WORLD CONNECTION

世界の今と繋がろう。

2026.04.26
シアトルのラジオ局・KEXPと繋がります!

4月26日の放送では、
KEXP・チーフ・プログラミング・オフィサーのクリスさんをお迎えし、
ラジオの魅力と、シアトルの街に根づくラジオ文化について伺いました。

小川:それではまずKEXPについてですが、非営利のラジオ局ということで、
どのようなビジョンのもとで運営されているのでしょうか?

クリス:KEXPは非営利団体によって運営されているラジオ局で、
「Friends of KEXP」などの支援や寄付によって成り立っています。
シアトルを拠点に50年以上活動しており、もともとはワシントン大学の学生4人によって始まりました。
私たちのコンセプトは、「人々の生活を豊かにすること」と「音楽の再発見」です。
音楽を通じて世界とつながり、人々の好奇心をかき立て、互いを結びつける存在でありたいと考えています。

小川:具体的に、リスナーを増やすためにどのような取り組みをされているのでしょうか?

クリス:私が在籍している間ずっとそうですが、
リスナーは「ミッションを追い続けること」によって増えてきました。
他のラジオ局と違うのは、そのミッションに忠実である点です。
届けたい音楽や番組に妥協せず、かけたくない音楽はかけない。
その姿勢を貫くことで、人々を楽しませ、インスパイアできていると思っています。
特別なマーケティング手法があるわけではありませんが、その姿勢に共感したリスナーが自然と集まり、
SNSやYouTubeを通じて広がっていった結果だと思います。

小川:ちなみにKEXPのスタジオは、どのような場所にあるのでしょうか?

クリス:KEXPはシアトル・センターのキャンパス内にあります。
1962年の万博のために整備された公共公園エリアで、ダウンタウンにも近い場所です。
現在の施設に移転してきたのは約10年前です。
スタジオにはカフェやレコードショップも併設されていて、一般の方も利用できますし、
放送の様子を見ることもできます。リスナーと直接交流できる、開かれた場所になっています。

小川:最近気になっている音楽や、個人的におすすめしたいアーティストはいますか?

クリス:個人的には、KEXPのYouTubeで公開したAngine de Poitrineの「Fabienk」に
とても惹かれました。
バイラルになる前から注目していたのですが、音楽のスタイルやビジュアルも含めてとても魅力的です。
動画は1000万回再生を超えていて、今かなり夢中になっているアーティストのひとつです。

小川:KEXPのYouTubeチャンネルで「Live on KEXP」というプログラムがありますが、
あれはスタジオで収録されているんですか?

クリス:多くのライブパフォーマンスはKEXPのスタジオで撮影していますが、外で収録することもあります。
最近ではサンフランシスコでライブ配信を行いましたし、
フランス、スペイン、メキシコ、アイスランド、アルゼンチンなど、世界各地で収録しています。
今後は日本でも実施したいと考えていて、フジロックなどでの実現も検討しています。

小川:日本のアーティストも多く出演されていますが、
日本の音楽シーンについてはどのような印象をお持ちですか?

クリス:日本の文化や芸術は本当に卓越していると感じています。音楽も非常にエネルギーがあって、
クリエイティブです。
J-POPだけでなく、パンクロックなどさまざまなジャンルに多様性があり、それぞれがとても面白い。
そういった点が大きな魅力だと思います。
だからこそ、日本でライブ配信を行い、その魅力を世界に届けたいと考えています。

小川:ウクライナの音楽を取り上げたプレイリストなども印象的でしたが、どのような思いで発信されているのでしょうか?

クリス:私たちは、音楽はとてもパワフルでポジティブな力を持つものだと信じています。
音楽を通して、人々はお互いの共通点や違いを理解することができます。
音楽は国境や争いを超えるものです。
だからこそ、アーティストが伝えたいメッセージ――平和や愛――を届けたいと考えています。
私たち自身の主張というよりも、アーティストの声をそのまま届けることを大切にしています。

小川:KEXPがライブパフォーマンスを大切にしている理由は何でしょうか?

クリス:KEXPでは1980年代からライブパフォーマンスの発信を続けています。
ライブには「魔法のような力」があると思っています。完璧ではない瞬間もありますが、
その不完全さも含めて魅力になる。
演者と観客が一体となり、その場で音楽が生まれていくプロセスそのものが、
非常に力強いアートだと考えています。

小川:最後に、ラジオの未来についてどのように考えていますか?

クリス:私はラジオをとても信じていますし、大好きです。
最近はSNSのアルゴリズムに疲れて、人とのつながりを求める人も増えていると思います。
ラジオはライブで声や音楽を届けるという点で、とてもユニークなメディアです。
KEXPではほぼ24時間ライブ配信を行い、リスナーとのつながりを大切にしています。
同時に、ラジオにとどまらず、SNSやイベントなどさまざまな形でその価値を広げていきたいとも
考えています。

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