ARTS COUNCIL TOKYO
CULTURE COLLAGE

Podcast ART

東京に集うカルチャーをコラージュしていく10分間。
アーツカウンシル東京のプログラムの中から、ピックアップしたトピックをお届けします。

2025.11.30
「アール・ブリュット2025巡回展 既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」

11月30日の放送では、東京都渋谷公園通りギャラリーで開催中の展覧会
「アール・ブリュット2025巡回展 既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」をピックアップ。
学芸員の河原功也さんにお話を伺いました。

「ブリコラージュ」とは、「コラージュ」という言葉が入っている通り、組み合わせるという意味もありますが、より身の回りにあるもの、使われなくなったものを即興的に組み合わせて作っていくものづくりの考え方や文化、思想のことです。

今回の展覧会では「ブリコラージュ」をテーマに6人のアーティストを紹介しています。
まず、会場に入っていちばん最初に目に飛び込んでくる作品が、「広告のチラシ」を使った嶋暎子さんの作品です。
嶋さんは日々、広告のチラシを色や素材別に仕分けしてためていき、それらを版下の作成に従事していた経験で得られた紙を切る技術でカットして絵の具のように使用された作品とのこと。

別の部屋には、「割り箸」を使った武田拓さんの作品が展示されています。
武田さんが普段お仕事されている福祉施設では、使い古した廃棄される箸を集めて、牛乳パックに詰めて薪の代わりにするという再利用をされているそう。
そこで生まれる牛乳パックに箸を詰める作業から発展して、絶妙なバランスで牛乳パックから箸が溢れても積み上げていき、約2か月かけて最大2メートルを超える作品全8点が完成したとのこと。

今回の展覧会は「既知との遭遇」ということで、河原さんは、知っているものの可能性を各作家の作品や作り方から感じてもらって、帰った時に自分も何かやってみようという気持ちになってもらえたら嬉しいなと思っています。とおっしゃいます。

「アール・ブリュット2025巡回展 既知との遭遇 
自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」は
東京都渋谷公園通りギャラリーで12月21日まで開催しています。
ちなみに、月曜日は休館日です。

渋谷のあとは、2026年1月15日から羽村市へ、1月31日から板橋区へ巡回します。
3会場ともに瀬戸康史さんの音声ガイドも無料で楽しめます。
詳しくは公式サイトをご確認ください。

BACK NUMBER