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7月6日の放送では、自然な夜空を守るために 「星空保護区認定制度」を運営する、ダークスカイ・インターナショナルの活動に注目!
ダークスカイ・ジャパン、東洋大学の越智信彰さんにお話を伺いました。
Q. 「ダークスカイジャパン」とは、どんな団体なのでしょうか?
私たちは、アメリカ発の環境NPO「ダークスカイ・インターナショナル(1988年設立)」の日本支部として、2013年に活動を始めました。
目的は「光害」という問題に取り組むことです。
Q. 「光害」、あまり聞き慣れない言葉ですが、どういう意味ですか?
簡単に言えば、過剰または不適切な人工照明が自然や人の生活に悪影響を与えることです。
大きく分けて以下の4つの影響があります。
生態系への影響
人間の健康・生活への影響
エネルギーの浪費
星空観察への影響
例えば昆虫は光に引き寄せられますし、夜行性動物は光を避ける傾向があります。これが生態系のバランスを崩す原因になっているんです。
Q. その「光害」から星空を守るための制度が「星空保護区」なんですね?
そうです。正式には「ダークスカイプレイス・プログラム」といって、光害対策が徹底され、美しい星空が保たれている地域に、国際的な認定を与える制度です。
現在、世界で約240カ所が認定されています。
認定の条件は厳格で、以下のような取り組みが必要です。
・屋外照明を「光害対策型」に変更(上方向に光を漏らさない・電球色使用)
・地域住民への啓発活動
・継続的な夜空の明るさの測定
単に星空がきれいなだけでなく、人が暮らす中でも星空を守る努力がされていることが重要なんです。
Q. 日本の星空保護区はどこにありますか?
これまで4か所。
?沖縄県石垣市と竹富町にまたがる「西表石垣国立公園」、
?東京都伊豆諸島の「神津島」、
?岡山県井原市の「美星町」(美しい星の町)、
?福井県大野市の「南六呂師区」です。
Q. 神津島は都心からも行きやすいですよね?
調布空港から飛行機で45分、竹芝から船でも行けます。
集落の街灯もすべて「光害対策型」に交換されており、坂を上った「よたね広場」から見る星空は絶景です。
Q. 星空保護区のメリットとはどんなものがあるんでしょうか?
大きく2つあります。
観光促進・地域活性化
→ 星空ツーリズムは宿泊を伴い、経済効果が大きい。
地域の誇りの醸成
→ 地元の自然環境を「守るべき資源」として再認識できます。
Q. 最後に、ダークスカイ・ジャパンからお知らせなどがあればお願いします。
どなたでも簡単に、星空を眺めて光害の調査に参加できる、GLOBE at Nightという世界的なキャンペーンがあります。毎月設定されている調査期間に、家の前でも、近くの公園でも、夜空を眺めて、星の見え方をインターネットから報告してもらう、というもので、
サイトを開いてもらうと、8枚の星図が用意されていて、ほんのわずかな星しか描かれていない0番の星図から、満天の星が描かれている7番の星図、その中から自分が見た星空に一番近いものを選んでもらいます。
結果を送信すると、世界地図上に一つ、結果に応じた色で、点が打たれ、世界中から年間2万件くらい報告が集まって、世界地図上に点が打たれていくので、世界の中でどこが光害が深刻か、どこに満天の星空が残されているか、が浮かび上がるものになっています。
ぜひGlobe at Nightと検索してみてください。

