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『パレスチナの母子手帳が命のパスポートと言われる理由』(お話:国際協力機構 国際協力専門員 萩原明子さん)

私たちはJICAのプロジェクトとして、2008年にパレスチナで世界で初めてのオリジナルのアラビア語版の母子手帳を作成しました。
パレスチナの政府との協力、国連機関との協力で作ったもの。日本と同じような母子手帳なんですが使われ方が若干違います。
というのもパレスチナは紛争や貧困が非常に厳しくて女性や子供が深刻な被害を受けている。
例えば分離壁があったりとか、移動制限があったりとか、いつも行けている母子保健センターに行けなくなることもあります。
病院が見えていても分離壁があって、向こうに行かれないということもあります。
そういった道が閉ざされていても母子手帳を持参していれば別の医療機関で適切な医療を受けることができる。
そして、妊娠や出産の記録がすべて書いているので処置が遅れたり必要のない検査を受けることがなくて、
子供の予防接種や成長の記録もすべて1冊にまとめられています。また、医療機関を受診するのが難しいので、
家庭でお子さんがこういう状態になった時にこういう処置をしましょうということも書かれています。
あとは、母子手帳には、お子さんたちの気持ち、思いを書ける。今、自分たちは大変な生活を送っているけれども、
将来子供たちが大人になった時は平和で安定した社会になってほしいという気持ちが込められていて、
両親とも子供を大切に育てて、将来の 平和を望む、そういった母子手帳となって命のパスポートと言われています。