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STORY

2024.02.24

ヴァイオリニスト/作曲家の川井郁子さん

++ Introduction ++

昨年から
『川井郁子with Orchestra 響 NY公演凱旋記念コンサート』
ツアーを開催中。
こちらは和楽器のアンサンブルと、
シンフォニックオーケストラが合体したオーケストラで演奏。
ヴァイオリンと対峙する、
篠笛・能管、尺八、琵琶、篳篥、笙、箏、鼓、和太鼓といった
和楽器がそれぞれ主役となるようなアレンジになっているそう。

以前から和楽器を取り入れた楽曲を手がけられていた川井郁子さん。
和楽器のどういうところに惹かれるのか・・・

『自分で曲を書いているときに
「ここのサビのメロディは絶対に尺八がいいな」とか
「このリズムには絶対に和太鼓が欲しいな」とか
そういう自然に浮かぶんです。
洋楽器の特性と真逆なところが組み合わさると
グンっと世界が広がるというか、宇宙感が出る。
そういうところが惹かれるところですかね。』

和楽器と西洋楽器では
もちろん楽譜も音程もリズムも違うというところで
以前は合わせるのが大変だったそうですが
今の和楽器奏者は
小さい頃からいろんな音楽に触れ育ってきたため
そういった音の距離感がなく、
以前よりも大変さはなかったとのこと。

今回のコンサートでは和楽器と西洋楽器の組み合わせ以外にも
ホログラムやマッピングなどの
最新技術と融合したパフォーマンスも注目です。

『言葉のない音楽をやっているので
映像によって見る人に、いろんな世界に入っていただける。
いろんな人が映像の中で踊ったり演じたりするのですが
そこに本当にいると思っちゃうくらい立体的な演出になりますね。』



++ Until now ++

川井さんがヴァイオリンと出会ったのは6歳の頃。
ラジオを聴いてヴァイオリンの存在を知り
親御さんに頼んだのが始まりだったそう。
しかし気まぐれで言っていると思い
さらにご実家が地方ということもあり
ヴァイオリンを手に入れる手段がわからなかったため
最初はお父様から反対されたそう。

ですが半年間、粘り続けた結果
クリスマスの日にサプライズでヴァイオリンを買ってきてくれたそう。
そこから満を持してヴァイオリンを習い始めました。

最初に教えてくれた先生が
趣味でヴァイオリン教室をされていた方で、
先生の素敵な洋館のお宅へ行き
教えていただいていたそう。
毎回、素敵な食器でおやつを頂いたり
「あなたはウチのホープだわ」と褒めてくれたりと
そこへ行く時間がときめきだったとのこと。
そうして褒めてもらったこともあり
小学校3年生まで自分のヴァイオリンの腕に自信があり
将来はプロのヴァイオリニストになると思っていたそう。

そういった中、小学校4年生の時に、
プロの先生が地元に帰って来たことをきっかけに
その方に教えてもらうべくお宅へ伺ったところ
「あなたがいつウチに来るかと思っていたわ。
今から必死でやり直さないと東京藝大に間に合いません」と言われたそう。
そこから1からまたヴァイオリンを指導していただき
しばらくは曲も弾かせてもらえなく、めげそうになったそう。

そうした厳しい練習を経て東京藝術大学に入学。
しかしいざ入学すると
川井さんのモチベーションが下がってしまったそう。

『それまでは見えないハードルに向かって頑張っていたけど
入ってみると、なんかこんなもんなんだなという・・・
どんぐりの背比べに見えちゃって、ちょっと虚しくなったんですよね。』

それまではヴァイオリン協奏曲などたくさん演奏されている中で
自分が演奏する社会的な意味は
どれくらいあるんだろうという思いに・・・
そういった中、目標を見つけ直せたきっかけは
タンゴなどのアルゼンチンの伝統音楽と
クラシックを融合させた
アストル・ピアソラの音楽に出会ったこと。

『だけどピアソラの音楽を聴いて
いろんなジャンルを吸収して、
自分のジャンルを作るっていうのが
一番カッコいいなと思ったんですよね。
音楽にも感動したし、
これまでには全くなかった音楽に革命を落としたっていうのが
ものすごく強烈に伝わって
この道を私も目指したいなっていうのが最初の夢というか』

++ Right now ++

オフの日は娘さんとゆっくりと過ごされているようで
K-POPを一緒に聴いたりしているそうです。
そんな娘さんは川井さんのコンサートの演出も手伝っているとか。

川井さんのInstagramには愛犬のトイプードルのお写真も
アップされております。

『曲によって、遠吠えみたいに一緒に歌うんですよ。
激しい曲とか、情熱的な曲を弾くと始まりますね(笑)
練習でパガニーニとかジプシー音楽とか弾いていると
遠吠えが止まらないです。』



++ From now on ++

今後、予定されているコンサートは・・・
「川井郁子 with オーケストラ響 NY公演凱旋記念ツアー」
3/2(土)茨城・水戸市民会館
3/9(土)福岡・キャナルシティ劇場
5/19(日)新潟・新潟県民会館
最新技術による映像とのコラボレーションをぜひご覧ください。

さらに3/22(金)大阪ザ・シンフォニーホールでは
「シンフォニックコンサート2024 Passion in Blue 〜情熱のヴァイオリン〜」
川井さんの人生のターニングポイントとなったピアソラから
ジプシー音楽やシャンソン、スパニッシュなど
情熱的な曲たちが盛り沢山なコンサートとなっているそう。

そして6/15(土)紀尾井ホールで映画音楽を集めたコンサート
 「川井郁子〜シネマ・ファンタジーVol.5〜」を開催。
1曲を2分くらいの尺にして演奏するので
たくさんの映画音楽を堪能できるとのこと!

川井さんが今後、やってみたい活動についても伺いました。

『若手のアーティストをプロデュースしてみたいなと思っています。
自分も自分の持ち味っていうか、
今やっているようなことに気づくのに、すごく時間がかかったわけですけど
やっぱり若手の奏者を見ていると
「こういうこととコラボしたら、きっと良いところ引き出せるんだろうな」
とか時々思うことがあって
ちょっとそういうことを提案してやってみたりしたいなと思って。』

そして最後に川井さんが
今後の活動の中で伝えていきたいメッセージを伺いました。

『今に行き着いているのは
越境することで見つけてきた手段だと思っているんですよね。
和楽器と洋楽器だったり、映像と音楽だったり。
そういう異ジャンル、異文化。
それは音楽だけではなくて
色んな文化で越境することで起きる化学反応というか
新しい感動みたいなものを感じていただいて
これからの人にも、いろいろ実験してもらいたいなというのがあります。』

ON AIR LIST

  • BITTER SWEET LOVE / JAMES ARTHUR
  • インスティンクト ラプソディ / 川井郁子/オーケストラ響
  • THE WAY WE WERE / BARBRA STREISAND
  • WHEREVER I GO / JACOB COLLIER FEAT.LAWRENCE/MICHAEL MCDONALD

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