WORLD CONNECTION
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5月18日の放送では、投資家の田中渓さんにお話を伺いました。
ゴールドマン・サックス証券株式会社に2007年入社。
マネージング・ディレクターに就任し、投資部門の日本共同統括を務め、
2024年に退社。在籍17年間で20カ国以上の資産家、産油国の王族など
超富豪などと協業・交流も経験されています。
??アメリカの関税政策について
今、話題の「トランプ関税」。これについてどのように見ていますか?
田中さん)
そもそも、「トランプ関税」がどういったものかと言いますと、大きく3つあります。
一律10%の関税:アメリカとの貿易に対して全ての国に課されています。
相互関税:日本など貿易赤字国に対して24%など高率の関税が課されています。
産業別の高関税:自動車・鉄鋼などに25%などの追加関税がかけられています。
目的は主に、国内製造業保護・対外赤字是正・選挙向けパフォーマンスです。
??これで私たちの生活にどう影響が出るんでしょう?
田中さん)
いくつかあります:
報復関税:牛肉・小麦など食品価格が上がる。
円安が進む:ガソリン・iPhoneなど輸入品全般が高くなる。
国内工場の非効率化:車など製造コストが上がり、価格転嫁へ。
サプライチェーンの混乱:物流費が上昇。家電や洗剤にも影響。
逆に影響を受けにくいのは、国産野菜や果物、塾や美容院などのサービス業、国内完結型の娯楽です。
??リスナーさんからの質問
「新NISAが始まりましたが、お小遣い制の我が家では投資の原資がありません。貯金・運用・自己投資、どうバランスを取るべきですか?」
田中さん)
大切なのは「少額からでも始めること」。例えば月1万円でも株や投資信託を買ってみることで意識が変わります。日本円だけを持っているというのは、極端にリスクを集中しているとも言えます。
過去のデフレ時代ならそれで良かったけど、今はインフレ。放っておくとお金の価値が目減りします。
??「国内だけでなく、海外への投資も考えた方がいいですか?」
田中さん)
はい。最近人気の「S&P500」や「オールカントリー」など、広く分散された投資信託が良いでしょう。成長市場に幅広く投資するのがリスク分散の基本です。
??「月収の3割貯金」が良いと聞きましたが、理由は?
田中さん)
いくつか理由が考えられます:
月の収入が30万円だとすると、月に9万円貯金することになります。
生活防衛資金の確保:職を失ったとき、約200万円あれば半年は生活できる。
教育費:子ども1人に約1,000万円かかるため。
老後資金:長期運用で1,500万円以上になる可能性も。
目的を分けて考えれば、この「3割」という基準は合理的だと思います。
??金融教育が最近子どもたちにも広がっていますが、世界と比べて日本はどうですか?
田中さん)
正直、日本はかなり遅れてます。エストニアでは小1から「貯める・使う・増やす・分ける」を学び、ローンの計算、税金や年金の仕組みも教育に含まれています。
また、学校主導の「金融オリンピック」まであるんです。