという。

貴重なガーシュウィンの自筆譜に、指揮者の書き込みやめくる部分のスレ、コーヒーのシミなどもあって図書館に厳重に保管されているものに生活感があったのが面白かったと語る。

ニューヨークにあるガーシュウィンが住んでいたアパートを見に行った時にある出会いがあったのだとか。
アパートの前のプレートをまじまじと眺めていた角野にあるおばさんが話しかけてきたのだそう。「君はガーシュウィンが好きなの?」と問われた角野は「好きなんですよ、ピアノを弾いていて今度ポストンシンフォニーホールで弾くんですよ」と答えたところ、「すごいわね、じゃあいつか誰かにあげようと思ったレコードがあるから、ちょっと持ってくるわね」と言って持ってきたのが、オスカー・レヴァントのレコードだったそう。

オスカー・レヴァントはガーシュウィンとほぼ同じ時代を生きたピアニストで、ピアニストの他にも俳優もやっていた人。
角野は今でもそのレコードを自分の部屋に飾っているのだそう。

レコードをくれたおばさんとは名前も連絡先もわからないそうで、いつかコンサートに来てほしいと語ります。

今日の選曲、「Piano Concerto in F: III. Allegro Con Brio」はガーシュウィンが初めて自分でオーケストラ部分まで作った曲。
そんな曲を昨年ボストンポップオーケストラと共演した時に弾くことができて、人生の中でも最も楽しい瞬間の1つだったと語ります。

これまでガーシュウィンの曲をたくさん弾いてきたという角野は、なぜそんなにもガーシュウィンが好きなのか、クラシックも好きだし、ジャズも好きだからそのどちらの要素もあるガーシュウィンを好きじゃないわけがないとのこと。
自由な感じがして、どこを切り取ってもとても明るくてキャッチーなメロディーがあるし、 それが彼自身の創造性によってどんどん新しい方向に展開されていくのが
聞いてて楽しいし、弾いていても楽しいと語ります。

MUSIC SELECT by 角野隼斗
1. Piano Concerto in F: III. Allegro Con Brio /
Oscar Levant & New York Philharmonic Symphony Orchestra
2. But Not for Me / Chet Baker

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