WORLD CONNECTION
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12月1日の放送では、
急速な経済成長を遂げている小国、ガイアナ共同共和国に注目しました。
ガイアナは南米大陸北東部のカリブ海に面する小国。
人口は、山梨県と同じくらいの80万人程度。
南米では、ボリビアに次ぐ最貧国と言われていましたが・・・
そんな中IMFによると、経済成長率が2020年は43.5%、
さらに、2022年には、63.4%と急成長を遂げています。
一体、ガイアナに何が起こったのか!?
お話を伺ったのは、ガイアナに関する執筆もされている
福岡大学人文学部 講師 鈴木美香さんです。
Q.鈴木さんはなぜガイアナに詳しいのでしょうか?
→私は日本政府のお仕事の関係でガイアナを担当していたことがありまして。
2010年の10月から2016年の12月までの約6年間、
ガイアナの隣にあるトリダードトバゴの日本大使館で
ガイアナを含めた10カ国を担当し、
政治や外交、社会情勢に関する調査をしておりました。
Q. 改めて、ガイアナ協同共和国はどんな国なのでしょうか?
南米の北東部にある人口80万人の小さな国です。
面積は日本の約6割ぐらいですね。
スペイン語圏のベネゼエラ、ポルトガル語圏のブラジル、
そしてオランダ語圏のスリナムの3つと国境を接しています。
ただ、ガイアナ自体は元イギリス領のため、英語を話しています。
Q. 2015年に訪れた時は最貧国とも言われていたみたいですが、どんな風景でしたか。
私は3回ガイアナに行ったことあるんですけれども、
首都のジョージタウン中心に行ったんですが、首都とは思えないぐらいすごく素朴で。
東南アジアの田舎みたいな感じで、ここが首都なんですかとすごくびっくりしたのを覚えてます。
街中に用水路が張り巡らされているんですけども、ゴミがいっぱい溜まっていて、
大雨が降ったらそれが溢れ出してしまうような光景が想像できました。
首都から少し離れただけで、もう田園風景が広がっていて、牛が歩いていたりとか、道路が整備されてなかったりとか、もう本当に田舎っていう感じでした。
Q. そこから今跳ね上がるように急成長を遂げているということで、これ、一体なぜなんですか。
2015年にガイアナの沖合いに大規模油田が見つかったのが大きいです。
2019年には石油の生産が始まり、20年には輸出も始まり、
それで急成長している状態です。
Q. 石油が出てくるようになって、国はどんな風に変わっていきましたか。
首都近郊でインフラが急速に整備されているっていうのがあると思います。
私が最後に訪れた時と、多分、首都の周りの景色っていうのが随分変わってるかと思います。
あとは、1人あたりのGDPが急速に増えてまして、2027年にはもう日本の水準に達するかもしれないっていう予測が出てます。
Q. 周辺国との関係は変わりましたか。
影響を受けたのはガイアナの隣にあるベネズエラですね。
ベネズエラとは実は昔の植民地時代に遡る領土問題を抱えてまして、
未だにその争いが続いています。
ガイアナの3分の2にあたるところが係争地になってまして、
2015年に石油が見つかった時に、ベネズエラがその領土問題を蒸し返してきたという状況になってます。
昨年は緊張が高まりまして、他の国を巻き込んで大きな事件になりました。
Q. 国内では混乱は起きませんでしたか?
やはりその石油で得た富がきちっと分配されるかっていうのは気にされてると思います。
ガイアナにはインド系とアフリカ系の2大集団があるんですけども、
どちらもイギリス時代の植民地のところから連れてこられた人たちなんですが、
その2大集団の対立がすごく激しいので、
そこがうまく分配されないと、民族的な緊張が高まる可能性はあるかと思います。
Q. インフラが整えられてるとかは、現地の人にとったらすごくいいことなんですかね。
そうですね。特に首都近郊っていうのはビジネスが出て出てきてるので、
そういう意味では雇用が生まれて、 都民所得は上がってるって意味では、住みやすくはなってると思うんですけども、内陸の場合、未開発地域が多くて、
先住民が多く住んでるところとか、電気とか水とか通ってないところもありますので、
そこもきちっと整備していかないと、やっぱり格差っていうのは広がっていってしまうのかなと思います。
Q. ちなみに、日本とガイアナの国交はどんな状況ですか?
ガイアナと日本は1966年に外交関係を樹立しまして、もうすぐ60周年を迎えます。
日本はこれまで防災や環境を中心に開発協力を行ってきています。
Q. 先住民の方々もたくさんいらっしゃるということで、
インフラをどう進めていくか、慎重な部分も必要なのかなと思うんですけれども、
鈴木さん、2015年にガイアナに行かれたということで、
その時と今と踏まえて、どんなふうに感じていらっしゃいますか。
私がガイアナを仕事で担当してた時は、ガイアナは中南米では貧しい国の1つっていう意識があったので、 それと全然違う風景になってるんだろうなっていうのは予測できます。
ただ、それに伴って社会的な歪みの懸念もあるので、 そこの国内の対立とかが深まっていかないかなっていうのは心配な面ではありますね。
あと、環境問題との折り合い、どうやって折り合いつけるのかとか、そういった部分も心配ではありますね。

