++ Introduction ++

2021年3月に完結したエヴァ・シリーズ！
『新世紀エヴァンゲリオン』最初のテレビ放送から来年で30年。
主題歌「残酷な天使のテーゼ」を歌い続けてきた高橋洋子さんは
改めて振り返り、まさか30年もこの楽曲を歌い続けられるとは
思ってもいなかったとお話ししてくださいました。

これまで幾度となく、社会現象の波を起こしてきたエヴァンゲリオン。
そんなエヴァを高橋さん自身も好きで、
何度も最終回の手前で
もう一度最初から見直すということをされているとのこと。

そんな高橋さんの代表曲「残酷な天使のテーゼ」は
全国のカラオケの定番曲にもなっているほど、誰もが知る名曲です。
しかし、歌の難易度も高い曲であり
高橋さんも毎回、歌唱する時には
音程や、滑舌、当時の印象のままに、と考えながら
緊張感を持って歌われているそう。

中でも「当時の印象のまま歌う」というのは
特に気をつけて歌われているとのこと。

『アニソンってアニメがあるから、そこについているソングじゃないですか。
だから歌手のアイデンティティはいらないわけですよね。
アニメがメインなわけですから、
私自身がそのイメージを壊すようなことはできないかなと思っています。』

30年歌い続けてきた高橋さん。
その裏側には、当時の印象を残すため
昔よりも今の方が練習を重ねているそう。

『やっぱり声も歳をとるし、だから今は当時の歌の真似をしています。
声は歳をとっていますけど、
なるべくそのイメージを崩さないように歌うっていうのは心がけていますね。』



++ Until now ++

小学二年生から高校二年生まで、
少年少女合唱団に入団されていた高橋さん。
ですが、歌うことは好きでも、
次第に人前で歌うことが苦手だったそう。

その後、オーディションでベストヴォーカル賞を受賞し、
そのオーディションきっかけで、レコード会社の方から声がかかり
久保田利伸さんのバックコーラスとして、歌の世界に。
それから松任谷由実さんのコーラスもされたりと活動を続け、
25歳の時に、急遽、
譜面の読める歌手を探しているレコード会社にスカウトされデビュー。

デビューから4年後にエヴァンゲリオンの主題歌を担当。
しかし、その後、芸能界を一度引退されました。

『芸能界って、その人が少しでも綺麗に見えるように
上底してもらっている世界だと思うんですよ。
その時は、売れているわけではないのに、皆さんに上底していただき、
歌手として生活をしていたのですが、
子どもが生まれ、
「私はこのままぬくぬくと甘えて生きていても良いのだろうか？
もしかしたら、私は人としてダメになるのではないか？」と考えるように。
子供には自分がきちっと生きている後ろ姿を見せたいと思い、
事務所にお話しして全部やめて・・・』

歌手活動を辞めたものの、
これまで一度も就職をしていた経験がないため
年齢などから仕事を探すもなかなかみつからず、
そこから勉強し介護の資格を取得。
介護職員になり、非常勤でデイサービスをされていました。

介護職員になられてからも、
施設で音楽療法として、皆さんと一緒に歌っていたり、
同時に、歌手活動時代にお世話になっていた方から
「このイベントに、どうしても出てほしい！」など
いくつかお誘いいただいて歌手としても出演はされていたとのこと。

そんな時にふと夜空を見て、考えたそう。

『夜空に星がいっぱい出ていて、それをぼーっと見ていたら
こんなにたくさん星があって、その星よりも小さい私は
「あれがどうだ」「生き様が・・・」とか言っているんだと思ったら
馬鹿馬鹿しくなっちゃって、
もっと感謝して、お仕事いただけるんだったら
私の歌が聞きたいという人が1人でもいたら
感謝して、走って飛んでいって、歌えばいいと思って
退職願を出して、戻ってきたという感じですね。』

++ Right now ++

健康オタクの高橋洋子さんは
鼻うがいやヨガなどをルーティンのとして
規則正しい生活を心がけているそうです。

そんな高橋さんが最近ハマっていることは、アイアンガーヨガ。
体の補助として、ブロックやベルトなど、モノを使うヨガなんだとか。

そんなヨガをすることで、歌にも良い影響が出ているそうです。

『呼吸が深くなる。それから長くなる。体がほぐれる。
それから自分の足のどこで立っているのか、かかとはちゃんと踏めているのか。
そういうのがちゃんとしてないと、
長時間立って歌うのは意外と難しいんですよ。
だから普段から立ち方とか、ヨガのスキルを身につけておくと
いざという時に、転びそうになった時に転ばないとかね。』



++ From now on ++

コロナ禍で止まってしまっていた海外ツアーを再開された高橋さん。
現在も世界各地を回っているとのこと。

現在、世界中で愛されるエヴァンゲリオン。
そしてその主題歌の「残酷な天使のテーゼ」も
海外の方に大人気の曲。

『アニソンは国境を越える最強のパスポートだと思っていまして。
だからどこにでもアニソンを歌うことによって
違う国に行かせてもらえているので、すごく幸せな仕事だなと思います。』

そして最後に、これからの高橋さんの活動を通して
伝えていきたい思いを伺いました。

『エヴァンゲリオンという作品と出会えたことで
一つの世界観を与えていただけたというのがあって
それは天からのギフトだと思っているんですね。
まだ行ったことがない国がたくさんありますし、
それからこれからエヴァンゲリオンを見ようと思っている人も
たくさんいらっしゃると思うので
その届いていない人や場所に、もっとアクセスしていきたいなと思います。』