++ Introduction ++

動物から食べ物、キャラクターなど多彩な刺繍を施す
刺繍作家の小菅くみさん。

『自分で欲しいものが、自分で作れて
「これがあったらいいな」っていうものを自分で作れるから。
それはすごく楽しいです。』

普段の生活の中で、「こういうのが欲しいな」とか
「食べたいな」という食べ物や、
友達との会話の中で出てきた面白い映画の話題などを
アイディアとして刺繍に反映させているそう。

小菅さんが手掛ける刺繍たちは縫い方も様々。
そこも作品を制作していく上でこだわっているポイントとのこと。

『元々、刺繍って繊細で乙女らしいっていうか
ファンシーな感じなんですけども
私がやるのはもうちょっと違うものにしようと思って。
大胆でクスッと笑えるものにしようと、
縫い方も多分繊細じゃないんですよね。
マニュアルを見て作るのが好きじゃなくて(笑)
真面目すぎないようにもしているっていうか
見ていて他と違うなと思ってほしいので
できるだけ楽しくユーモアを入れて縫っています。』

アイディアに煮詰まることもあるそうですが
そういった時には趣味であるサウナに行き
ぼーっとして頭を空っぽにするとのこと。
そうすることで、その後に触れた映画など他のものから
インスピレーションが湧き上がってくるのだとか。

映像作品、食べ物など
様々なものを刺繍に反映させている小菅さんが思う
刺繍の魅力とは・・・

『シンプルな洋服とかも
刺繍をちょっとだけ点とかでも施すだけで
スペシャルな一張羅になったりとか。
集中して作業するっていうことが15分とかでも
すごい頭がスッキリするんですよ。
出来上がった時には達成感もあるし
着る時の気持ちが昂るので
ぜひやってみてください。』



++ Until now ++

昔から物作りが好きだったという小菅さん。
お祖母さんが油絵やお人形作りをしている横で
真似して粘土で人形を作ったり、切り絵をしたりしていたそう。
それをお祖母さんはよく褒めてくれたことで
より物作りが好きになっていったとお話ししてくださいました。

小学校から高校までエスカレート式の女子校で、
そこを飛び出したかったということや
何かを作ることが好きな人が沢山いるところに行きたい！と思い
大学は日本大学芸術学部の写真学科へ。
今でも写真は好きで普段から撮っているそうです。
ただ写真学科での成績があまり良くなったので
将来的に写真の道へ進むのは難しいと思い
写真ではなく刺繍の道へ。

『小さい頃、フェルトとかでマスコットを作るのが好きで
それが刺繍に繋がったというか、縫い物が好きだったので。
あと大きいきっかけは自分が欲しい服
「猫の刺繍がついていたらいいな」とか思って作ったりとか
友達に頼まれて作っていって、
どんどんと面白くなっていった感じがします。
刺繍がまさかメインで仕事になるとは思わなかったんですけど
だんだん色んな人が応援してくれて
今になっているっていう感じですね。』

子供の頃から縫い物はやっていたものの
実は独学で今の刺繍のスタイルにたどり着いたとのこと。

『マニュアルが苦手なので
縫い始めたのは本とか見てやったと思うんですけど
「〇〇ステッチ」とか覚えるのがすごい苦手で
めちゃくちゃ独学でやっていって
大人になって、仕事になってからワークショップとかするようになって
改めてYouTubeとか見て
覚え直したみたいな感じです。(笑)』

++ Right now ++

アイディアが煮詰まったら
サウナへ行きリセットされているという小菅さん、
できるだけ毎日、サウナへ行くようにしているとか。

『みんなが歯磨きするのと一緒なくらい
入らないと気持ち悪いみたいな感じになっていて
8年くらい前から入っているんですけど
忙しすぎた時は入れないけど
入らなかった日があったら
次の日、2回入ったりとか(笑)』

サウナブームの前から
日常的にサウナを利用されていた小菅さん、
その頻度から以前は周りの方から驚かれていたそうです。

リセットするためにサウナに行くこともあれば
サウナの中で急にアイディアが思いつくこともあるそうで
そんな時には急いでロッカーへ向かいメモをしているとか。

サウナ以外に、今ハマっている事は「ナチュールワイン」。

『周りで結構好きな人が多くて
色々教えてもらったりとか、
お店の人に生産者さんが
どういう気持ちで作っているのかとか聞いたりするのも楽しいし。
色も綺麗だし、買えるお店も、飲めるお店も増えてきたので
買えるところで買って、誰かのホームパーティーで飲んだりとか
みんなで楽しい時間を過ごす中心にワインがあったりするので
すごく好きで、よく見にいったり、飲んだりとかします。』



++ From now on ++

小菅さんの今後のご予定としては
３月に代官山SISONギャラリーで野口あやさんのお洋服に
１点もので刺繍を施した展示販売があります。

さらに5月には愛知県蒲郡にて開催される
マーケットと音楽が楽しめる野外イベント「森、道、市場」で
小菅さんの刺繍も販売されるそうです。

今後は海外での展示も目標に活動していきたいとのこと。
その地域の美味しいものを
刺繍として作りたいとお話ししてくださいました。

これからの活動を通して
小菅さんが伝えていきたいメッセージも伺いました。

『私も人の展示とか、絵とかを見るのが好きなんですけども
人生は一度きりだから楽しければ楽しいほどいいなと思っていて
みんなもそういう風に生きれたらすごい幸せだなと思うので
すごく気持ちが高まったりとか楽しくなるように
私の展示が役に立ったらいいなと思っています。
私の刺繍も繊細でもないというか(笑)
大胆でもいいんだみたいな感じに
どんどんチャレンジしてほしいなと思うし
とにかく楽しい気分になったらいいなと思って
そういう風にみんながなれるように
楽しい作品を作り続けたいなと思っています。』