LEXUS STORY OF "CRAFTED"

考え抜き、作り込む―ものづくりへの情熱で“未来”を描く人々の物語。

2017.11.05
生き物をモチーフにした作品で注目される<現代美術家・AKI INOMATA>


本日は、生き物をモチーフにした斬新な作品で
世界から注目を集めている現代美術家のAKI INOMATAさんにお越しいただきました。

▼どんな作品?
透明の3Dプリンターで作った「やど」を背負ったやどかりの
『やどかりに「やど」をわたしてみる』シリーズ。
各国の街並みをイメージしたやどを渡し、
やどかりたちにお引越ししてもらっています。

▼どんなことからこの発想が生まれた?
フランス大使館の展覧会に携わっていた頃、
フランス大使館の土地がフランス領だったのですが、
日本領に変わると聞いて、おもしろいなと思いました。
50年経ったらもう一度フランスに戻る…
土地の国が変わっていることにとても驚いてしまったことが
今回の発想がひらめいたきっかけです。
はじめはパリと東京のやどを作ってやどを引っ越しさせ、
大使館の状況を演じさせてみようと思いました。

▼やどかりの「やど」
貝は中が複雑な構造になっており、手作業で作るには難しい為、
3Dプリンターで貝をスキャンし、そのデータを元に再現しています。
どんな形のやどでも引っ越してもらえるのかと思っていたのですが、
意外と入ってもらえないんですね…。
元々のやどに満足している子には、中々新しいやどは気に入ってもらえません。
逆に、穴があいてしまったやどを使っているような、
次のやどを探している子たちは、気に入って使ってくれることがあります。

▼作品を見てくれた方へ
海外に移住したことがあるかたは、自分と重ねることもできるかと思います。
物理的に移動するだけでなく、結婚して苗字が変わることや国籍が変わることなど、
自分が背負っているものや背負いたいもの、アイデンティティの話などを
自分から掘り起こすきっかけになってくれればいいなと思います。

▼こだわりは?
東京生まれ東京育ちなので、私にとっては自然が遠い存在。
遠いからこそ、自然や生き物に興味が惹かれてしまいます。
ネット越しのコミュニティーが多くなってしまうと
リアルではなく仮想空間に生きている時間が長くなってしまい、
生きている実感が湧かないので、その意識を変えていきたいと考えました。

▼お知らせ
シカゴで開催されているグループ展「Exhibit: Coming of Age」に出品。
11月19日まで開催中!
AKI INOMATA Official Site

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