TOKYO TATEMONO
MUSIC OF THE SPHERES
ピアニスト、角野隼斗が音楽を通した様々な”出会い”を語る20分
12月8日の放送はPenthouse から浪岡真太郎さん、大島真帆さんのお二人が初登場
メンバー3人でアルバム「Laundry」を語り合いました。
***
今週はゲストをお招きしてお送りします。
Penthouseから浪岡真太郎 さん、大島真帆さんが来てくれました。
どうもこんにちは。
大島さん)こんにちは。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。バンドメンバーなんですよ。
バンドメンバーでいつも一緒にやってるんで、こうしてゲストとしてお招きするっていうのがちょっとむずがゆい感じなんですけど、
一応僕が今日はナビゲーターということで、僕が仕切らなければならないのはね、
ちょっと、気恥ずかしいんですけど、楽しんでいきましょう。
ということで、よろしくお願いします。
Penthouseの紹介をちょっとさせてください。
6人組のツインリードボーカルバンドです。
大学のバンドサークル東大POMPで出会いまして、
そのOBであるメンバー、浪岡さんを中心にね、
2019年より活動を開始しまして。
お2人が ツインボーカルということで、僕は鍵盤を弾いていますが、
もう出会って10年になるんですね。
大島さん) わあ、すごいね。
浪岡さん) 10年の付き合いの人ってそんな多くないもんね。
本当に多くなくて、僕色々考えてて、
なんか大学の頃の友達とか、高校の友達とかたまには会うけれども、
なんか年1くらい。
未だに定期的に会う人ってPenthouseぐらいだな。
大島さん) 嬉しいですね。
ね。そうなんですよ。もうちょっとぜひ喋ってください。
全然遠慮しなくて、全然喋っていただいて結構なんです。
僕がその頃大学1年生で、で、2人が大学3年生なんで、
僕からしたらもう憧れの先輩というか。
大島さん) どうなんですか? 言われますけど。
言ってましたよ、昔から。これは。
大島さん) でも確かに角野が入ってきてくれた夏合宿で、声をかけてくれて、
なんか、真帆さんと浪岡さんが出てるライブを見て、僕は東大POMPに入りましたって言ってくれた記憶がありますけれども、ほんとですか。
え、それほんとです。
大島さん) 嬉しいです。
浪岡さん) なんか言われるたびに、なんかすごい気を遣わせてる。
全然言わされてないです。 6月ぐらいだったかな、大学1年生って、いろんなサークル回るんで、ライブとかを見に行くんですけど、かっこよかったの覚えてるんですよ。
大島さん) でも、角野は、最初ドラムで入ってきてくれたんだよね。
そう、ドラムやってたから、高校の頃。
大島さん) なんかこう、私たちの中で、角野隼斗くんっていう、なんかめっちゃピアノ上手いらしい子が、なぜかドラマーで入ってきたんだけど、みたいな話になって。
浪岡さん) なんか最初は、ドラマーだけど、ピアノも弾けますみたいな、
キーボードも弾けますって言って、そうそう。
大島さん) 宝の持ち腐すぎる。
それで、キーボード弾いてよみたいな、結構いろんな人から多分言って、
いつの間にはもうキーボーディストとして花を咲かせていたわけですけども。
いや、でも、キーボードがやりたくて、ジャズとかファンクが楽しそうだったからっていうのはあったんだけど。
なにせバンドでキーボードを弾いたことがそれまでなかったから、ドラマーですと言っていた。
浪岡さん) なるほど、なんか照れ隠しみたいな感じでドラムを使ってたわけ。
そう。なんかそんな感じは。
浪岡さん)いや、でもなんか先輩的にはさ、いや、あいつはやっぱドラムよりピアノをやらせた方がいいぞみたいな。なんとかキーボードで誘おうぜみたいな感じあったよね。
いや、そんなにドラムがやりたいわけでもなかった。
浪岡さん) いや。わかんないじゃん。先輩からしたらドラマーやりたいのかな。みたいな。
大島さん) 無理強いはできないからね。
でも、ほんとにいろんなジャンルの音楽を一緒にやったじゃん。
それこそ多分、ジャズもやってるし、スカみたいなものもあれば、パンクもやったし、ポップスもやったし、みたいな感じで。
そのサークルがほんとにいろんなジャンルができるサークルでしたから、偏りはもちろんあったけれども、そこで得た 経験っていうのは今にも生きてる感はありますよね。
大島さん) ありますね。かなりあるよね。
浪岡さん) でも俺、結構偏ったものをやってた方だから。
でも、生きたとこはもちろんありますね。
そんなこんなで、みんなが卒業してから、2019年にPenthouseというバンドを活動することになりまして。
当時はね、僕は学生で、みんな社会人として働いていて。
浪岡さん、いつ音楽1本になったんでしたっけ。
浪岡さん) 丸3年やって辞めたみたいな感じでさ、それが3年前みたいな感じかな。
ほんとに時が経つのは長い。
大島さん) 角野のさ、後押しもあったよね。
なんか、ちょっとどうしようかなみたいに言ってた時に。
俺ずっと言ってた。
本当に早く音楽1本で行ってくださいよ。絶対もう行けるから。
浪岡さん) はいはい。まあまあ、確かに言ってくれてたけど、
いや、なんかね、自分の認識としてはないけど、なんか言ってたような気もするし。
大島さん) いや、言ってたよ。角野が浪岡さんが音楽で食べていけなかったらどうするんですかみたいな結構言葉で言ってたの、私はすごい印象的。
浪岡さん)でもなんかそれ、飲み会の時とかにしてる。
飲みの勢いとかじゃないですよ。
浪岡さん) いや、俺ちょっとそういう疑り深い。言ってくれてはいるが、みたいな。
実際どうなんだろうなみたいな。
真帆さんは今も働いてますもんね。
大島さん) そうですね、正社員ではないけれども、週4日は働いていて。
今日も働いてからきましたけど。
今日も働いてるんですね。
大島さん) いま結構フレキシブルにやらせてくれるので、この日お休みもらう代わりにこの日午前中働きますみたいなのとか、全然オッケーで。
なんで、音楽に結構偏りたい時期は音楽に偏らせてもらえるし、今音楽そんな忙しくないから仕事しっかりやりますみたいな時期はちゃんと働けるみたいな感じで、バランスよくやらせてもらえてるのがいい感じですね。
なるほど。いいですね。
我々11月にニューアルバムリリースしたんですよね。
Laundryというアルバムなんですけど、ちょっと1曲聴いてもらいましょうか。
***
***
お送りしたのはPenthouseで「Taxi to the Moon」でした。
これは浪岡さん、どういう曲なんですか。
浪岡さん) どういう曲。どっから話したらいいかですけど、
特徴的なのは歌詞がちょっと英語なのか日本語なのかみたいな感じ。
特にサビなんかは日本語で一応歌詞は書いてるけど、全編英語でも意味が通るようにダブルミーニングになってるのがちょっと面白いっていう感じの曲ですね。
ほんと、浪岡さんのスタイルみたいなありましたね。
浪岡さん) ショートでさ、日本語の曲を英語でカバーするみたいなのをやる中で、
元々の日本語の部分を、響きを残したまま英語にするみたいなのを、ずっとやってて。
ずっとやってたら、なんかできるかもな、みたいな。
もともとね、歌詞を0から作れるから英語にも日本語にも聞こえる部分だけでサビを作ったらおもろいんじゃないか、みたいなところから今回はありましたけど。
なんかやってきたものが1個形になったかなっていうのはありましたね。
ほんと。僕、バンドメンバーではあるんですけど、歌詞には全く携わってないんで、ほんとに 客目線としてすごいなって思うことが結構ある。
やっぱ日本語と英語ってだいぶ 違うじゃないですか。僕は歌手じゃないから細かいことはわかんないけれども、リズムも違うし、イントネーションも違う中で、なんかいろんな制約があって。
で、意味も通るようにっていう、そのダブルの制約を成り立たせるっていうのは、 なんかきっとパズルみたいなんだろうなと。
浪岡さん) いや、やっぱりそうですね。だからもうすげえうなりながら、5、6時間ぐらいかけて、サビの歌詞を考えたような思い出があるな。
やっぱ日本語はさ、絶対母音が後に付いてくる。あいうえおが子音の後に絶対つくけど、
英語はやっぱり無声音とかとかとかがあるのがやっぱり1番大きな違いで。
でも日本語も時々母音が省かれる時がある。
それさ、思ってて。海外の人が日本語を喋る時の特徴が、全部の母音を喋る。だから、そのカ行とかが続くと、うん、難しいんだよ、多分。
浪岡さん) いやでもまさにそういう日本語のバグみたいな要素を書き集めながらやったりとかしてますね。
あと、英語だと母音が重なるとこは結構多いので英語っぽいものを抜き出していって作るみたいな感じですかね。
なるほど、興味深い。
どうですか、それを歌っていて。
大島さん) 私はこの曲、結構コーラスに徹してるところもあるから、そんなにバグを感じることはないけれども、でも、この曲が出来上がってきた時に、さっき我々、東大POMPでほんとにいろんなジャンルの音楽をやってきたっていう話をしたけれども、なんかまさにそれを感じたというか。
自分がサークル時代に見てた浪岡の姿が、そのまま映し出されてる感じがした。
だから、そこにコーラスをしているっていうのがすごい自然というか、
だから、なんかそれを思い出したので、なんかライブとかやると、すごいそれを思い出して、ちょっと興奮するというか。
ただ盛り上がればいいかなみたいな気持ちでできるのが、すごい楽しい曲でありますね。
なるほど、いいっすね。
大島さん) で、まさに東大POMPでやってきた曲を詰め込みましたみたいなのが今回出たLaundryじゃないですか。
そういう意味でのLaundryなんですよね。
浪岡さん) そういうことに後々しました。
いろんなものが詰まってる洗濯機の中に。
浪岡さん) そうね。6人の個性が洗濯物のように混ざり合って、洗練されて出てきたのがこのアルバムだと。
洗練されるんだ。そっか。洗濯されてるから綺麗になって。
これはどういう風にレコーディングしてたんですか。
これでも既存曲というか、シングルで出した曲と、あとは新しくリリースする曲をとってった感じで。
レコーディングしたのから考えたらだいぶ前になりますよね。
浪岡さん) 一番前のやつで2年ぐらい前か。
大島さん) 「夏に願いを」ぐらいは角野が日本でとってた。
あれは日本で取れましたね。
大島さん) なんか結構ニューヨークでさ、レコーディングしてた曲あるよね。「Kitchen」とか。
浪岡さん) そうだね。「フライデーズハイ」と「Kitchen」一緒にとった気が。
「フライデーズハイ」と「Kitchen」は取りましたね。
あと「花束のような人生を君に」あれもニューヨークでとりました。
浪岡さん) あれか、チューニング変えるの嫌がられた時か。
いや、そう、これは苦労話なんですけど、アメリカのチューニングって基本440ヘルツなんですよね。
で、日本でレコーディングするときに我々は442でやってる。
441のところもあるけど。
だから絶対1ヘルツか2ヘルツあげなきゃいけないんです。
で、しかも、そのあと戻さなきゃいけないから、上げて戻して、それが2ヘルツになると、
結構ピアノにとっては、大きな作業かつ、負担になるというか。
それにお金もかかるし、時間もかかるし、ピアノへの負担もかかるしっていうので、なんか大変だったなっていう。
浪岡さん) 僕らというよりは、特にビクターとかがすごいお金がかかってしまったりとかはしたんですけど。
いや、でも、なんかこれからは、440なら440で取るかみたいな、ピアノ合わせて取ろうみたいな方針はたってましたけど。
しかしね、その、ライブでやるとかなった時にとか、アルバムの中で通して聞いたときに、1つだけ2ヘルツ違う。
浪岡さん) 確かにちょっと印象変わるの気持ち悪い。
暗く聞こえるみたいなのはあるだろうね。無意識で。
大島さん) 何が違うかわかんないけど、なんかちょっと雰囲気違うなみたいな風には感じるのかな。
比べるとわかりますね。
弦楽器とかが入ってくると、特に顕著で、その数ヘルツの違いによって張力が変わる。
ギターもそういうとこあんのかもしんない。
ギターもね、半分下げると大きく変わるから。
張力が上がればやっぱり音はきらびやかになる傾向があるから、そういうのはありますね。で、でも、変えなくていいんじゃないですか。
頑張って日本で取りましょうよ。
浪岡さん) いやいや、それこっちのセリフなんだ。
忙しいからね。
そんな感じで、ちょっとそろそろお時間になってしまったんですが、全然まだまだ話し足りないので、来週も浪岡さん、大島さんに登場いただきます。
来週もよろしくお願いします。お願いお願いします。



