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話題のタイ映画『ユースフル・ゴースト』監督のラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督にお話を伺いました!
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Q. 映画『ユースフルゴースト』の「亡き妻が掃除機に憑依して夫のもとに戻ってくる」という斬新な発想はどこから生まれたのですか?
A. 最初は妻を人間として描いていましたが、友人や映画関係者から「他の映画の幽霊とどう違うのか」「オリジナリティがない」と指摘されました。そこでオリジナリティを追及し、過去の映画で幽霊がどのように描かれているかを調査しました。
Q 具体的にどのような映画からアイデアを得たのですか?
A. 80年代の映画『ポルターガイスト』に着目しました。その作品では幽霊の姿は見えませんが、窓が開いたり物が動いたりして自らの意志でコミュニケーションを取ります。この「幽霊が物に憑依する」という部分から着想を得ました。また、自作の中で粉塵公害を描いていることから「掃除機」に憑依するというアイデアに繋がりました。
Q. タイの人々にとって「霊」や「スピリチュアル」はどのような存在ですか?
A. タイでは霊がとても身近で、普段からよく話題に上ります。例えばリスナーの怪談を流す深夜ラジオ番組が人気だったり、10人に1人は第六感があると感じられていたりします。また、亡くなった人の霊や天使、川や木に宿る霊の話も一般的で、家に小さな祭壇や守り神の人形を飾る習慣もあります。
Q. 掃除機に感情や魂が宿っているように見せるため、どのような工夫や演出をしましたか?
A. プロデューサーの紹介で、賞を受賞したばかりのシンガポール人インダストリアルデザイナーに特注の掃除機を制作してもらいました。機能性よりも見た目の面白さを重視し、輪っかのライトで感情を表現したり、ホースの動きで考えを表現したり相手を抱きしめたりして、掃除機の感情を描写しました。
Q. 粉塵公害や民主化運動、マイノリティ差別といった重い社会問題を、あえてポップでコメディ風に描いた理由は何ですか?
A. さまざまな要素(真面目な内容とおかしな要素など)を混ぜ合わせるのが好きだからです。真面目なドラマにすると展開が読めてしまうため、コメディに見せかけて視聴者を「油断させる」ことで、「なぜこんな展開に?」と思わせる物語を目指しました。
Q. 2010年に起きた反政府デモなどの出来事を、なぜ今この映画で伝えようとしたのですか?
A. 2010年のデモは監督自身もニュース等で見て記憶に残っており、デモ終了後に政府が市民に街の清掃(血や泥を洗い流す作業)を行わせ、記憶から事実を消し去ろうとしたことに怒りを覚えたためです。歴史を人々の記憶に残し伝えるために作品に組み込みました。
Q. こうした社会問題を描いたことに対し、タイの観客からはどのような反応がありましたか?
A. 観客は若い世代が多く、映画の政治的立場やメッセージ性に共感してくれました。またタイにおいて「ホコリ(埃)」にはダブルミーニングの意味合いがあるため、政治的なテーマがあることを察して観た人も多く、重いテーマをコメディ風に描いた意外性や問題提起に満足してくれました。
Q. タイと日本の「映画館を訪れる客層」の違いについてどう感じていますか?
A. タイでは年配層は自宅で配信サービスを見ることが多く、映画館に来るのはほぼ若い世代に限られています。そのため、日本で様々な年代(若い人から年配の方まで)が映画館を訪れている光景を見て驚き、羨ましく感じたとのことです。
Q. 監督自身、日本の映画作品からどのような影響を受けましたか?
A. 監督は日本映画の大ファンであり、作品制作においても深い影響を受けています。特に印象深い作品として、大島渚監督の『絞死刑』を挙げています。
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