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STORY

2019.05.25

ジャーナリストの津田大介さん

++ Introduction ++

ジャーナリストの津田大介さんが芸術監督を務める「あいちトリエンナーレ」。
もともと2005年に
「愛・地球博」が大成功して文化イベントを盛り上げていきたい
という当時の愛知県知事の意向により2010年にスタートし、
以降、3年に一回開催されている国内最大級のアートフェスティバルです。
他の芸術祭と異なる最大の特徴は万博がベースになっているので美術だけでなく、
演劇、音楽、ダンスといった、
いろいろな芸術と複合的に構成されている点とのこと。

美術以外のジャンルからディレクターを選出し、美術業界の外から
刺激を与えているところも「あいちトリエンナーレ」の特徴となっていますが、
「あいちトリエンナーレ2019」の
芸術監督に就任した経緯について津田さんは・・・

『過去の芸術監督と芸術祭のアカデミシャンの方とか7人くらいの有識者による
選任会議があって、次の監督は誰々にしようというのを話し合って決められます。
僕のとろには愛知県の職員の方からいきなりメールが来て・・・
“貴方は「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督に選ばれました”と。
選ばれたのか〜という感じで引き受けることにしました』。

芸術監督に就任しての最初の作業がコンセプトとテーマ決めということで、
津田さんはいろいろ考えた上で今回のテーマを「情の時代」としました。

『僕が選ばれたのは2017年で、当時は世界中が混乱していたと思うんです。
イギリスはEU離脱の通告、アメリカではまさかのトランプ大統領の誕生もあって
国内外のいろいろなニュースを見ていて皆んなが感情的になっていないかと。
ロジカルな説得よりも感情的な訴えかけのほうが力を持っている状況があって、
“感情の時代”だと思ったんですね。よくよく考えてみると我々は
テレビのニュースやネットの情報を見て感情的にさせられている・・・
感情にも情報にも“情”という漢字が含まれていると思って語源を調べたところ、
“情”には心の動きという感情みたいな意味の他に実は本当のこと、真実の姿という
意味があったんですね。もうひとつ訓読みで“情け”と読みますよね。
こういう3つの意味があるとアーティストも広い意味で“情”をテーマに
いろいろな作品を作れると思って「情の時代」というテーマにしました』。

「あいちトリエンナーレ2019」では「ジェンダー平等」を掲げ、
参加アーティストの男女を同数にしました。

『僕自身、「情の時代」を考える上で差別の問題は自分の中でテーマとしてあって、
気付くとジェンダーの問題を取り上げている女性作家が多くて・・・
参加アーティストを選んでいたら男性6割、女性4割くらいの割合になっていて、
“もしかして女性作家の人数が多くないですか?”とキュレーターに聞いたところ
“とても多いです”という反応でした。
そこで過去の芸術祭の作家やニューヨークなどの有名美術館の収蔵作品の男女比を
調べたところ男性が多いんですよね。でも美大生は7〜8割が女性だし、
芸術祭に来るお客さんも7〜8割は女性で学芸員も7割近くが女性だし・・・
女性がこんなに多いのに選ばれる立場の作家は男性ばかり。
ジャーナリストの僕には選ぶ側が男性に偏っていることのバイアスが美術業界を
歪めている部分があると見えたので、
それに対して何らかの問題提起ができないかと
思って“男女比5:5になりました。日本初です”と打ち出したら話題にもなるし
いいだろうと思って発表したら想定以上の話題になったというのが今ですね。
いい意味で男性作家も女性作家も遣り甲斐を感じてくれていると思います』。



++ Until now ++

凡庸で目立つことは無い少年だったという津田さんですが・・・

『板橋にある北園高校に入学して、そこは校則や制服など一切無く本当に自由で
楽しくてかなり開放されたので、今の自分を形作っているのはまさにその学校です。
部活を探している時に女子の先輩4〜5人に囲まれて“新聞部に入ってくれ”と、
“誰も入ってくれないからこのままだと廃部になってしまう”と懇願されて
友だちと二人で入部して僕が部長、友だちが副部長になりました。

自分でネタを決めて取材して原稿を書いて校正してという
全てのプロセスをできたし、
僕らの頃はベビーブームで学生も多くて一学年400人くらいいたので
新聞を作ったら3学年で1200人の読者がいるわけですよ。
自分の好きな記事を作っていたし、その反応も面白くて・・・
将来、こういうメディアの仕事に就きたいと思ったのが高校1〜2年のころです』。

++ Right now ++

オンとオフの区別はなく24時間仕事のことを考えているという津田さんは
疲れて気分を切り替えたい時はサウナに行くとのことですが、
10年以上から通っているので、
昨今のサウナーブームに乗った訳ではないとのこと。

『取材で地方や海外に行くことがありますが
東京にいない時は時間の流れが違うので、
仕事であってもそれは気分転換になりますね。
ここ2年くらいは愛知に行く機会も多いので名古屋に詳しくなるかなと思ったら、
全然そんなことは無くて駅から会場がある愛知県美術館から栄に行って、
あとは円頓寺商店街というもう一つの会場があるんですけど・・・
基本はその3ヶ所くらいだけで名古屋のいろいろな所に行ったりしないんですよね。
名古屋は面白いところなのでもう少し知りたいなとは思いますけどね』。

現在、週1〜2回ペースで愛知に通って準備を進めているアートフェスティバル、
「あいちトリエンナーレ2019」のこだわりポイントについて津田さんは・・・

『前回の「あいちトリエンナーレ」からお子さん連れが増えたんですよ。
そこで、「アートプレイグラウンド」という子供たちが自分たちでアートを作って
楽しめる無料のスペースが名古屋と豊田の会場にあります。
今回は託児サービスも充実させるので子供を預けてアートも楽しめるように
充実させますからお子さん連れ方ほどぜひ来てください』。



++ From now on ++

『日本はジェンダーギャップ指数が世界110位と
非常に遅れている状況もありますし、
身近に隠れた一番の差別が男女差別であって、
経済合理性という点でも男女不平等は解消したほうが良くて。
例えば、出産を機に働いていたキャリアが途絶えてしまって復帰できないといった、
そういう女性が働けるようになるとGDPが何千兆円も増加するというデータや
経営層で女性の取締役が多い企業はリーマンショックがあった後、
そこからの回復の速度が明確に早いというデータがあったりして・・・
経営層のダイバーシティみたいなものが凄く重要だというデータもあります。
女性がどのように社会進出して意思決定する場を増やしていくかといった
重要性みたいなものじゃないでしょうか。まず一番格差になっている男女の問題で
女性がエンパワーメントすることが未来を作っていくこと。
要するに女性の未来=日本の未来=世界の未来だと思います』。

津田さんの今後の夢、将来像とは?

『自分はジャーナリストなので本業のチャレンジをやりたいという感じはあります。
ネットの時代に対応したジャーナリズムはどういうことがあり得るのかと、
インディペンデントな活動をやって行きたいと思いますし結果も出したいです。
あとは40代半ばくらいまで適当に生きてきたが故に
自分の能力不足も感じているので、
改めてきっちり勉強し直す機会を欲しいなとも思っていて・・・
40代の内に海外に1〜2年行って
勉強したりということもやりたいなと思っています』。

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