WORLD CONNECTION
世界の今と繋がろう。
5月3日の放送では、
動物園・水族館コンサルタントの田井基文さんをお迎えし、
動物園・水族館のコンサルタントの仕事内容や、
田井さんが今注目している、世界の動物園を伺いました。
小川:さて、この大型連休中、動物園や水族館に出かける方も多いのではないでしょうか。
今日は少し視点を世界に広げて、「今、世界の動物園はどうなっているのか」というテーマで
お届けしたいと思います。
動物写真家であり、動物園・水族館の専門誌『どうぶつのくに』編集長も務めていらっしゃいます、
動物園水族館コンサルタントの田井基文さんをお迎えしました。よろしくお願いいたします。
田井:よろしくお願いいたします。田井でございます。
小川:田井さんすごいんですよ。世界中で1,000を超える動物園を訪れてきたということですが、実際どれくらいなんですか?
田井:そうですね、だいたい1,200くらいでしょうか。
小川:すごいですね。それ、年間どれくらい行かれるんですか?
田井:一度訪れた場所に何度も行くこともありますので、それを含めると、年間の日数で言えば半分くらいは動物園か水族館にいる計算になりますね。
小川:もう動物園で暮らしているような勢いですね。最近はどちらに行かれたんですか?
田井:直近ですと台湾にしばらく滞在していました。
小川:それはどんな目的で?
田井:台湾は日本から非常に近い海外ですが、日本の動物や人間を含めた生き物のルーツを探るという意味で訪れました。南方から人とともに動物が渡ってきた歴史のヒントを探る旅でした。
小川:もう研究の領域ですね。そもそも「動物園水族館コンサルタント」という肩書き、初めて聞いたのですが、どんなお仕事なんですか?
田井:動物園や水族館を新しく作りたい、あるいはリニューアルしたいという際に、部分的または全面的にサポートする仕事です。たとえば「この水槽だけ新しくしたい」「ゾウの展示を改善したい」といった要望に対して、生物学的な観点だけでなく、文化や歴史なども含めて提案を行います。
小川:動物だけでなく、その土地の文化や歴史まで関わるんですね。
田井:そうですね。同じゾウでも、東京、台北、シンガポール、ベルリン、メキシコ、ロンドンで同じ飼い方が最適とは限りません。気候や環境が異なりますから。
小川:海外ではこうしたコンサルタントは一般的なんですか?
田井:「一般的」とまでは言いませんが、展示や施設づくりのコンサルタントは海外の方が活発ですね。
小川:日本ではあまりないんですか?
田井:少ないですね。日本の動物園は自治体運営が多く、税金を使う以上、外部コンサルタントを入れる前例が少ないことが理由の一つです。
小川:では、田井さんはどうやってこの仕事に?
田井:もともとはジャーナリストとして取材をしていたのですが、ベルリン動物園の園長だったランゲ博士との出会いがきっかけです。彼はヨーロッパやアメリカの案件に強く、私はアジアに強かったため、お互いの知見を組み合わせて仕事をするようになりました。
小川:そこから世界に広がったんですね。
田井:その通りです。
小川:お仕事で大切にしていることは?
田井:生物学的な知識はもちろんですが、それだけでなく、その土地の文化や歴史、アートなども含めて考えることです。たとえばピカソゆかりの土地であれば、その要素を展示に活かすことも考えます。
小川:動物園は文化施設でもあるんですね。
田井:そう思っています。教育や保全などの役割もありますが、時代によってその比重は変わるべきです。
小川:最近は動物愛護や環境保護も重視されていますよね。
田井:はい。展示方法も進化しており、鉄格子ではなくガラスやオープン展示など、自然環境に近づける工夫が進んでいます。
小川:おすすめの動物園を教えてください。
田井:ベルギーの「ペリダイザ」です。現在約80ヘクタールと非常に広く、ここ数年で急速に拡張し、展示も進化し続けています。
小川:続いては?
田井:ドイツのベルリン動物園です。第二次世界大戦を乗り越えた歴史ある動物園で、時代ごとの展示が今も残っています。
小川:水族館はいかがですか?
田井:スペイン・バレンシアの水族館です。建築として非常に美しく、街のランドマークになっています。
小川:連休中、首都圏で見られる珍しい動物は?
田井:上野動物園のアイアイがおすすめです。小獣館の夜行性展示で見ることができます。
小川:水族館は?
田井:品川のアクアパークにいるノコギリエイですね。ノコギリザメとの違いも観察できます。
小川:最後に今後の予定を教えてください。
田井:今年の夏に新しい本を出版予定です。
小川:楽しみにしています。本日はありがとうございました。
田井:ありがとうございました。

